京都の害獣駆除|市はアライグマを捕獲しに来ますが檻は屋外にしか置きません
天井裏で物音がしたとき、京都市には実際に捕獲へ来てくれる制度があります。
ただし、そこには条件がひとつあります。檻は原則として屋外にしか置きません。つまり屋根裏に入り込んだ相手は、この制度では出ていきません。
この記事では2026年8月18日に京都市の公開資料を確認し、行政の枠がどこで切れるかを整理しました。
- 京都市はアライグマとヌートリアを捕獲している(外来生物法に基づく)
- ただし檻は原則として屋外。天井裏に入り込んでいる場合、追い出しは各自
- イタチ・タヌキ・コウモリ・ネズミは行政が捕獲も駆除もしない
- やること:相手を絞る → 該当する課へ電話 → 屋根裏なら見積もりを2社

檻が屋外にしか置けない以上、天井裏に入られている場合は市の捕獲では終わりません。屋内は自分で手配することになります。
協力できるなら、市の依頼を受けた研究機関の担当者が檻の設置に来ます。
京都市の「野生鳥獣・虫等に関する相談Q&A集」(令和6年3月・京都市野生鳥獣被害対策会議)には、アライグマについて次のように書かれています。
アライグマは日本の生態系に悪影響を及ぼす特定外来生物であり、木造家屋に傷を付けたり農作物を食べたりする害があることから、京都市では法律(外来生物法)に基づいて捕獲しています。
捕獲は捕獲檻で行うため、市は住民に協力を求めています。
- 檻を置く場所の提供
- 捕獲用の餌の付替え
協力できる場合の連絡先は、お住まいの区役所・支所の地域力推進室まちづくり推進担当です。右京区京北にお住まいの方は京北出張所へ相談するよう案内されています。
ここまでは、費用のかからない話です。
ただし檻は屋外に置く
問題はこの先にあります。Q&A集には、こう明記されています。
- 檻は原則として屋外に設置する
- そのため天井裏などに入り込んでいる場合、追い出しは各自で行う
- 追い出しの方法は「イタチ・タヌキ・コウモリ」の項を参照するよう案内されている
※京都市の記載による(2026年8月18日確認)。
捕獲してもらえることと、家の中が片づくことは別です。屋外に出てきた個体は市の枠で捕まりますが、屋根裏にいる間は対象になりません。

「市が捕獲してくれる」と聞いて安心したあとに、ここでつまずく人が多いところです。
なお同じ特定外来生物でも、ヌートリアは連絡先が変わります。自宅敷地への侵入など被害を受けている場合、または受けるおそれがある場合に、環境政策局環境管理課(075-222-3951)が窓口です。
市が屋外の檻までなら、屋内の作業は自費になります。
害獣駆除の見積書に並ぶ主な工程
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| 工程 | 何をするか | 金額への効き方 |
|---|---|---|
| 追い出し・捕獲 | 燻煙や箱わなで出す・捕まえる | 基本の作業 |
| 侵入口の封鎖 | 穴を金網などでふさぐ | 箇所が増えるほど上がる |
| 糞尿の清掃・消毒 | 天井裏の糞を撤去して消毒する | 範囲で変わる |
| 断熱材の交換 | 汚れた断熱材を入れ替える | 入ると大きく跳ねる |
| 保証 | 再発したときの再施工 | 年数と対象で変わる |
編集部が過去に調べた業者の見積もりの内訳から整理した(2026年8月24日時点)。
かんたんに言うと、「駆除費いくら」ではなく「何をいくつやるか」で決まります。
編集部でイタチの工事69件を数えたところ、費用は5万〜30万円にひらき、5件に1件で断熱材に手が入っていました。詳しくはイタチ駆除の費用は5万〜30万円|金額が開く理由は断熱材だったで扱っています。
主要9社の公式サイトを同じ項目で確認したところ、料金を公表していたのは3社だけでした。結果は害獣駆除業者ランキングを公式9社で検証にまとめています。
要確認:京都の相場を公表している公的な資料は見当たりませんでした(2026年8月24日確認)。自宅の金額は、天井裏を見てもらわないと出ません。
自費になる範囲が分かったら、次は金額の読み方です。
- 侵入口の封鎖が見積もりに入っているか。何か所か
