カツオブシムシの駆除は成虫では終わりません|白い花と洗濯物から入ります
春先、部屋の中を2〜3ミリの小さな甲虫が歩いている。
カツオブシムシです。
なぜ家に出るのか、から書きます。
白いものについて入ってきます。
白い花と、外に干した白い洗濯物です。行政の資料にそう書かれています。
そして、もう1つ大事なことがあります。
成虫は衣類を食べません。食べるのは幼虫です。
だから、歩いている成虫を退治しても、衣類は守れません。
- 家に入る経路は白い花と、外に干している白い洗濯物
- 成虫は繊維を食害しない。食べるのは幼虫
- 室内から外へ出てくる成虫は、すでに産卵を終えている
- 春に成虫を見た=去年から幼虫が育っていたということ

1匹見ただけで大げさだ、と思うかもしれません。ただ、その1匹が室内から出てきたなら、卵はもう産まれています。
入ってくる経路が、はっきり書かれています。
京都市の衛生動物部門が、対策の1番目としてこう挙げています。
ヒメマルカツオブシムシを家に持ち込まないように気を付けましょう。白系統の花(ヒメカツオブシムシはツツジなど)を好みますので、これらの花を家庭に持ち込む時は、虫が付いていないか注意して下さい
※出典:京都市「No.048 ヒメマルカツオブシムシ」(2026年8月28日確認)。以下、京都市 No.048 からの引用は出典名を省きます。
そして、もう1つの経路があります。
また、ヒメマルカツオブシムシは、外に干している白い洗濯物などに付いて室内に侵入します。そして、餌となるウールなどに卵を産み付けます
白い洗濯物です。
かんたんに言うと、白いものを花だと思って寄ってきます。
白い花に集まるのを、研究者が数えています
同じ研究者が、別の号で観察を記録しています。
自宅の玄関のプランターにノースポール(キク科の白い花)が満開になったとき、文献のとおりかを確かめました。
たくさんのヒメマルカツオブシムシが飛来してきていました。10数匹が確認できました。5月初旬のことでした。5月から8月ころまで訪花が続きます
※出典:京都市「No.016 ヒメマルカツオブシムシ」(2026年8月28日確認)。以下、京都市 No.016 からの引用は出典名を省きます。
5月から8月は、白いキク科の花に来ています。
同じ研究者は、実験室の白い琺瑯(ほうろう)製バットの上で7〜8匹を見つけたときのことも書いています。「白い琺瑯製バットで多く発見したのは、花の色と勘違いしたためかもしれません」としています。
ここを外すと、対処がずれます。
なお、成虫は、繊維を食害することはありません
※出典:京都市 No.016。
歩いている成虫を退治しても、衣類の被害は止まりません。
食べているのは幼虫です。
ヒメマルカツオブシムシの幼虫は、絹、羊毛などの動物性繊維を好んで加害することで有名です
さらに、食品にも出ます。
名前のとおり、幼虫は、乾燥動物質のかつお節やにぼし、変わったところでは、昆虫の乾燥標本に発生することもあります
ヒメマルカツオブシムシには、もう1つ特徴があります。
ヒメマルカツオブシムシは、他のカツオブシムシ科の種類にない、植物質だけでも成長もできる食性もあります
動物性のものを片づけただけでは足りない、ということです。
大きさは種類で違います
さいたま市が3種の大きさを並べています。
カツオブシムシ類の大きさ(さいたま市「衣類や食品を食べる害虫『カツオブシムシ類』」より)
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| 種類 | 幼虫 | 成虫 |
|---|---|---|
| ヒメマルカツオブシムシ | 約4ミリメートル | 1.7〜3.2ミリメートル |
| ヒメカツオブシムシ | 約9ミリメートル | 2.8〜5.3ミリメートル |
| ハラジロカツオブシムシ | 約15ミリメートル | 5.5〜10ミリメートル |
出典:さいたま市(2026年8月28日確認)。同市は「衣類や乾燥食品などを食べる甲虫」とし、動物性の繊維(毛織の衣類やじゅうたんなど)、動物性の乾燥食品(かつお節や煮干しなど)、貯蔵穀物を好む種類がいるとしています。
幼虫のほうが成虫より大きい種類もあります。
需要の多い問いに答えます。
京都市 No.048 は、成虫の行動をこう書いています。
成虫は約10日間、その場で交尾して30〜60個の産卵を終えた後、明るいところを好んで外に出てきます
外に出ようとしている成虫は、産卵を終えた個体です。
No.016 も同じことを書いています。
羽化したのち、交尾、産卵し、屋外に飛び出し、再び産卵することは、ないそうです
つまり、窓際で見つけた1匹は、これから産むのではなく、もう産んだあとということです。
ここからは編集部の見方です。
その1匹を潰しても、卵は残っています。探すのは成虫ではなく、卵と幼虫がいる場所です。
春に成虫を見た=去年から育っていました
時間の流れを押さえておきます。
産み落とされた卵は、約1箇月で幼虫になり、その後、繊維質を加害しながら成長し、翌年の春にサナギになります(No.016)
この虫は、300日ほどを幼虫で過ごして3〜4月にサナギになり4〜5月に成虫になります(No.048)
ヒメマルカツオブシムシの1年(京都市 No.016・No.048 から当サイトが整理・2026年8月28日)
| 時期 | 状態 |
|---|---|
| 4〜5月 | 成虫が出る。京都市域での出現は4月中旬 |
| 5〜8月 | 白いキク科の花に訪花 |
| 5月ごろ | 産卵(30〜60個)。約1か月で幼虫に |
| 6月〜翌3月 | 約300日を幼虫で過ごし、繊維を食べ続ける |
| 3〜4月 | サナギ |
年間1世代です。
春に成虫を見たということは、去年の初夏から幼虫が衣類を食べていたということになります。
やってはいけないこと3つ
避けることを挙げておきます。
- 成虫だけ退治して終える。繊維を食べるのは幼虫
- 白い洗濯物を外に干したまま取り込む。付いて入ってくる
- 白い花を切って室内に持ち込む。虫が付いていないか見てから
1つめが、いちばん被害を長引かせます。
発生源の探し方です。
京都市 No.048 の筆者は、自分の実験室で大発生させた経験を書いています。
机上の標本にも、床の隅にも見当たらず、上を見たところ——陳列していたキイロスズメバチの巣にヒメマルカツオブシムシが大発生していました。巣に残っていた幼虫の残骸やフンに発生したと推測しています。
動物質なら、思いがけない場所でも発生源になります。
対策として挙げられているのは2つです。
発生源になる乾燥食品類(動物系、植物系)は密閉保存してください。また、床を掃除して餌となる虫の死骸などのゴミをなくしましょう
- ウール・絹の衣類(クローゼットの奥、着ていないもの)
- じゅうたん・毛織物
- かつお節・にぼしなどの乾燥動物質
- 昆虫の乾燥標本、はく製、剥製に近い装飾品
- 床や家具の裏に溜まった虫の死骸とホコリ
※出典:京都市 No.016・No.048 およびさいたま市(2026年8月28日確認)。
掃除で減らすのは、ゴミではなく餌です。
乾燥食品が発生源になる点はシバンムシの駆除は発生源を捨てることと重なります。虫が違えば対処も変わるので、見つけた虫の形を先に確かめてください。

