自分でできる対策・見分け方
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毛虫の駆除は種類を決めてから|環境省の一覧8種のうち2種は人への害なし

Claude
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庭木に毛虫がついていた。まず殺虫剤を買いに行く、という順番になりがちです。

ですが公的な資料は、その前に別のことを決めています。刺す種かどうかです。

環境省が公園や街路樹の管理者向けに出しているマニュアルには、毛虫が8種並んでいます。それぞれに「人への害等」という欄があり、2種には「無し」「無害」と書かれていました

そして種類を決める手がかりは、毛虫が付いていた木でした。

この記事の結論
  • 環境省の一覧8種のうち、アメリカシロヒトリは「人への害=無し」、モンクロシャチホコは「無害」
  • 種類は木で決まる。ツバキ・サザンカならチャドクガ、マツならマツカレハ
  • 刺す種なら、樹木全体に広がる前に葉・枝ごと切り取る。殺虫剤で殺しても毒針毛は残る
  • いますること:毛虫を見分ける前に、どの木に付いていたかを確かめる

もう木の全体に広がっている。脚立では届かない高さにも付いている。そこまで来ているなら、読み進めるより先に見てもらうほうが早いです。

木の全体に広がっているか、その場で害虫駆除屋に見てもらう

毛虫の駆除で最初に決めるのは、刺す種かどうかです

刺す種と、刺さない種があります。

環境省の「公園・街路樹等病害虫・雑草管理マニュアル」は、害虫の解説に入る前にこう書いています。

害虫については、一般にそのほとんどは人体に対して危害を及ぼすことはないが、危害がある害虫については、特に重要と考え、人体に危害がある害虫を中心に解説を加えている。

※出典:環境省「公園・街路樹等病害虫・雑草管理マニュアル」。2026年8月29日確認。以下、環境省の資料はすべて同じものです。

かんたんに言うと、虫のほとんどは人に害がないという前提で書かれた資料です。

やることも変わります。刺さない種なら、つまんで袋に入れるだけで足ります。刺す種なら、肌を出さずに枝ごと切ることになります。

環境省の一覧8種のうち、2種は「人への害なし」でした

同じマニュアルが、毛虫を8種挙げています。

環境省のマニュアルが挙げる毛虫8種

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種類 付く木(寄生植物) 人への害等 幼虫が出る時期
アメリカシロヒトリプラタナス、トウカエデ、サクラ、ミズキ、クワ等無し5〜7月と8〜9月
モンクロシャチホコサクラ類、ナシ、ウメ、モモ、リンゴ、スモモ等無害8〜10月頃
チャドクガツバキ、サザンカ、ヤブツバキ、チャ毒のある体毛は脱落しやすく、ふれると激しいかゆみ4月中旬から/8月下旬〜10月中旬
ドクガサクラ、バラ、キイチゴ、コナラ、カキなどチャドクガと同様被害は5〜6月ころ
イラガカキ、サクラ、ウメ、ケヤキ、カエデ類、クリなど刺すと同時に毒液を注入し激痛7〜8月から10月ころ
クロシタアオイラガイラガとほぼ同じイラガと同じ6〜7月と8〜9月
ヒロヘリアオイラガサクラ、カエデ、カキなどの広葉樹ふれると痛みがあり、かぶれる6〜9月ごろ
マツカレハアカマツ、クロマツ、カラマツなど刺されると激痛があり、あとが腫れ上がる通常は年1回