- 糞尿の清掃と消毒が入っているか
- 断熱材の交換が要るか。要るなら金額はいくらか
- 再発したときの保証の年数と対象の範囲
- 見積書が概算か、確定した金額か
捕獲だけで終わる見積もりに注意してください。穴が残っていれば、次の個体が同じ場所から入ります。
京都市が動くかどうかは、相手の動物で決まります。
天井裏に入る獣の見分け方
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| 動物 | 見た目の特徴 | 出す音・跡 |
|---|---|---|
| アライグマ | しっぽに黒い縞がある。指が長い | 足跡が人の手のような形になる |
| ハクビシン | 鼻筋に白い線が通る。しっぽに縞はない | 同じ場所に糞をためる |
| イタチ | 細長い体で、毛は茶色 | すばやく走る音 |
| ネズミ | 体が小さく、しっぽが細い | カリカリとかじる音 |
編集部が過去に扱った各記事の記載から整理した。正確な判別は、現物か写真で行う。
見分けの手がかりは3つです。
- しっぽ(縞があればアライグマ、縞がなくて太ければハクビシン)
- 鼻筋(白い線が通っていればハクビシン)
- 糞の場所(1か所にためるならハクビシン、散らばるならネズミ)
かんたんに言うと、しっぽと鼻筋で、市が動くかどうかが変わります。
姿が見えないときは、糞の写真を撮っておいてください。電話で伝えると絞り込みが早くなります。
窓口が分かれているのには、はっきりした理由があります。
Q&A集の末尾には、「京都市では、野生鳥獣対策全般について専門に所管している部署はありませんので、上記関係課が連携を取って対応しています」と書かれています。
専門の課がないため、動物の種類と被害の性質によって担当が決まる仕組みになっています。
京都市で動物別に変わる対応と連絡先
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| 動物 | 市の対応 | 連絡先 |
|---|---|---|
| アライグマ | 外来生物法に基づき捕獲する(檻は屋外) | 区役所・支所の地域力推進室まちづくり推進担当 |
| ヌートリア | 被害があれば外来生物法に基づき捕獲する | 環境政策局環境管理課(075-222-3951) |
| イタチ・タヌキ・コウモリ | 捕獲も駆除もしない | 自己対処。方法は市が案内 |
| ネズミ | 捕獲も駆除もしない | 医療衛生センター(方法が不明なとき) |
| シカ・イノシシ・サルなど | 被害の種類で窓口が分かれる | 下記参照 |
京都市「野生鳥獣・虫等に関する相談Q&A集」による(2026年8月18日確認)。
シカやイノシシのような大型獣は、同じ動物でも被害の種類で窓口が変わります。
- 農林業への被害:各農(林)業振興センター、産業観光局農林企画課(075-222-3351)
- 市民生活への被害(出没、人への危害等):各区役所・支所の地域力推進室まちづくり推進担当、文化市民局地域自治推進室(075-222-3049)
区役所ごとの電話番号はQ&A集に一覧で載っています。電話をかける前に、自分の被害が農林業か生活かを決めておくと、回されずに済みます。
ネズミについては窓口の系統がさらに細かく分かれます。京都のネズミ駆除は市11区・府内25市町村で担当が違うにまとめました。
イタチ・タヌキ・コウモリについて、市は行政機関による捕獲や駆除は行っていないと明記しています。
そのうえで、自分で対処する方法を具体的に案内しています。
京都市が忌避剤として効果があるとしているもの
| 忌避剤 | 補足 |
|---|---|
| 木酢液 | 園芸用品店等で販売 |
| クレゾール石けん液 | 10〜20倍に薄めて使う |
| 害虫駆除用の燻蒸剤 | バルサン等 |
京都市の記載による(2026年8月18日確認)。
使い方は2通り案内されています。動物のいる場所に撒くか、丸めた紙や布に染み込ませて置いておく方法です。
ただし市は、一時的に立ち去っても戻ってくる場合があると付け加えています。そのため侵入口と思われる隙間を、金網や板などで塞ぐことが効果的だとしています。