衣類も食品も見たのに、どこで育っているのか分からない。そこまで来ると、思いがけない場所が発生源になっていることがあります。
来年に効く手です。
やることは3つに分かれます。
1つめは、入れないこと。白い洗濯物は取り込むときに払い、白い花は室内に入れる前に見ます。
2つめは、餌を減らすこと。乾燥食品は密閉保存し、床の虫の死骸とホコリを掃除します。
3つめは、しまい方です。長期保存する衣類は、しまう前に洗います。食べこぼしや汗の汚れが付いていると被害を受けやすくなるためです。
- 長くしまう衣類はしまう前に洗う
- しまった衣類は定期的に虫干しする(風通しの悪い場所を好む)
- クローゼットや収納のホコリと糸くずを掃除する
- 防虫剤(ナフタリン、パラジクロルベンゼン、しょうのうなどの昇華性のもの)を使う
- 乾燥食品類は密閉保存する
※出典:京都市 No.048 およびさいたま市(2026年8月28日確認)。
成虫が出るのは4〜5月です。その前に済ませておくと、産卵の機会を減らせます。
業者に頼む判断は「発生源が見つかるか」です
自分でやるか任せるかの線を書いておきます。
発生源が衣類や食品だと分かったなら、捨てるか洗うかで終わります。
判断が要るのは、次のときです。
- 衣類も食品も見たのに、発生源が見つからない
- じゅうたんや壁面など、動かせないものが発生源に見える
- 毎年同じ時期に同じ部屋で出る
- 被害が複数の部屋に広がっている
害虫別の費用の目安は害虫駆除の費用相場はいくら?にまとめました。
白いものについて入ってきます。京都市は、白系統の花を好むため花を家庭に持ち込むときは注意すること、外に干している白い洗濯物などに付いて室内に侵入することを挙げています。
家の中に餌があるためです。幼虫は絹や羊毛などの動物性繊維、かつお節やにぼしなどの乾燥動物質、昆虫の乾燥標本などを食べます。ヒメマルカツオブシムシは植物質だけでも成長できるとされています。
発生源を探してください。京都市は、成虫が約10日間その場で交尾して30〜60個の産卵を終えた後、明るいところを好んで外に出てくると書いています。室内から出てきた成虫は、すでに産卵済みです。
守れません。京都市は「成虫は、繊維を食害することはありません」としています。衣類を食べるのは幼虫なので、幼虫がいる場所を見つけることになります。
4〜5月です。京都市は年間1世代で、京都市域での成虫の出現時期は4月中旬だとしています。5月から8月ころまでは白いキク科の花に訪花が続きます。
約300日です。京都市は、300日ほどを幼虫で過ごして3〜4月にサナギになり、4〜5月に成虫になるとしています。産み落とされた卵は約1か月で幼虫になります。
さいたま市はナフタリン、パラジクロルベンゼン、しょうのうなどの昇華性の防虫剤を挙げています。あわせて、長期保存の前に洗うこと、定期的に虫干しすること、収納のホコリを掃除することが予防として挙げられています。
カツオブシムシが家に出る理由は、白でした。
京都市は、白系統の花を好むこと、外に干している白い洗濯物などに付いて室内に侵入することを書いています。
そして成虫は繊維を食害しません。食べるのは幼虫です。歩いている成虫を退治しても、衣類の被害は止まりません。
さらに、室内から外へ出てくる成虫は産卵を終えています。約10日で30〜60個を産み、そのあと明るいほうへ出てきます。
春に成虫を見た=去年から幼虫が育っていたということです。幼虫の期間は約300日あります。
やること
- 白い洗濯物は取り込むときに払い、白い花は室内に入れる前に見る
- ウール・絹・かつお節・にぼし・標本と、床の虫の死骸を確かめる
- しまう衣類は洗ってから収納し、乾燥食品は密閉する

衣類も食品も見たのに見つからない。そうなると、思いがけない場所が発生源です。そこが分かると来年の出方が変わります。

