天井のシミはハクビシンの「ため糞」かもしれない|見えた時点で溜まっている
天井に茶色いシミができた。雨漏りかと思って屋根を見てもらったが、原因が見つからない。夜になると天井裏で足音がする。
こうした状況で疑われるものの一つが、ハクビシンです。自治体の資料には、天井のシミができる仕組みがはっきり書かれています。
この記事では、山形県酒田市と東京都環境局が公開している内容から、シミができる原因と、見えている時点でどこまで進んでいるのかを整理しました。
- 酒田市は「同じ場所に糞尿をする習性(ため糞)があるため、天井板が変色しシミになります」と説明している
- シミが表に出ているのは、天井板を越えるまで糞尿が溜まった段階
- 放置した場合について「天井板が腐るなど、張り替えを余儀なくされることもあります」と書かれている
- やること:雨漏りかどうかを切り分ける → 侵入口を探す(8センチ四方で入る)→ 追い出してからふさぐ
同じ場所で排泄を繰り返す習性が原因です。
山形県酒田市は、ハクビシンについて次のように説明しています。
同じ場所に糞尿をする習性(ため糞)があるため、天井板が変色しシミになります。
ハクビシンは天井裏のあちこちに糞をするのではなく、決まった場所に溜めます。そのため1か所に量が集中し、天井板に染み込んでいきます。
シミが見えるまでには時間がかかる
ここからは編集部の見立てです。
天井板は、少量の水分ならすぐには変色しません。表側に色が出るということは、板が吸いきれない量が上に溜まっているということになります。

シミに気づいた日が、被害の始まった日ではありません。すでに何週間も、あるいはそれ以上続いている可能性があります。
夜に足音がする、天井から臭いがする、といった症状が同時にあるなら、天井裏で生活が続いている状態です。急いで確かめたほうがよい段階になります。

天井裏に上がれないまま様子を見ると、シミは広がります。見てもらった時点で断ることもできます。
放置した場合について、はっきりした記述があります。
酒田市の同じページに、次のように書かれています。
放置すると天井板が腐るなど、張り替えを余儀なくされることもあります。
語尾に注目してください。「必ず腐る」「必ず落ちる」とは書かれていません。「〜こともあります」という書き方です。
とはいえ、張り替えという言葉が自治体の資料に出てくる時点で、内装工事にまで及ぶケースが実際にあるということになります。
見えている状態と、天井裏で起きていること
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| 見えている状態 | 天井裏で起きている可能性 | 編集部の見立て |
|---|---|---|
| 夜に足音がする | ねぐらとして使われ始めている | 糞尿はまだ溜まり始めの段階 |
| 臭いがする | 糞尿が一定量たまっている | 断熱材に染みている可能性 |
| 天井にシミが出た | 天井板が吸いきれない量になっている | 清掃と消毒が必要な段階 |
| シミが広がる・柔らかい | 天井板の劣化が進んでいる | 張り替えの検討が必要 |
「ため糞により天井板が変色しシミになる」「放置すると天井板が腐るなど、張り替えを余儀なくされることもあります」は酒田市の記述(2026年8月20日確認)。段階の整理は編集部によるものです。
侵入口を探すときの目安になります。
東京都環境局は、ハクビシンについて「8センチメートル四方の隙間にも入り込む」と説明しています。人が見て「ここは通れないだろう」と思う場所から入ってきます。国の資料はもう少し細かく、農林水産省「野生鳥獣被害防止マニュアル−中型獣類編−」(令和5年度版)は「6cm×12 cmの隙間があれば侵入できる」としています。短いほうの辺は6センチです。正方形だけを探すと、細長い隙間を見落とします。
生態についての記述を並べます。
公的資料に書かれているハクビシンの特徴
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| 項目 | 東京都環境局 | 酒田市 |
|---|---|---|
| 大きさ | 体長(成獣)40-60 cm | 全長 約90〜110cm(成獣) |
| 体重 | 2.0-5.5 kg | 約3〜4kg(成獣) |
| 行動 | 夜行性。木登りが得意。柱に登る。電線を伝い歩きする | 完全な夜行性、木登りが得意 |
| 休息場所 | 樹上のうろ、納屋や家屋、寺社仏閣の屋根裏など | 樹洞や洞窟、人家の天井裏、倉庫等 |
| 食性 | 雑食性。特に果実を好む | 記載を確認せず |
| 見た目 | 記載を確認せず | 灰褐色、四肢は黒色、額から鼻先まで白い模様 |
出典:東京都環境局「アライグマ・ハクビシン対策について」、山形県酒田市「ハクビシンにご注意ください」。いずれも2026年8月20日確認。大きさの数値が違うのは、体長(尾を含まない)と全長(尾を含む)で測る対象が異なるためと考えられます。
電線を伝い歩きするという記述が、侵入口を探すうえで効きます。地面から登れない高さでも、電線や木の枝から屋根に移れます。
東京都は対策として「家屋への侵入経路となるような木の枝等は切る」と挙げています。屋根に届く枝がある家は、その枝が通り道になっている可能性があります。
先に雨漏りの可能性を消してください。
天井のシミは、雨漏り、結露、給排水管の水漏れでも起きます。動物と決めつける前に、次の切り分けをしてください。
- 雨の日にシミが広がるか(広がるなら雨漏りの可能性が高い)
- 天井裏から足音や鳴き声がするか。音がするのは夜か
- シミの周囲に臭いがあるか
- 屋根や外壁に、短い辺が6センチ以上ある隙間や破損がないか
ハクビシンは完全な夜行性です。音がするのが夜間に集中しているなら、動物の可能性が上がります。日中に音がする場合は、別の原因も考えられます。