ここで重要な数字が示されています。イタチは3〜4cmの隙間でも侵入する場合があるとされています。

3〜4cmは、指を2本そろえて入るかどうかの幅です。塞いだつもりの穴が残りやすい大きさです。
自分で作業するのが難しい場合は、近所や親戚に頼むか、業者(害獣虫駆除業者、工務店など)に依頼するよう案内されています。費用は自己負担です。
捕まえてしまった場合の扱い
やむを得ず捕まえたときの対応も決まっています。
- 忌避剤を使っても出て行かない場合など、やむを得ずイタチやタヌキを捕まえた場合
- 速やかに、離れた山中などに放す
- なおネズミ用の罠にイタチなど他の野生鳥獣が入った場合も、殺傷せずに放す
※京都市の記載による(2026年8月18日確認)。
3つ目は見落とされやすい点です。ネズミを狙って置いた粘着シートや罠に別の獣がかかることは実際にあります。
野生鳥獣は原則として鳥獣保護管理法により保護されており、捕獲や殺傷は禁じられています。対策を行ってもなお大きな被害がある場合のみ、有害鳥獣捕獲の申請・許可を経て、狩猟免許等の資格を持つ人が捕獲できるという順序です。
この仕組みはハクビシン・アライグマ・イタチ・コウモリは捕獲に許可がいるで詳しく扱っています。
コウモリだけは駆除の考え方も費用の決まり方も違うため、コウモリの料金は封鎖工事費で決まるを参照してください。
京都市の計画には、他の都市ではまず出てこない被害の書き方があります。
京都市鳥獣被害防止計画(令和6年度〜令和8年度)の「被害の傾向」には、寺社という言葉が4種類の鳥獣について登場します。
- ニホンジカ:家庭菜園や寺社の庭木及び苔の食害
- イノシシ:住居や寺社の庭園への侵入
- ニホンザル:住宅敷地や寺社への侵入
- ハクビシン:建物や寺社に侵入し、糞尿などの生活環境被害
さらに文化財損壊という被害が、アライグマとハクビシンの2種について明記されています。
住宅に入る獣と、文化財を壊す獣が同じ、という状況が京都では起きています。
被害額を見ると位置づけが分かる
ここからは編集部の集計です。同計画の「被害の現状(令和4年度)」から数字を並べました。
京都市の農作物被害額と、軽減目標での扱い(令和4年度)
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| 鳥獣 | 農作物被害額 | 軽減目標での扱い |
|---|---|---|
| イノシシ | 12,722千円 | 抜本的な対策を推進 |
| ニホンジカ | 9,109千円 | 抜本的な対策を推進 |
| カラス類 | 3,265千円 | 「上記以外の鳥獣」 |
| ニホンザル | 1,090千円 | 抜本的な対策を推進 |
| ハクビシン | 868千円 | 「上記以外の鳥獣」 |
| アライグマ | 623千円 | 「上記以外の鳥獣」 |
京都市鳥獣被害防止計画(令和6年度〜令和8年度)より編集部が抜粋(2026年8月18日確認)。農作物被害額の合計は28,596千円。林業被害・水産被害を含めた総額は32,822千円。
アライグマとハクビシンを合わせると1,491千円で、農作物被害28,596千円の約5%にとどまります。
計画では、被害の大きいニホンジカ・イノシシ・ニホンザルについて抜本的な対策をさらに推進するとされ、その他の鳥獣は「農家による自主防除の推進と被害状況に応じた捕獲」という書き方になっています。
ここからは編集部の分析です。
この被害額は農林水産業の被害を集計したものです。計画が被害として挙げている住居侵入や文化財損壊は、金額として計上されていません。
つまり家庭で起きている被害は、統計の数字にも重点対策の枠にも表れにくい構造になっています。

数字が小さいから軽い被害、ということではありません。数え方に入っていないだけです。
フェンスもネットも封鎖も、費用は自己負担です。
Q&A集には、野生鳥獣への対策に要するフェンス、ネット等の費用も自己負担と明記されています。貸与や購入費用助成の制度についての記載はありません。
京都市の枠と、自費になる範囲
| 内容 | 誰が負担するか |
|---|---|
