害獣駆除は「捕まえていいか」で手順が変わる|家ネズミだけが法律の対象外
天井裏で物音がする。糞が落ちている。「害獣駆除」で調べ始めたとき、多くの人がまず考えるのは「自分で捕まえられないか」です。
ホームセンターには捕獲器が売っています。ただ、買って仕掛ける前に確かめておくことがあります。
野生の鳥獣を捕まえることは、法律で原則として禁じられています。そして一部の動物だけが、その対象から外れています。
この記事では、環境省と自治体が公開している資料から、どの動物なら捕まえてよいのか、許可が要らない対処はどこまでかを整理しました。
- 野生鳥獣の捕獲は原則禁止。東京都環境局は罰則を「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」と書いている
- ただしいえねずみ類3種(ドブネズミ・クマネズミ・ハツカネズミ)は鳥獣保護管理法の対象外
- ハクビシン・アライグマ・イタチ・コウモリは、捕獲に許可が要る
- やること:相手を絞る → 捕獲の可否を確かめる → 許可が不要な対処(追い出しと封鎖)から始める
同じ「害獣」でも、法律上の扱いが違います。
家に入ってくる動物を、法律の扱いで並べました。
家に入る動物と、捕獲の可否
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| 動物 | 法律上の扱い | 許可なく捕獲できるか |
|---|---|---|
| ドブネズミ・クマネズミ・ハツカネズミ | 鳥獣保護管理法の対象外 | 法律による捕獲の制限を受けない |
| ハクビシン | 鳥獣保護管理法の狩猟鳥獣。重点対策外来種 | できない(許可が要る) |
| アライグマ | 鳥獣保護管理法の対象。特定外来生物 | できない(許可が要る) |
| イタチ | 鳥獣保護管理法の対象 | できない(許可が要る) |
| コウモリ | 鳥獣保護管理法の対象 | できない(許可が要る) |
| タヌキ・アナグマ | 鳥獣保護管理法の対象 | できない(許可が要る) |
出典:環境省「鳥獣保護法の概要」、東京都環境局「野生鳥獣の捕獲について」「アライグマ・ハクビシン対策について」、山口市「野生鳥獣の捕獲禁止・飼養登録について」、千葉県。2026年8月20日確認。
分かれ目はネズミかどうかです。天井裏を走っているのがネズミなら、法律の手続きを気にせず対処できます。ハクビシンやアライグマなら、捕まえる前に許可が必要になります。

