ネズミの粘着シートは餌を置くと逃げられます|見に行く目安は少なくとも週1回
置いたのにかからない。かかったけれど動いている。粘着シートを使うと、この2つで手が止まります。
調べると「餌を置くとよい」と書いているサイトが並びます。ですが東京都の資料は「置かない方がよい」と書いていて、理由まで添えてあります。
この記事では、東京都と厚生労働省の資料から、逃げられる条件と見に行く頻度を並べます。
「何日で死ぬか」については、答えになる公的資料を見つけられませんでした。そのことも含めて書きます。
- 東京都は「粘着シートに餌は置かない方がよい」と書いている。餌の周りは粘着されないため
- 粘着シートは餌でおびき寄せる道具ではなく、走っているネズミの足を取る道具
- 何日で死ぬかを書いた公的資料は見つからない。国が示すのは「少なくとも週1回」の頻度
- いますること:餌を外す → 通り道に隙間なく置く → 週1回は見に行く

天井裏で音がしていて、自分では手が届かない。そういう段階なら、範囲を見てもらうところから始められます。
走っているネズミの足を取る道具です。
東京都の資料が、仕組みをそのまま書いています。
粘着シートは走っているねずみが足をとられてもがき、それにより体全体がシートに付着して捕捉されるものである。
※出典:東京都「行政担当者のための ねずみについてよくある質問&回答集」(東京都ねずみ防除指針 巻末資料)Q9。2026年8月29日確認。
寄せてくるのではなく、通るところで足を取ります。だから置く場所は、餌のそばではなく通り道になります。
台東区は、置き方をこう案内しています。
ねずみのフンが落ちている場所や、通り道となりそうな壁際に出来るだけ多く隙間なく設置してください。
ねずみは用心深いので根気強く行ってください。
※出典:台東区「ねずみの防除」。2026年8月29日確認。
かんたんに言うと、フンの落ちている場所と壁際が置き場所です。
理由が2つ書かれています。
質問と回答をそのまま引きます。
Q9 粘着シートには、餌をおいた方が良いのか。
A:置かない方がよい。理由は、餌が劣化すると忌避されることがあるからである。また、粘着シートは走っているねずみが足をとられてもがき、それにより体全体がシートに付着して捕捉されるものである。餌が粘着シートの上にあると、その周辺は粘着されず、粘着面が少なくなって逃げる場合が多くなる。
※出典:東京都「行政担当者のための ねずみについてよくある質問&回答集」Q9。2026年8月29日確認。
理由を分けると、次のようになります。
- 餌が劣化すると、かえって嫌がられることがある
- 餌が乗っている部分は粘着しないので、捕まえる面積が減る
2つめが効きます。粘着シートは面で捕まえる道具なので、面を減らすと逃げられる側に傾きます。

