コウモリに毒餌は効きません|飛ぶ虫しか食べず、置き餌が成立しない理由
コウモリ用の毒餌を探しても、見つからないと思います。
売っていないからです。
理由は2つあります。
1つは法律。もう1つは、あまり書かれていませんがもっと根本的な理由です。
コウモリは、置いた餌を食べません。
飛んでいる虫を、空中で捕って食べる生き物だからです。
この記事では、毒餌が成立しない理由と、かわりに何が効くのかを整理します。
- コウモリは飛んでいる小さな昆虫を空中で捕る。置き餌を食べない
- ネズミに殺鼠剤があるのは、ネズミが置き餌を食べるから
- 鳥獣保護管理法で捕獲・殺傷が禁止。1年以下の懲役または100万円以下の罰金
- 効くのは追い出しと封鎖。塞ぐのは1cmの隙間

薬で片づけたい、という気持ちで探している段階だと思います。ただ、この相手には薬という手段そのものがありません。
まず、餌の食べ方から確かめます。
学術誌の解説は、アブラコウモリの食べ物と、それを捕る場所をこう書いています。
食べ物は小さな昆虫で、川の上、住宅地の上、公園や駐車場の上などオープンな空間で捕っている
※出典:大沢啓子・大沢夕志「家屋・建物内をねぐらにするコウモリ」都市有害生物管理 6巻2号 91-95ページ(2016年)。
空を飛びながら、飛んでいる虫を捕っています。
福岡県も「小型のハエ目、チョウ目、カメムシ目、コウチュウ目などの昆虫を飛びながら食べます」としています。
地面や床に置いたものを食べる行動が、そもそもありません。
ここからは編集部の見方です。
毒餌は「食べさせる」ための手段です。食べない相手には、成立しません。売っていないのは、作っても効かないからだと考えられます。
ネズミに殺鼠剤があるのは、置き餌を食べるからです
比べると分かりやすくなります。
ネズミは雑食で、置いた餌を食べます。だから殺鼠剤(毒餌)という手段が成り立ちます。自治体もネズミについては毒えさの置き方を案内しています。
置き餌が成立するかどうか
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| 相手 | 餌の取り方 | 毒餌 |
|---|---|---|
| ネズミ | 雑食。置いてあるものを食べる | 成立する(殺鼠剤) |
| コウモリ | 飛んでいる虫を空中で捕る | 成立しない |
コウモリの食性は前掲の学術誌および福岡県の資料から。ネズミの毒えさは自治体の案内によります。
ネズミの毒えさの扱いはネズミ駆除の方法を完全解説にまとめました。
同じ「家に出る動物」でも、使える手段が違います。
もう1つの理由です。
茨城県つくばみらい市は、こう書いています。
野生のコウモリは、鳥獣の保護および管理ならびに狩猟の適正化に関する法律により捕獲・殺傷が禁止されており、違反した場合は、1年以下の懲役または100万円以下の罰金に処せられます
※出典:つくばみらい市「コウモリを見かけたら」(2026年8月28日確認)
捕まえることも、殺すことも禁じられています。
京都市も、アブラコウモリについて「鳥獣保護法で保護された野生動物であるため、捕獲・殺処分できません」としています。
※出典:京都市「No.59」(2026年8月28日確認)
毒餌が仮に効いたとしても、使えば違法になります。
業者も同じ制約の中にいます。詳しくはコウモリ駆除の悪徳業者を見分けるにまとめました。「駆除」という言葉が何を指すかが分かります。
市役所も駆除しません
窓口の話も押さえておきます。
つくばみらい市は「市では駆除や捕獲等を行っておりません」としています。
市役所に頼めない代わりに何が得られるかはコウモリ駆除を市役所は行いませんにまとめました。
では何が使えるのか。
自治体が挙げているのは、殺すものではありません。
- 煙の出るタイプの害虫駆除剤を屋根裏に置く(北九州市)
- ナフタリン等の忌避剤を置く(北九州市)/ハーブ系の刺激臭の強い忌避剤(京都市)
- ライトアップして棲み心地を悪くする(北九州市)
※出典:北九州市「よくある相談と対策【コウモリ】」および京都市「No.59」(2026年8月28日確認)。
どれも「出て行ってもらう」ための手段です。
京都市は燻煙殺虫剤を巣に投入する方法も挙げていますが、これも追い出しのためのものです。
追い出したあとに塞ぐまでが1組です
順番があります。
京都市は「夜にコウモリが外へ出ていったころを見計らって、出入口の隙間をふさぎます」としています。
塞ぐ寸法も分かっています。アブラコウモリは1cmの隙間があると入れるので、1cm以下のメッシュを張ります。
手順と、探す場所はコウモリが寄ってくる家の特徴にまとめました。
この章のやること
- 薬で片づける発想をやめて、追い出しと封鎖に切り替える
- 日没前後に出入口を探す(何日か観察が要る)
- 出て行ったのを確かめてから、1cm以下のメッシュで塞ぐ
判断の目安になる数字です。
塞いではいけない時期があります。
京都市は「7月初旬〜8月中旬の繁殖期に入ると追い払うのは難しくなるので、できる限りこの時期を避けて作業を行うとよいでしょう」としています。
学術誌の解説は、もう少し踏み込んでいます。
これらの閉め出しは、飛べない幼獣が中にいる6月下旬から8月上旬は避ける
※出典:前掲の学術誌(コウモリの会, 1998 を引用)。
資料で期間の書き方が少し違います。京都市は7月初旬〜8月中旬、学術誌は6月下旬〜8月上旬です。
ここからは編集部の見方です。
重なっている7月初旬から8月上旬は、どちらの資料でも避ける期間です。前後は資料によって幅があるので、6月下旬から8月中旬までを避けると考えておくほうが安全になります。
冬眠の時期もあります。アブラコウモリは11月から3月にかけて家屋や建物で冬眠し、暖かい日には出てくることもあります。
やれるのは春と秋の2回です。
次にとる行動です。
判断が要るのは、次のときです。
- 出入口がどこか分からない(日没前後に数日観察しても見つからない)
- 出入口が1か所とは限らない(学術誌が明記している)
- 巣が高い場所にあり、足場が要りそう
- 6月下旬から8月中旬にあたり、塞げない
高さで費用の性質が変わる話はコウモリ駆除の足場費用が高い理由に、見積もりの内訳はコウモリ駆除業者の料金は「駆除費」で決まらないにまとめました。