正体が分からないまま捕獲器を仕掛けると、法律に触れる可能性があります。まず何がいるかを確かめてください。

天井裏に上がれない、相手も分からない。その状態のまま器具を買う前に、一度見てもらうほうが安く済むことがあります。
法律の条文で、はっきり除かれています。
環境省は、鳥獣保護管理法について次のように説明しています。この法律の正式名称は「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律」です。
第80条の規定により、「環境衛生の維持に重大な支障を及ぼす鳥獣又は他の法令により捕獲等について適切な保護管理がなされている鳥獣」として、ニホンアシカ・アザラシ5種・ジュゴン以外の海棲哺乳類、いえねずみ類3種が対象外
「いえねずみ類3種」が、家に出るネズミにあたります。山口市は、対象外となる動物を次のように示しています。
環境衛生の維持に重大な支障を及ぼすおそれのある鳥獣 ドブネズミ、クマネズミ、ハツカネズミ
つまり、ドブネズミ・クマネズミ・ハツカネズミの3種は、野生鳥獣の捕獲を原則禁止する規定の外に置かれています。
「自由に何をしてもよい」という意味ではありません
読み方には注意が必要です。
自治体の資料に書かれているのは、捕獲の制限を受けないという範囲までです。「いつでも自由に捕獲できる」という表現は、編集部が確認した公的資料には見当たりませんでした。
殺鼠剤や粘着トラップが普通に売られているのは、この除外規定があるためです。ただし薬剤の使い方や、死骸の処理には別の注意が要ります。
ネズミの手順はネズミ駆除の方法を完全解説に、金額の目安はネズミ駆除の料金相場は2万〜20万円にまとめています。
罰則があります。
東京都環境局は、捕獲について次のように書いています。
全ての野生鳥獣(鳥獣保護管理法の対象にならないネズミ類及び海棲ほ乳類を除く)は捕獲(損傷や卵の採取を含む)することができません。
例外として挙げられているのは2つだけです。
- 狩猟制度に基づき、狩猟鳥獣を捕獲する場合
- 学術研究の目的などで、法による許可を受けた場合
そして罰則についても記載があります。
法により罰せられます(1年以下の懲役又は100万円以下の罰金)
この金額は東京都環境局のページに書かれているものです。山口市も「違法に野生鳥獣を捕獲または飼育した場合は、法律により厳しい罰則がありますので、ご注意ください」と注意を促しています。
住宅の敷地内なら、狩猟免許がなくても許可を受けられます
「許可が要る」と聞くと難しく感じますが、道が閉ざされているわけではありません。
山形県酒田市は、次のように説明しています。
野生鳥獣を許可なく捕まえることはできません
住宅等の建物内及びその敷地内で捕獲を行う場合は、狩猟免許がない方でも許可を受けることができます
自宅の敷地内であれば、狩猟免許を持っていなくても許可を受けられるという説明です。手続きの窓口や必要書類は市区町村によって変わるため、住んでいる自治体に確認してください。
東京都の場合、申請は23区内が東京都環境局自然環境部計画課鳥獣保護管理担当、多摩地区が東京都多摩環境事務所自然環境課鳥獣保護管理担当で受け付けると記載されています。
捕獲しなければ、許可の手続きは要りません。
自治体が案内している対処は、大きく2つです。
- 追い出す
- 侵入口をふさぐ
酒田市は追い出しについて「くん煙殺虫剤(ホームセンターなどで購入できます)をまくことで、追い払う方法が考えられます」と書いています。東京都環境局も「忌避剤(くん蒸式・くん煙式の殺虫剤等)を使用することで、その場から動物を追い出すことはできる可能性があります」としています。
どちらも確実な方法としては書いていません。やってみる価値はあるが、くん煙剤だけで終わる保証はない、という書き方です。
順番を間違えないでください
大事なのは順番です。
中に動物がいるうちに侵入口をふさぐと、閉じ込めることになります。天井裏で死なれると、清掃と消臭がさらに必要になります。追い出しを確認してからふさいでください。
侵入口の目安として、東京都環境局はハクビシンについて「8センチメートル四方の隙間にも入り込む」と説明しています。人が見て通れないと思う場所から入ってきます。
天井にシミが出ている場合は、すでに糞尿が溜まっている段階です。詳しくは天井のシミはハクビシンの「ため糞」かもしれないをご覧ください。
自治体によって、受けられるものが大きく違います。
同じ日本国内でも、対応は一様ではありません。編集部が調べた範囲でも、次のように分かれていました。
- 京都市はアライグマを捕獲しに来ます。ただし檻は屋外にしか置きません(京都市はアライグマを捕獲しに来る)
- 大阪府はアライグマについて防除計画を持ち、市町村へ申し出れば捕獲器を借りられます(大阪の害獣駆除はアライグマだけ手続きが違う)
- 千葉県はキョンとアライグマの防除実施計画を持ちますが、県の計画には「住宅街での生活環境被害への対策が十分に進んでいない」と書かれています(千葉県の害獣駆除)
- 広島県が金額で追っているのは農作物の被害で、住宅の被害は集計されていません(広島の害獣駆除)
共通しているのは、行政の計画が「野外の個体数を減らすこと」を目的にしている点です。個別の住宅に入り込んだ獣を追い出す事業として作られていません。
お金の面についても、駆除費用を個人が受け取る形の補助は、編集部が確認した範囲では見つかりませんでした。仕組みは害獣駆除の補助金は市町村の「協議会」に出るにまとめています。
まずは住んでいる市区町村の担当課に、対象になるかを聞いてください。
金額は「どの獣か」より「何をするか」で動きます。
害獣駆除で必要になる作業は、大きく4つに分かれます。
- 追い出し
- 侵入口の封鎖
- 糞尿の清掃と消毒、断熱材の交換
- 天井板などの内装の復旧
4番目は駆除業者の見積もりに入っていないことがあります。駆除が終わってもシミが残り、別に工務店を手配することになるケースがあります。
単価をすべて公開している会社もあります。侵入口封鎖が1箇所3,000円〜(材料費別)、糞清掃が1平米1,000円〜といった形です。読み方は駆除ワーカーズは単価を全部公開しているで扱いました。
会社の絞り方は害獣駆除業者ランキングを公式9社で検証に、下限額の中身を調べた例は害獣駆除110番の口コミを検証にまとめています。2社に同じ工程で見積もりを出してもらうと、比べられる状態になります。
一方で、下限額しか出していない会社もあります。その場合、何が含まれるかを1つずつ確かめることになります。