餌を置いたほうが確実に思えますが、置いた分だけ捕まえる面が減っています。
魚肉ソーセージや油揚げは、別の道具の話です
同じ資料には、餌の種類を書いた質問もあります。ただし対象が違います。
Q11 おとり餌には何がいいのか。
A:籠などの餌は魚肉ソーセージや油揚げなど、安価で取りつけやすいものがよい。食べない場合はチーズや上等なソーセージ等を使うとうまくいく場合がある。しかし、クマネズミは籠にはきわめて掛かりにくい。
※出典:東京都「行政担当者のための ねずみについてよくある質問&回答集」Q11。2026年8月29日確認。
「籠」は生け捕り式のわなのことで、粘着シートではありません。魚肉ソーセージや油揚げが挙がっているのは、こちらの道具についてです。
しかも同じ回答が「クマネズミは籠にはきわめて掛かりにくい」と続けています。
日数ではなく、頻度で書かれています。
編集部が探した範囲では、粘着シートにかかったネズミが何日で死ぬかを書いた公的資料は見つかりませんでした。
かわりに厚生労働省のマニュアルが、見に行く頻度を書いています。
殺鼠剤の使用が困難または不適切な場所ではトラップを使用する。トラップによる対策は、少なくとも週1回の頻度で継続する。
※出典:厚生労働省「建築物における維持管理マニュアル」第6章 ねずみ等の防除 ―IPM(総合的有害生物管理)の施工方法―。2026年8月29日確認。建築物衛生法にもとづく建物の管理を想定した記述。
同じマニュアルには、粘着トラップの置き方も2行あります。
- できるだけ多く配置する
- 床が油や水で濡れている場所は、配置を避けるか清掃してから設置する
さらに作業上の注意として、こう書かれています。
粘着や圧殺式トラップは、回収時に取り忘れのないように確認する。
ここからは編集部の見方です。日数を待つ前提の道具ではなく、定期的に見に行く前提の道具として書かれています。「何日で死ぬか」を調べて待つより、週1回見に行くほうが資料の想定に近くなります。
資料が挙げている条件を並べます。
粘着シートが効かなくなる条件と、書いている資料
← 横にスクロールできます →
| 条件 | 書かれていること | 出典 |
|---|---|---|
| 餌を置いている | 餌の周辺は粘着されず、粘着面が少なくなって逃げる場合が多くなる | 東京都 Q9 |
| 床が油や水で濡れている | 配置を避けるか、清掃してから設置する | 厚生労働省 IPM |
| 配置数と配置方法 | わなにかからない理由は、配置数と配置方法に問題があると思われる | 東京都 Q1 |
| 相手が用心深い | ねずみは用心深いので根気強く行う | 台東区 |
出典:東京都「行政担当者のための ねずみについてよくある質問&回答集」Q1・Q9/厚生労働省「建築物における維持管理マニュアル」第6章/台東区「ねずみの防除」。2026年8月29日確認。
かんたんに言うと、4つのうち3つは置き方の話です。商品の性能ではありません。
だから市販品を買い足す前に、置き場所と枚数を見直すことになります。何枚をどう並べるかは、葛飾区が「1枚より2枚。通路を狭くして誘導する」と手順で書いています。
東京都は、理由を配置に絞っています。
Q1 粘着シートや捕獲器具を使っているが、ねずみがわなにかからない。どうしたらいいか。
A:ねずみがわなにかからない理由としては、トラップの配置数と、配置方法に問題があると思われる。
※出典:東京都「行政担当者のための ねずみについてよくある質問&回答集」Q1。2026年8月29日確認。
商品を替える話が出てきません。数と置き方の2つです。
相手がクマネズミなら、そもそも通り道が読みにくくなります。同じ資料は、侵入口の寸法をこう書いています。
クマネズミの場合、1.25cm の隙間があれば通り抜けることができる。また、歯がかりがあれば齧って通路にしてしまう。
東京の住宅地では、種類が分かる相談の9割以上がクマネズミでした。壁際だけでなく、配管まわりや高いところも通り道になります。
素手で行うことだけは避けます。
東京都の資料は、追い詰めたときの対処をこう書いています。
専門家が行う方法は、撲殺(素手ではなく道具を使うか、新聞等をかぶせて叩く)である。一般の人が行う場合も基本的には同じような方法をとるしかないが、素手で行うことだけは避けなければならない。もしあらかじめ使用するために購入した粘着シートがあるなら、それを近づけて貼りつける方法が適当と思われる。叩く場合は新聞紙の代わりにぼろ布でもよいが、追い詰められると飛び上がることもあるので十分注意すること。
※出典:東京都「行政担当者のための ねずみについてよくある質問&回答集」3-Q7。2026年8月29日確認。
この記事で手順としてすすめるのは、素手を避けることだけです。資料は方法も書いていますが、無理に行う場面ではありません。
「追い詰められると飛び上がることもある」という注意も、そのまま書かれています。
片づけかたと、別の動物がかかっていた場合は、別の記事にまとめてあります。ねずみの死骸を片づける5手順と、あとから来るイエダニの話と、粘着シートに別の動物がかかったときの扱いを先に読んでください。
家の中で死なれたくないかどうかで分かれます。
東京都の資料が、そのまま書いています。
粘着シートと毒餌の使い分け
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| 見るところ | 粘着シート | 毒餌(殺そ剤) |
|---|---|---|
| どこで死ぬか | 置いた場所で見つかる | 死に場所は限定できない |
| 家の中で死なれたくない場合 | こちらが向く | 向かない |
| 相手がクマネズミのとき | 配置数と配置方法しだい | 警戒心が強く、毒餌を食べにくい |
| 見に行く頻度 | 少なくとも週1回 | 配置の初期は頻繁に点検し、不足分を補充 |
出典:東京都「行政担当者のための ねずみについてよくある質問&回答集」Q8・Q12・Q13/厚生労働省「建築物における維持管理マニュアル」第6章。2026年8月29日確認。
東京都の該当箇所はこの一文です。
毒餌による死に場所は限定できないので、家の中で死なれたくない場合は、トラップによる捕獲など殺そ剤以外の方法をとる方がよい。
なお、新宿のビルではクマネズミの82%が薬に強かったという調査があります。ただし東京都の資料は、抵抗性が見られるのは「都内の繁華街の一部で見られる程度」で、一般家屋ではあまり心配する必要はないとしています。
自分でやる範囲を超えるのは、壁の中・天井裏・高所です。置く場所そのものに手が届かないと、枚数を増やしても届きません。
ネズミ駆除の全体像と、害獣駆除業者9社を料金の公表状況で検証した記事に、頼む場合の比べ方をまとめています。

