ツメダニ駆除に殺虫剤は効きません|1〜2日後の痒みと、畳に熱を入れる方法
刺されて痒い。殺虫剤を撒いたのに、減らない。
ツメダニかもしれません。
そして、その状態にはっきりした説明があります。
ツメダニに殺虫剤は効きません。
京都市の保健所が、相談への回答としてそう書いています。
では何が効くのか。答えは3つで、どれも殺虫剤ではありません。
餌を断つ、熱を入れる、肌を接しない。
この記事では、まず本当にツメダニかを見分け、そのうえで3つの手を整理します。
- 保健所は「殺虫剤に強いことから殺虫剤による駆除も効果を期待できません」と書いている
- 見分けは時間。刺されて1〜2日後に赤みと痒みが出る
- ツメダニはほかのダニやチャタテムシを食べている。餌を断つのが本筋
- 畳は高周波処理か温風処理。畳屋に頼む作業

市販の殺虫剤を試して減らなかった、という段階でこの記事に来た人が多いはずです。減らないのには理由があります。
保健所の記録が公開されています。
京都市に、次の相談が寄せられました。
虫刺されで困っている。かゆくてたまらない。市販されている水煙が出る殺虫剤を使用したが被害は減らない。何が原因なのか
※出典:京都市「No.039 原因不明の虫刺され」(2026年8月28日確認)。以下、京都市からの引用は出典名を省きます。
相談者は、すでに殺虫剤を試して失敗しています。
保健所は室内のホコリを持参してもらい、検査しました。
依頼された室内のホコリ(略)0.13グラムの室内のホコリの中からミナミツメダニ128匹、イエササラダニ76匹、カザリヒワダニ16匹、チリダニ類20匹が検出されました
0.13グラムのホコリから、128匹です。
そして対策指導で、こう説明されています。
ミナミツメダニは殺虫剤に強いことから殺虫剤による駆除も効果を期待できません
行政が「殺虫剤は効果を期待できない」と書いています。
ここからは編集部の見方です。
撒く回数を増やしても、結果は変わりません。方法そのものが合っていないので、別の手に切り替えることになります。
やってはいけないこと3つ
薬が効かない相手なので、避けることがはっきりしています。
- 殺虫剤を撒き足す。保健所が効果を期待できないとしている相手に、量を増やしても同じ
- 畳の上にじゅうたんやゴザを敷いたままにする。豊島区が発生しやすい条件に挙げている
- その場で痒くなる刺され跡を、ツメダニだと決めつける。ツメダニは1〜2日後
1つめが、いちばんお金と時間を使います。相談者も、そこで止まっていました。
先に、相手が合っているかを確かめます。
埼玉県が症状の出方を書いています。
刺されると1~2日後に赤み、痒みが出ます
※出典:埼玉県「ダニのなかま」(2026年8月28日確認)。以下、埼玉県からの引用は出典名を省きます。
その場で痒くなるわけではありません。
刺された瞬間に気づかず、翌日か翌々日に赤くなって痒くなります。だから「どこで刺されたか分からない」という状態になります。
豊島区は「人を偶発的に刺す」とし、「痒みや皮膚炎を起こす」としています。
家の中の4種のダニと、刺すかどうか
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| ダニ | 体長 | 人を刺すか | 主なやること |
|---|---|---|---|
| ツメダニ類 | 0.3〜0.6mm | 刺す。1〜2日後に赤みと痒み | 餌を断つ・熱を入れる |
| ヒョウヒダニ類(チリダニ) | 0.3〜0.5mm・白色 | 刺さない | アレルゲンとして掃除 |
| コナダニ類 | 0.3〜0.5mm・乳白色 | 刺さない | 発生した食品を廃棄 |
| タカラダニ | 0.4〜1mm・鮮赤色 | ごく稀 | 水で流す。7月に消える |
体長と刺咬の記載は埼玉県から。タカラダニは東京都健康安全研究センターの資料によります。