「雨が降っていないのにシミが広がった」は、動物を疑う手がかりになります。
足あとが見つかった場合
酒田市は、ハクビシンの特徴として足の指の数は5本(タヌキは4本)と説明しています。天井裏や外壁に足あとが残っていた場合、指の数が手がかりになります。
食性の面では、東京都が「特に果実を好む」としています。庭に柿やブドウがある家、近所に果樹がある地域では、寄りつく条件がそろいやすくなります。
自分で捕獲することはできません。
東京都環境局によると、ハクビシンは鳥獣保護管理法に基づく狩猟鳥獣で、外来種リストにおける「重点対策外来種」とされています。アライグマのような特定外来生物とは扱いが違います。
そのうえで、酒田市は次のように書いています。
野生鳥獣を許可なく捕まえることはできません
住宅等の建物内及びその敷地内で捕獲を行う場合は、狩猟免許がない方でも許可を受けることができます
つまり、捕獲そのものが禁止されているわけではなく、許可が必要ということです。自宅の敷地内であれば、狩猟免許がなくても許可を受けられる道があります。手続きは市区町村によって変わるため、住んでいる自治体に確認してください。
なお、コウモリの場合は法律上の扱いが変わり、追い出しと封鎖が中心になります。詳しくはコウモリ駆除業者の料金は「駆除費」で決まらないをご覧ください。
行政の計画がどこまでを対象にしているかは、千葉県の害獣駆除で県の防除実施計画から整理しています。
捕まえずに出ていってもらう方法が案内されています。
酒田市と東京都が挙げている対策を並べます。
- 侵入口を塞ぐ/家屋への入り口となるような破損個所等は塞いでおく
- 家の周りの樹木を剪定する/侵入経路となるような木の枝等は切る
- エサとなるものを家の周りに放置しない/ペットのエサの食べ残し、お墓の供え物などを野外に放置しない
- 生ごみ等を放置しないようにする
追い出しについては、両方の資料に記述があります。酒田市は「くん煙殺虫剤(ホームセンターなどで購入できます)をまくことで、追い払う方法が考えられます」、東京都は「忌避剤(くん蒸式・くん煙式の殺虫剤等)を使用することで、その場から動物を追い出すことはできる可能性があります」としています。
どちらも確実に追い出せるとは書いていません。やってみる価値はあるが、くん煙剤だけで終わる保証はない、という書き方です。
順番も大事です。中にいるうちに侵入口をふさぐと、閉じ込めることになります。追い出しを確認してからふさいでください。
東京都は「以上のようなアライグマ・ハクビシンの被害にあった場合、まずは各区市町の環境部署や清掃部署等にお問い合わせ下さい」と案内しています。まず自治体に相談してから動く形になります。
作業が3つに分かれることを知っておいてください。
天井にシミが出ている場合、必要になる作業は次のように分かれます。
- 追い出しと侵入口の封鎖(害獣駆除)
- 天井裏の糞尿の清掃と消毒、断熱材の交換(害獣駆除)
- 天井板の張り替え(内装・リフォーム)
3番目は、駆除業者の見積もりに入っていないことがあります。駆除が終わってもシミが残ったままになり、別に工務店を手配することになるケースがあります。
金額の目安については、単価を公開している会社の例を駆除ワーカーズは単価を全部公開しているで、含まれる工程の考え方を害獣駆除110番の口コミを検証で扱っています。
見積もりを取るとき、次の5点を確認してください。
- 天井裏の糞尿の清掃と消毒は、金額に含まれるか
- 断熱材の交換は必要か。必要なら何平米で、いくらか
- 侵入口の封鎖は何箇所か。材料費は別か
- 天井板の張り替えは誰がやるか(駆除業者か、別の内装業者か)
- 作業の前後で写真を出してもらえるか
4番を最初に聞いてください。駆除だけ終わってシミが残ると、もう一度業者を探すことになります。
会社の絞り方は害獣駆除業者ランキングを公式9社で検証にまとめました。