シートを置ける場所には置いた。それでも天井裏で音がする。そこまで来たら、届かない範囲を見てもらう段階です。
粘着シートで減らせるのは、いま家の中にいる数だけです。
東京都の資料に、隙間をふさいだ場合の話があります。
屋内での餌の保管方法が完全なら、ねずみは餓死する。しかし、隙間は逃げるだけではなく、侵入にも使用されているので、家屋内の状況がそのままなら、従来どおり生息し続ける。
※出典:東京都「行政担当者のための ねずみについてよくある質問&回答集」3-Q3。2026年8月29日確認。
入口が残っていれば、捕まえた数だけ入ってきます。だから捕獲は、ふさぐまでの手当てになります。

シートで減らせるのは、いま家の中にいる数だけです。
やることは3つです。
- かかったシートを片づけたら、同じ通り道に新しいシートを置き直す
- フンや黒い汚れが付いている場所をたどって、外とつながる隙間を探す
- 見つけた隙間から順にふさぐ
日数を書いた公的資料は、編集部が探した範囲では見つかりませんでした。
かわりに厚生労働省のマニュアルが「少なくとも週1回の頻度で継続する」と書いています。日数を待つのではなく、週1回見に行く前提の道具として扱われています。
東京都は「置かない方がよい」と書いています。
理由は2つです。餌が劣化すると嫌がられることがあることと、餌の周辺は粘着されず、粘着面が少なくなって逃げる場合が多くなることです。
逃げる条件が資料に書かれています。
餌を置いて粘着面が減っている場合と、床が油や水で濡れている場合です。厚生労働省のマニュアルは、濡れた床では「配置を避けるか清掃してから設置する」としています。なお、超音波の機械については東京都が「実用効果については否定的な意見のほうが多い」と書いています。
編集部が探した範囲では、公的な資料に記載を確認できませんでした。
数字も、起こる・起こらないの断定も出しません。確かめられたのは、ここまでに挙げた置き方と頻度の記述までです。
別の動物がかかった場合の扱いは、藤沢市の記事で罠を仕掛ける前に知る事故としてまとめてあります。
置く前に、ペットや小さな子どもが入る場所を避けておくことになります。
ネズミの粘着シートは、餌でおびき寄せる道具ではありませんでした。走っているネズミの足を取る道具なので、餌を置くと粘着面が減って逃げられます。
「何日で死ぬか」を書いた公的資料は見つかりませんでした。国が示しているのは「少なくとも週1回」という見に行く頻度です。
かからない理由として資料が挙げているのも、商品ではなく配置数と配置方法でした。
いまやることは3つです。
- シートの上に置いた餌を外す
- フンが落ちている場所と壁際に、隙間なく置き直す
- 週1回は見に行く。片づけたら同じ場所に置き直す

置き方を直しても音が止まらないなら、シートが届いていない場所に通り道があります。

