ヌカカは人を刺す虫?網戸を通る1mmの吸血虫|出るのは5月下旬から6月下旬
網戸は閉めている。窓も閉めた。それなのに刺される。
刺された跡は小さいのに、あとからひどく痒くなる。
その相手は、ヌカカかもしれません。網戸の目より小さい虫なので、閉めていても入ってきます。
人を刺すのか、いつ出るのか、どう防ぐのかを、京都市と鳥取県の2市が出している資料で確かめました。毎週数えた記録や、皮膚科の受診者数まで公開されています。
- ヌカカは体長1〜2mmの吸血する虫。刺すのは雌
- 体の幅は0.5mm。網戸の目(約1mm)より小さいので通り抜ける
- 出るのは5月下旬から6月下旬が中心。朝方と夕方、雨上がりの無風の日に多い
- 自分でやること:虫よけを襟元と袖口に塗る → 肌と服の隙間をなくす

「屋内で繰り返し刺されているが、ヌカカかどうか確かめられない」という人は、別の虫の可能性も残ります。
- ヌカカは1〜2mmの吸血する虫です|網戸を通り抜けます
- 出る時期は5月下旬から6月下旬|米子市が毎週数えた記録があります
- 危ないのは朝方と夕方|雨上がりの無風の日に多く飛びます
- かゆみは刺された直後より数日後が強い|治るまで1〜2週間
- 刺される場所は衣服の中です|首・胸・背中に集中していました
- 刺されないためにやること|虫よけはイカリジン、塗るのは襟元と袖口
- ダニと間違えやすい相手です|ヌカカはハエの仲間で、幼虫は水辺と荒廃農地にいます
- 多いのは鳥取県の弓浜地区|市が補助制度まで作っています
- 業者に頼む判断|ヌカカ自体は、駆除を依頼する相手ではありません
- ヌカカに関するよくある質問
- まとめ:網戸では止まらないので、服と虫よけで防ぎます
刺します。刺すのは雌です。
京都市の衛生環境研究所は、市民から寄せられた相談をこう記録しています。
市民から「網戸をくぐり抜けてくる虫に吸血されて困っています。」という相談です。
※出典:京都市「衛生動物だより」No.023(2026年8月30日確認)
原因はニワトリヌカカという虫でした。
名前は「ヌカのように細かい蚊」という意味です
同じ資料に、名前の由来が書かれています。
ヌカカとは,お米のヌカのように細かい蚊という意味です
蚊やブユと同じハエ目のグループで、雌が吻(ふん)で吸血します。
米子市は、ヌカカをハエ目・ヌカカ科に属する体長1ミリから2ミリメートル程度の昆虫の総称としています。1種類の虫の名前ではありません。
網戸で止まらない理由は、体の幅にあります
京都市の資料は、大きさを数字で書いています。
ヌカカの大きさと網戸の目
| 測ったもの | 大きさ |
|---|---|
| ニワトリヌカカの体長 | 1.5mm未満 |
| ニワトリヌカカの体の幅 | 0.5mmほど |
| 網戸の網の間隔 | 約1mm |
出典:京都市「衛生動物だより」No.023(2026年8月30日確認)
資料はこう結んでいます。
網戸の網の間隔は,約1ミリメートルほどですから,たやすく網戸をくぐり抜けられます。
網戸を新しくしても、この虫は止まりません。米子市も境港市も「網戸を簡単に通り抜ける」と書いています。
網戸そのものの目の細かさと、窓の開け方については網戸の虫は開け方で減りますにまとめてあります。
この章でやることは1つです。
- 網戸を疑う前に、刺している虫が網戸を通る大きさかどうかを考える
鳥取県の米子市は、ヌカカを行政の課題として調べています。
平成27年度から米子高専・鳥取大学と共同で、同じ場所で毎週、捕獲数を数えています。その数字が公開されています。

米子市の調査で捕獲数が最も多かった日
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| 年度 | 最も多かった日 | 捕獲数 |
|---|---|---|
| 令和6年度 | 6月12日 | 1,652匹 |
| 令和7年度 | 6月9日 | 1,316匹 |
| 令和8年度 | 6月10日 | 354匹 |