工程の数で金額が決まる以上、同じ工程で2社に出してもらわないと比べようがありません。
捕獲の可否も費用も、相手が決まらないと決まりません。
手がかりになるものを挙げます。
- 音がする時間帯:ハクビシンは完全な夜行性です。日中に音がするなら別の可能性があります
- 糞の大きさと形:ネズミは小さく散らばり、ハクビシンは同じ場所に溜めます
- 天井のシミ:ため糞によって天井板が変色している段階です
- 足あとの指の本数:ハクビシンは5本、タヌキは4本と自治体が説明しています

写真を撮っておくと、業者にも自治体にも話が早く進みます。糞は素手で触らないでください。
コウモリは金額の決まり方が他の獣と違うため、コウモリ駆除業者の料金は「駆除費」で決まらないを別に用意しています。
生き物ごとの記事もあります。ネズミ、ハクビシン、アライグマ、コウモリから探せます。

生き物が特定できていれば、電話の段階で工程の見当がつきます。分からないままでも現地で確かめてもらえます。
相手の動物によります。
ハクビシン、アライグマ、イタチ、コウモリなどは鳥獣保護管理法の対象で、許可なく捕獲することはできません。東京都環境局は罰則を「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」と書いています。ドブネズミ・クマネズミ・ハツカネズミは法の対象外です。
いえねずみ類3種は、鳥獣保護管理法の対象外とされています。
環境省は第80条の規定により対象外になると説明しており、山口市はその3種をドブネズミ、クマネズミ、ハツカネズミと示しています。ただし公的資料に書かれているのは捕獲の制限を受けないという範囲までで、薬剤の扱いや死骸の処理には別の注意が必要です。
市区町村によって変わります。
酒田市は「住宅等の建物内及びその敷地内で捕獲を行う場合は、狩猟免許がない方でも許可を受けることができます」と説明しています。東京都は23区と多摩地区で窓口が分かれています。住んでいる自治体の担当課に確認してください。
作業の工程数で決まります。
追い出しだけで終わるか、封鎖と清掃まで含むかで総額が変わります。単価を公開している会社の例では、侵入口封鎖が1箇所3,000円〜、糞清掃が1平米1,000円〜でした。詳しくは駆除ワーカーズは単価を全部公開しているをご覧ください。
住宅に入った獣を無料で駆除する制度は、一般的ではありません。
京都市のようにアライグマを捕獲しに来る例もありますが、檻は屋外に限られます。行政の計画は野外の個体数を減らすことを目的としており、個別の住宅を対象にした事業ではないためです。
害獣駆除は、相手の動物によって最初の一歩が変わります。
野生鳥獣の捕獲は原則として禁じられており、東京都環境局は罰則を「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」と書いています。そのなかで、いえねずみ類3種だけが鳥獣保護管理法の対象外とされています。環境省が第80条の規定として示し、山口市がドブネズミ・クマネズミ・ハツカネズミと具体名を挙げています。
ハクビシンやアライグマの場合は許可が必要ですが、自宅の敷地内であれば狩猟免許がなくても許可を受けられると説明する自治体もあります。
そして捕まえずに追い出す方法なら、許可の手続きは要りません。自治体が案内しているのも、追い出しと侵入口の封鎖です。
やることは3つです。
- 音の時間帯、糞の形、天井のシミから、相手を絞る
- その動物が捕獲に許可を要するかを確かめる
- 許可が不要な対処(追い出しと封鎖)から始め、届かない範囲は業者に工程を指定して頼む

捕まえてよいかが分かっても、天井裏に自分で上がる話は別に残ります。届かない場所は見てもらうことになります。