赤い虫が外壁を歩いているだけなら、相手はタカラダニです。刺されているなら屋内のツメダニを疑います。
なお、ネズミの死骸のあとに出るイエダニも人を刺します。心当たりがあればねずみの死骸はどうする?を先に読んでください。
ここが本筋です。
ツメダニは、何かのくずを食べているのではありません。
埼玉県は、ツメダニ類が「屋内でヒョウヒダニ類やチャタテムシやコナダニ類を摂食」するとしています。豊島区も「ツメダニは畳などに発生したチャタテムシや他のダニを餌としています」と書いています。
ほかの虫を食べる、捕食者です。
だから対策も、そこから決まります。
ツメダニ刺症が起こる場所(タタミ、じゅうたん、寝具など)の湿度を下げ、クリーニングを行うことでツメダニを減らします。さらに捕食するヒョウヒダニ類やコナダニ類を減らしていくことが必要です
「さらに」の後ろが本命です。
餌のダニは、カビとフケとアカで増えます
もう一段さかのぼれます。
豊島区は「チャタテムシや他のダニはカビやフケ、アカなどを食べて増えます」としています。
つまり連鎖はこうなります。
- カビ・フケ・アカが溜まる
- それを食べるチャタテムシ・ヒョウヒダニ・コナダニが増える
- それを食べるツメダニが増える
- 人が刺される
掃除は、いちばん下の段を減らす作業です。殺虫剤でツメダニだけを狙うより、こちらのほうが理屈が通ります。
コナダニは食品にも発生します。粉製品の扱いはコナダニの駆除は捨てることですにまとめました。
この章のやること
- 畳・じゅうたん・寝具に掃除機をかける
- 風通しをよくして湿度を下げる
- カビ・フケ・アカが溜まる場所を先に減らす
薬が効かないかわりに、熱は効きます。
埼玉県はヒョウヒダニについて「生きているダニは50℃以上30分ほどで死亡」するとし、「寝具の掃除機による吸引や丸洗いが有効」としています。
畳については、京都市が2つの方法を挙げています。
高周波処理とは、畳に高周波を当てて、畳内部のダニや小昆虫を焼き殺す方法です。言わば、畳用の電子レンジです。卵までも焼き殺すと言われています
温風処理とは、畳を処理する空間に入れ、空気を加熱して、畳内部の温度を上げ、焼き殺す方法です
どちらも効果的な方法だと書かれています。
ただし、頼む先が違います。
ただ、高周波処理は、専門の業者(畳屋)に依頼する必要があります
畳屋の仕事です。害虫駆除業者ではありません。
肌を接しないという手もあります
京都市は、もう1つ現実的な案内をしています。
刺される被害は、ミナミツメダニの発生源である畳に直接肌が接することによって起こります。畳に素肌を接しないようにベッドで寝られると被害が少なくなることもあります
畳に直接寝るのをやめる、という手です。
駆除しきれなくても、刺される回数は減らせます。
この章のやること
- 寝具は掃除機か丸洗い(生きたダニは50℃以上30分で死ぬ)
- 畳は畳屋に高周波処理または温風処理を相談する
- それまでは畳に素肌を接しない

畳なのか、じゅうたんなのか、寝具なのか。どこから出ているのかが決まらないと、畳屋に頼むかどうかも決まりません。
再発を防ぐ話です。
豊島区が、発生しやすい条件を挙げています。
- 掃除をしない部屋
- 畳の上にジュウタンやゴザ等を敷いている
- 比較的新しい畳(特に新築や畳入れ替え2年目に多い)
- 通気が悪い部屋(閉め切っている部屋)
- 殆ど使用しない部屋
- 夏の暑い時期に旅行などで部屋を空けた時
※出典:豊島区「室内で問題となるダニ」(2026年8月28日確認)
新しい畳で多い、というのが意外なところです。
京都市の記録にも、同じ話が出てきます。昭和50年代後半以降にミナミツメダニの被害が多発したとき、被害の多くは新築マンションの畳の部屋で起こっていました。