出典:米子市 環境政策課「ヌカカ対策 調査・研究結果(発生状況、モデル事業等)」を2026年8月30日に確認。調査地点は彦名町(中海から約400m内陸の雑草繁茂地)。
かんたんに言うと、3年とも6月上旬から中旬に山が来ています。
米子市は時期をこう書いています。
発生が多くなる時期は、だいたい5月下旬から6月下旬です。
令和8年度は他の2年より大幅に少なくなっています。理由は資料に書かれていないので、ここでは触れません。
資料によって「時期」が違います
ここが分かりにくいところです。公的資料の書いている時期が、資料ごとに違います。
時期の記載を3つの資料で比べた
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| 資料 | 書いている時期 | 扱っている種類 |
|---|---|---|
| 京都市 | 7月から8月が最も盛ん | ニワトリヌカカ |
| 米子市 | 5月下旬から6月下旬 | ほとんどがトクナガクロヌカカ |
| 境港市 | 5月から9月(6月から7月が最盛期) | イソヌカカ、トクナガクロヌカカ |
出典:京都市「衛生動物だより」No.023/米子市 環境政策課「ヌカカ対策」/境港市「ヌカカ(干拓虫)の被害予防についてお知らせします」を2026年8月30日に確認して当サイトが整理。
ヌカカは1種類ではないので、種類と場所が変われば時期も変わります。
住んでいる地域の自治体が資料を出していれば、そちらの時期を優先してください。
この章でやることは2つです。
- 自分の地域の自治体に、ヌカカの資料があるか探す
- 無ければ、5月下旬から8月までを警戒する期間として考える
時間帯と天気で、飛ぶ量が変わります。
米子市は調査からこう書いています。
発生の多くなる時間帯は、朝方(7~9時)と夕方(16~18時)ですが、特に朝方は活発に飛び回ります。
※出典:米子市 環境政策課「ヌカカ対策 調査・研究結果」(2026年8月30日確認)
天気の条件も挙げられています。
雨上がりの無風の日に多く飛び回る傾向があります。
境港市も「気温や湿度が高く、風の弱い朝夕は、特に活発に活動するようです」と書いています。
風が無い日が危ないという点で、2市の記載は一致しています。
土地についても記録があります。
住宅地や耕作地に比べ、雑草が繁茂している土地のそばでは、捕獲数が多くなる傾向があります。
かんたんに言うと、草が伸びたままの土地のそばは避けたほうがよいということです。
この章でやることは2つです。
- 6月の朝7〜9時に洗濯物を干すなら、先に虫よけを塗る
- 雨上がりで風の無い日は、庭仕事の時間をずらす
刺された直後は、たいしたことがないように見えます。
京都市の資料はこう書いています。
刺された直後のかゆみより数日経過してからのかゆみが激しいといわれています。
※出典:京都市「衛生動物だより」No.023(2026年8月30日確認)
「刺された気がしなかったのに、数日後にひどく痒くなった」という体験は、この虫の性質と合っています。
治るまでの目安
米子市は、皮膚科の協力を得て受診者を調べています。その記録に治り方が書かれています。
ほとんどは1、2週間で症状は治まり
※出典:米子市 環境政策課「ヌカカ対策 調査・研究結果」(2026年8月30日確認。調査協力:左野皮膚科)
治療についても記載があります。
市販薬より、処方されるステロイド外用剤が有効です
これは米子市が書いていることで、当サイトの判断ではありません。症状が強いときは皮膚科を受診してください。境港市も「症状がひどいときは医療機関を受診してください」と書いています。
刺される場所には偏りがあります。
米子市が調べた受診者の記録です。
強いかゆみが最も多く、患者の多くが複数回、複数箇所かまれています。箇所は首の周り、胸、背中など衣服の中が多い状況です。
※出典:米子市 環境政策課「ヌカカ対策 調査・研究結果」(2026年8月30日確認)
服を着ていた場所を刺されています。ヌカカは衣服に潜り込むためです。
受診者の傾向も書かれています。