薬を探すのをやめたあと、次に困るのが出入口の特定です。そこだけでも見てもらうと、動き方が決まります。
見当たりません。コウモリは飛んでいる小さな昆虫を空中で捕って食べるため、置いた餌を食べる行動がありません。加えて鳥獣保護管理法で捕獲・殺傷が禁止されています。
使えません。殺鼠剤は置き餌を食べるネズミに対して成り立つ手段です。コウモリは飛翔中の昆虫を捕食するため、置いた餌を食べません。法律でも殺傷は禁じられています。
つくばみらい市は、鳥獣の保護および管理ならびに狩猟の適正化に関する法律により捕獲・殺傷が禁止されており、違反した場合は1年以下の懲役または100万円以下の罰金に処せられるとしています。
自治体が挙げているのは、煙の出るタイプの害虫駆除剤、ナフタリン等の忌避剤、ライトアップの3つです。いずれも追い出しのための手段で、そのあと出入口を塞ぐまでが1組になります。
京都市は7月初旬から8月中旬の繁殖期を避けるとし、学術誌は飛べない幼獣が中にいる6月下旬から8月上旬を避けるとしています。11月から3月は冬眠期にあたるため、春と秋が作業できる時期になります。
つくばみらい市は「市では駆除や捕獲等を行っておりません」としています。法律で捕獲等が禁じられているためで、かわりに追い出しの方法を案内している自治体があります。
学術誌はアブラコウモリが1cmの隙間があると入れるとし、1cm以下のメッシュを張って中に入れないようにするとしています。上部だけ固定して、出られるが入れない形が望ましいとされています。
コウモリ用の毒餌が見つからない理由は、2つありました。
1つは食べ方です。コウモリは飛んでいる小さな昆虫を空中で捕って食べます。川の上、住宅地の上、公園や駐車場の上といったオープンな空間が狩り場です。置いた餌を食べる行動がありません。
ネズミに殺鼠剤があるのは、ネズミが置き餌を食べるからです。同じ「家に出る動物」でも、使える手段が違います。
もう1つは法律です。鳥獣保護管理法で捕獲・殺傷が禁止され、違反すると1年以下の懲役または100万円以下の罰金です。
効くのは追い出しと封鎖でした。煙・忌避剤・光で出てもらい、1cm以下のメッシュで塞ぎます。
やること
- 薬を探すのをやめて、出入口を探す側に切り替える
- 日没前後に数日観察して、出入口を特定する
- 6月下旬〜8月中旬を避けて、出て行ったのを確かめてから塞ぐ

出入口が見つからない、あるいは複数ありそうだと感じた段階で、見てもらうほうが早くなります。