天井の張り替えまで頼めるかは会社で分かれます。駆除と修繕を分けずに聞ける相手を選んでください。
確定はできません。
天井のシミは雨漏り、結露、給排水管の水漏れでも起きます。ハクビシン以外の動物が原因の場合もあります。雨の日に広がるかどうか、夜間に音がするかどうかを先に確かめてください。
酒田市は「放置すると天井板が腐るなど、張り替えを余儀なくされることもあります」と書いています。
必ず落ちるという書き方ではありません。ただし張り替えという言葉が出てくる以上、内装工事が必要になるケースはあるということです。シミが広がる、触ると柔らかいといった状態なら、早めに見てもらってください。
許可が必要です。
酒田市は「野生鳥獣を許可なく捕まえることはできません」としたうえで、「住宅等の建物内及びその敷地内で捕獲を行う場合は、狩猟免許がない方でも許可を受けることができます」と説明しています。手続きは自治体によって変わるため、住んでいる市区町村に確認してください。
公的資料は、確実な方法としては書いていません。
酒田市は「追い払う方法が考えられます」、東京都は「追い出すことはできる可能性があります」という書き方です。追い出せた場合でも、侵入口をふさがなければ戻ってきます。
作業の数量で決まるため、現地を見るまで確定しません。
単価を公開している会社の例では、侵入口封鎖が1箇所3,000円〜、糞清掃が1平米1,000円〜といった形になっています。詳しくは駆除ワーカーズは単価を全部公開しているをご覧ください。天井板の張り替えは、駆除の費用とは別に発生します。
天井のシミは、ハクビシンのため糞が原因のことがあります。
酒田市は「同じ場所に糞尿をする習性(ため糞)があるため、天井板が変色しシミになります」と説明しており、放置した場合については「天井板が腐るなど、張り替えを余儀なくされることもあります」と書いています。
シミが表に出ているということは、天井板が吸いきれない量まで溜まっているということです。気づいた日が始まりではありません。
ハクビシンは8センチメートル四方の隙間から入り、電線を伝い歩きします。地面から登れない家でも入られます。
やることは3つです。
- 雨の日に広がるか、夜に音がするかで、雨漏りと動物を切り分ける
- 屋根まわりと外壁で、短い辺が6センチ以上ある隙間を探す
- 追い出しを確認してから侵入口をふさぐ。清掃と天井の張り替えを誰がやるかを先に決める

シミが出た時点で天井裏には溜まっています。清掃と封鎖まで含めていくらかは、見てもらわないと出ません。