受診者は子供とお年寄り、性別では女性が多い状況です。
米子市の皮膚科受診者数は、令和7年度の6月2週で83人でした。地域によっては、それだけの人が医者にかかる相手だということです。
腕や足だけに虫よけを塗っても足りません。次の章で、どこに塗るかを見ます。
米子市が挙げている対策は、服と虫よけが中心です。
発生源をなくす対策は現実的ではありません。京都市は、ニワトリヌカカの幼虫が水田などに生息するため「広い水田に対しての幼虫駆除は,非常に困難」とし、対策は飛来する成虫を防ぐことに重点が置かれると書いています。
確認することは4つです。
- 長そで・長ズボン・帽子を着る。タオルなどを首に巻く
- 肌と衣服の隙間をなくす(衣服に潜り込むため)
- 虫よけを、露出部分だけでなく襟元や袖口あたりやその奥にしっかり塗る
- 屋内は、網戸や窓ガラスにかけるスプレーや蚊取り線香で侵入を減らす
※出典:米子市 環境政策課「ヌカカ対策 被害予防」(2026年8月30日確認)
米子市は「屋外では人体用虫除け剤が最も有効です」と書いています。
成分の選び方
虫よけの成分について、米子市はイカリジンを挙げています。
「イカリジン」は、皮膚刺激性がなく、使用頻度の制限がないため、お子様や皮膚の弱い方でも安心して使用できます。また、化学繊維を痛めることがないため、衣類の上からでも使用できます。
「衣類の上からでも使用できる」という点が、この虫では効いてきます。刺されるのが服の中だからです。
市販のグッズの選び方は害虫駆除グッズおすすめ商品にまとめてあります。
網戸に殺虫剤をかける方法もあります
京都市の資料は、鶏舎で行われている方法を紹介しています。
鶏舎の開口部に網戸を設置し,更にその網戸に殺虫剤を噴霧する方法があります。
家庭用の網戸専用スプレーについても、こう書いています。
今回のニワトリヌカカのような微小昆虫の対策として有効です。
網戸で止められないなら、網戸に薬を置くという考え方です。
この章でやることは3つです。
- 虫よけを買うなら、成分がイカリジンかどうかを表示で見る
- 塗るのは腕と足だけでなく、襟元・袖口・その奥まで
- 網戸専用のスプレーを窓に使う
刺す虫は他にもいます。見分けの手がかりを並べます。
ヌカカと紛らわしい相手
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| 相手 | 分類 | 幼虫・生息の場所 | 主な資料 |
|---|---|---|---|
| ヌカカ | ハエ目・ヌカカ科の昆虫 | 水田/荒廃農地の腐植の多い土壌/海岸沿いの水たまり | 京都市・米子市 |
| ブユ(ブヨ) | ハエ目の昆虫。ヌカカと同じグループ | ― | 京都市 |
| ダニ | 昆虫ではない(クモに近い仲間) | 室内のホコリ・畳など | ツメダニの記事へ |
出典:京都市「衛生動物だより」No.023/米子市 環境政策課「ヌカカ対策」を2026年8月30日に確認して当サイトが整理。
いちばん大きな違いは、ヌカカが外から入ってくる虫だという点です。
屋内だけで刺されていて、外に出ていないなら、ダニのほうを疑ってください。畳や寝具で刺される相手はツメダニ駆除に殺虫剤は効きません、屋外で野山に入って刺されたならマダニの駆除は「つけない」と「自分で取らない」が該当します。
ヌカカの中でも種類で違います
米子市の調査には、意外な記録があります。
遺伝子解析等を含め検証を試みたところ、ほとんどの個体はかまないが、ごくまれに、かんで吸血する個体が存在することを確認しました。
※出典:米子市 環境政策課「ヌカカ対策 調査・研究結果」(2026年8月30日確認)
これは、米子市でほとんどを占めるトクナガクロヌカカについての記述です。
一方、イソヌカカは「海岸沿いの水たまりや泥の中に生息しており、その刺咬被害は広く知られています」と書かれています。
同じ「ヌカカ」でも、刺す度合いが違うということです。
被害が集中している地域があります。