| アライグマ・ヌートリアの屋外での捕獲 | 市の枠(檻の設置場所と餌の付替えは協力) |
| 天井裏からの追い出し | 自費 |
| 侵入口の封鎖 | 自費 |
| フェンス・ネットの設置 | 自費 |
| 糞尿の清掃・消毒 | 自費 |
| イタチ・タヌキ・コウモリ・ネズミの駆除 | 自費 |
京都市の公開資料をもとに編集部が整理(2026年8月18日確認)。
業者選びについても、市ははっきり書いています。行政が特定の業者を紹介することはできないため、自分で調べることになります。
そのうえで、市は依頼のしかたを助言しています。
- 事前に電話で原因動物と被害状況を伝える
- どのような対策を講じるのかを相談したうえで来てもらう
- 費用が高額になる場合があるので、事前に見積もってもらう
※京都市の記載による(2026年8月18日確認)。
建物内の対策なら工務店、農地や庭への侵入防止なら園芸業者が対応する場合もあるとされています。相手が屋根裏の獣なのか、庭の侵入路なのかで、頼む先が変わります。
見積もりでは次の3点を確認してください。
- 侵入口の封鎖が料金に含まれるか
- 糞尿の清掃・消毒が含まれるか
- 再発したときの保証と、その対象範囲
料金を公表している会社は限られます。比較の仕方は害獣駆除業者を公式9社で検証した結果にまとめました。

市がやってくれるのは捕獲までで、天井裏の清掃や侵入口の封鎖は自費です。その部分だけを頼むこともできます。
市が案内する方法と、業者の提案がずれていないかを見ます。
- 市が案内している方法(屋外の檻)と、提案された方法が違うか
- 違うなら、その理由を説明できるか
- 天井裏の封鎖と清掃が見積もりに入っているか
- 保証の年数と、再発したときの対象
- 見積書が概算か、確定した金額か
市の案内と違う方法をすすめられたときは、理由を聞いてください。屋内の作業が必要なら市の枠では終わらないので、そこは説明がつくはずです。
外来生物法に基づいて捕獲を実施しています。
ただし捕獲檻を使うため、檻を置く場所の提供や捕獲用の餌の付替えといった協力を求められます。連絡先はお住まいの区役所・支所の地域力推進室まちづくり推進担当です。費用について市のQ&A集に記載はないため、問い合わせの際にご確認ください。
檻は原則として屋外に設置されます。
京都市は、天井裏などに入り込んでいる場合の追い出しは各自でお願いしますとしています。追い出したうえで屋外の檻にかかる、という流れになります。
行政機関による捕獲や駆除は行っていません。
市が案内しているのは、忌避剤(木酢液、10〜20倍に薄めたクレゾール石けん液、害虫駆除用の燻蒸剤)を使い、侵入口を金網や板で塞ぐ方法です。イタチは3〜4cmの隙間でも侵入する場合があるとされています。
紹介はできないとされています。
Q&A集には、行政が特定の業者を紹介することはできないため自分で調べるよう書かれています。あわせて、事前に原因動物と被害状況を伝えて対策を相談し、費用が高額になる場合があるので見積もりを取ることが助言されています。
動物によって扱いが違います。
やむを得ずイタチやタヌキを捕まえた場合は、速やかに離れた山中などに放すよう案内されています。一方でアライグマとヌートリアは特定外来生物にあたるため、対応は市の窓口へご相談ください。ネズミ用の罠に他の野生鳥獣が入った場合も、殺傷せずに放してください。
京都市の制度は、屋外と屋内のあいだで線が引かれています。
アライグマとヌートリアは市が捕獲しますが、檻は原則として屋外です。天井裏に入り込んでいる場合の追い出しは各自で、イタチ・タヌキ・コウモリ・ネズミにいたっては捕獲も駆除も行われません。
まず相手を絞り、屋外の段階なら区役所へ、屋根裏まで入られているなら封鎖と清掃を含めた見積もりを揃えてください。制度を待つ時間が、そのまま被害の時間になります。
同じ特定外来生物でも、自治体によって手続きの形は変わります。大阪ではアライグマだけ手続きが違うでは、住民が捕獲者台帳に登録して自分で捕獲器を扱う仕組みを扱っています。京都市のように市の側が設置に来る形とは、負担のかかり方が違います。

屋内だと分かった時点で費用は自己負担です。清掃と封鎖まで入るかを聞いてから決められます。