当時、日本の畳のワラの生産が追いつかず台湾等から輸入しており、そのワラにミナミツメダニが混入して日本の家屋内で異常に増殖したと推測されています。
その後、畳屋が納品前に高周波処理などの殺ダニ処理を行うようになり、被害はすっかり少なくなったとされています。
古くて汚いから出る、とは限りません。
湿度は70%が境目です
条件のうち、数字で示せるものが1つあります。
埼玉県はコナダニ類について「高温、高湿度(25℃、湿度70%以上)で多数繁殖」するとし、「発生場所の風通しを良くし、湿度を70%以下にすること」で発生しにくくなるとしています。
コナダニはツメダニの餌です。餌が減れば、ツメダニも減ります。
業者に頼む判断は「発生源が絞れたか」です
自分でやるか任せるかの線を書いておきます。
畳だと分かっているなら、畳屋に高周波処理を相談するのが早道です。
判断が要るのは、次のときです。
- 掃除も乾燥も続けたのに、刺され続けている
- 畳・じゅうたん・寝具のどこから出ているか分からない
- 賃貸で、畳を処理に出せるかどうかが分からない
- 刺され跡がその場で痒くなる(ツメダニではない可能性)
種類ごとの料金の違いはダニ駆除の業者料金は1.5万〜2.5万円にまとめました。寝具の丸洗いを頼めるかはダスキンにダニ駆除は頼める?にあります。
期待できません。京都市は「ミナミツメダニは殺虫剤に強いことから殺虫剤による駆除も効果を期待できません」と書いています。効くのは餌になる他のダニを減らすことと、畳や寝具に熱を入れることです。
埼玉県は「刺されると1~2日後に赤み、痒みが出ます」としています。刺された瞬間には気づきにくく、翌日以降に痒くなります。豊島区は人を偶発的に刺し、痒みや皮膚炎を起こすとしています。
畳、じゅうたん、寝具です。ツメダニはヒョウヒダニ類やチャタテムシ、コナダニ類を食べる捕食者なので、それらが増えている場所に出ます。豊島区は畳の上にじゅうたんやゴザを敷いている部屋、比較的新しい畳、通気が悪い部屋などを条件として挙げています。
京都市は高周波処理と温風処理を挙げています。高周波処理は畳に高周波を当てて内部のダニや小昆虫を焼き殺す方法で、卵まで焼き殺すとされています。ただし専門の業者(畳屋)に依頼する必要があります。
京都市は「畳に素肌を接しないようにベッドで寝られると被害が少なくなることもあります」としています。あわせて、餌になるダニを減らすため掃除機をかけ、湿度を下げることが挙げられています。
豊島区は「比較的新しい畳(特に新築や畳入れ替え2年目に多い)」を発生しやすい条件に挙げています。京都市の記録でも、昭和50年代後半の被害の多くは新築マンションの畳の部屋で起きていました。
埼玉県は「生きているダニは50℃以上30分ほどで死亡」するとし、寝具の掃除機による吸引や丸洗いが有効としています。あわせて室内の通風をよくし、寝具をまめに干して乾燥に心がけることが挙げられています。
ツメダニ駆除に、殺虫剤は効きませんでした。
京都市の保健所は「殺虫剤に強いことから殺虫剤による駆除も効果を期待できません」と書いています。相談者はすでに市販の殺虫剤を使って失敗していました。
見分けは時間です。刺されて1〜2日後に赤みと痒みが出ます。その場で痒くなるなら、別の相手です。
効くのは3つでした。
餌を断つ。ツメダニはヒョウヒダニ・チャタテムシ・コナダニを食べています。その餌はカビとフケとアカです。
熱を入れる。生きたダニは50℃以上30分で死にます。畳は畳屋の高周波処理か温風処理です。
肌を接しない。畳に直接寝るのをやめると、刺される回数が減ります。
やること
- 畳・じゅうたん・寝具に掃除機をかけ、湿度を70%以下にする
- 寝具は丸洗いか、50℃以上30分の熱を入れる
- 畳が発生源なら、畳屋に高周波処理を相談する

掃除も乾燥も続けているのに刺され続けている。そこまで来たら、どこから出ているのかを絞るところからになります。