米子市の弓浜地区では、古くから健康被害の報告があり、地元では干拓虫とも呼ばれています。
古くから市内弓浜地区において、かゆみなどの健康被害の報告があり、干拓虫などとも呼ばれています。
※出典:米子市 環境政策課「ヌカカ対策 被害予防」(2026年8月30日確認)
2つの市が、行政の仕事として取り組んでいます。
鳥取県の2市がやっていること
| 市 | やっていること |
|---|---|
| 米子市 | 平成27年度から米子高専・鳥取大学と共同で発生状況・被害状況・生態の調査。ヌカカ発生抑制対策費用補助事業という補助制度がある |
| 境港市 | 令和6年度から市内6地点で生息調査(実施は国立米子工業高等専門学校) |
出典:米子市 環境政策課「ヌカカ対策」/境港市「ヌカカ(干拓虫)の被害予防についてお知らせします」を2026年8月30日に確認して当サイトが整理。
虫の対策に自治体が補助金を出す例は多くありません。それだけ地域の課題になっているということです。
自分の地域に資料があるかどうかは、自治体名と虫の名前で探すのが早道です。
先に結論を書きます。ヌカカのために駆除業者を呼ぶ場面は、ほとんどありません。
理由は発生源にあります。京都市が書いているとおり、幼虫がいるのは水田などで、広い水田への幼虫駆除は非常に困難です。米子市の対策も、服装と虫よけが中心でした。
家の中や敷地内を駆除しても、外から飛んでくる相手だからです。
頼む意味があるのは、ヌカカでなかったときです
判断が変わるのは、次に当てはまるときです。
- 外に出ていないのに、屋内だけで刺されている
- 時期が5月から9月に当てはまらない
- 刺された跡が増え続けていて、寝ている間に刺されている
この場合は、ヌカカではなくダニやノミ、トコジラミの可能性が残ります。いずれも屋内で繁殖する相手なので、駆除の対象になります。
相手が変われば、やることが変わります。畳や寝具ならツメダニ駆除に殺虫剤は効きませんが該当します。
刺します。刺すのは雌で、吻で吸血します。
ただし種類によって差があります。米子市は、地域でほとんどを占めるトクナガクロヌカカについて「ほとんどの個体はかまないが、ごくまれに、かんで吸血する個体が存在する」と書いています。
米子市は、皮膚科の協力を得た調査で「ほとんどは1、2週間で症状は治まり」と書いています。
これは目安であって、誰でもそうなるという意味ではありません。症状が強いときは皮膚科を受診してください。
防げません。京都市は、ニワトリヌカカの体の幅が0.5mmほどで、網戸の網の間隔が約1mmであることから「たやすく網戸をくぐり抜けられます」と書いています。
網戸に使う殺虫剤スプレーや、屋外での虫よけのほうが現実的な手段です。
米子市は屋内の対策として「網戸や窓ガラスにかけて虫の侵入を防止するスプレーや蚊取り線香(ハエ取り線香)などを使用し」と挙げています。
ただし、どれくらい減るかを示した数字は、確認した資料にはありませんでした。
公表されている例では、鳥取県の米子市・境港市にまたがる弓浜地区です。地元では干拓虫と呼ばれ、市が調査と補助制度を用意しています。
他の地域にいないという意味ではありません。京都市も市民からの相談を記録しています。
ヌカカは、網戸の目より小さい吸血する虫です。
- 体長1〜2mm。体の幅0.5mmで、網戸の目(約1mm)を通り抜ける
- 刺すのは雌。種類によって刺す度合いが違う
- 米子市の記録では6月上旬から中旬が山。3年とも同じ形だった
- 朝方(7〜9時)と夕方(16〜18時)、雨上がりの無風の日に多い
- かゆみは直後より数日後が強い。治るまで1、2週間が目安
- 刺されるのは首・胸・背中など衣服の中
- 虫よけはイカリジン。塗るのは襟元・袖口とその奥
やることの順番は3つです。
- 自分の地域の自治体に、ヌカカの資料があるか探す
- 6月の朝夕に外へ出るなら、襟元と袖口まで虫よけを塗る
- 屋内は網戸専用のスプレーで、入る量を減らす

時期が合わない、外に出ていないのに屋内だけで刺される、という場合は、ダニやノミなど別の虫の線が残ります。