出典:環境省の同マニュアル。「人への害等」の欄の言葉は資料の表記に沿っています。

種類の数は編集部が数えたものです。

かんたんに言うと、8種のうち2種は、触っても皮膚炎を起こさないと書かれているということです。

モンクロシャチホコには「(森林総研九州支所のHPで無害とある)」という但し書きまで付いていました。

「白い毛虫」で探している人へ

この2種は、白い毛虫として目に入りやすい種類です。

モンクロシャチホコは「成長するにつれ紫黒色になり、白い毛が目立つ」と書かれています。アメリカシロヒトリは、若い幼虫が葉を糸で覆って白い巣を作ります。

ただし「白ければ安全」とは書かれていません。資料にあるのは、この2種について害がないという記述だけです。白さではなく、次の章のとおり木で確かめてください。

種類を決めるのは、毛虫が付いていた木です

上の表を逆から読むと、木で種類が絞れます。

木から毛虫の種類を絞る

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見つけた場所 疑う種類 刺すか
ツバキ・サザンカ・チャチャドクガ刺す(毒針毛)
サクラモンクロシャチホコ/アメリカシロヒトリ/ドクガ/イラガ類種類による
マツマツカレハ刺す(毒針毛)
カキ・ウメ・ケヤキ・カエデイラガ類刺す(毒棘)
竹・笹タケノホソクロバ刺す(毒針毛)
屋根・ウッドデッキの苔ヤネホソバ刺す(毒棘)

出典:環境省の同マニュアルと、京都市「衛生動物だより」No.004・No.008。2026年8月29日確認。

京都市の保健所が残している相談記録に、この考え方がそのまま書かれています。

こうした種類と食草の関係は,発生源の特定に役に立つ情報です。

※出典:京都市「衛生動物だより」No.008。2026年8月29日確認。

食草(しょくそう)は、その虫が食べる植物のことです。

ツバキとサザンカだけは覚えておくと早く済みます。ここに付くのはチャドクガで、刺す種だからです。

毛虫の写真を並べて見分けようとすると、種類が多すぎて決まりません。木のほうが数が少ないです。

「ドクガ」と名前が付いても、刺すとは限りません

京都市の記録に、名前で判断すると外れる例があります。リンゴドクガという種類の相談でした。

ドクガ科の多くの仲間の和名には,今回のリンゴドクガのようにドクガという名前が付きます。しかし,多くは,人に対して,皮膚被害を生じさせることはありません。

※出典:京都市「衛生動物だより」No.026。この章の引用はすべて同じ号です。

刺すのは、ドクガとチャドクガを含む一部のグループだけです。資料はそのグループを Euproctis属 と呼んでいます。

そのリンゴドクガについて、担当者は顕微鏡で毒針毛も毒棘も無いことを確かめました。そのうえで、こうしています。

このことを確認するために,実際に腕の上に乗せて,様子を見ましたが,皮膚炎を起こすことはありませんでした。

見出しは「恐怖(?)の人体実験」でした。

害がない種だと分かれば、対策そのものが要らない場合があります。京都市は2つの種類について、はっきりそう書いています。

  • フクラスズメ:「人への健康被害がないので特段の対策は,必要ありません。住宅に侵入してきたら,摘み上げて,ビニールの袋にでも入れておけばよいことです」(No.046)
  • ヨトウガ:「幼虫を見つけたときにつまんで捕獲する程度の方法で十分です」(No.011)

歩き回っている毛虫は、その場所から出たのではありません

玄関先や屋根を毛虫が歩いている。この相談に、京都市は同じ答えを返しています。

食草を食い尽くしたので、次を探して移動しているという説明です。

幼虫がうろうろと歩いている近くに笹や竹があるはずです。その笹や竹が発生源です

※出典:京都市「衛生動物だより」No.008。この章の引用はすべて同じ号です。

小学校の事例も載っています。

昨年,ある小学校で多くの児童がチャドクガによる皮膚炎の被害を受けました。原因は,食草の椿の葉を食い尽くした幼虫が校庭をうろうろと歩き出したためでした。

歩いている場所に薬をまいても、発生源は残ります。

食べられた植物には跡が出ます。タケノホソクロバなら、笹の葉が白く枯れたように見えます。葉脈を残して、葉の裏側の葉肉だけをせせるように食べるためです。

木が近くになくても出ることがあります。ホテルのウッドデッキ、池に架かる橋、家の屋根で毛虫が歩いているという相談が、3件続いた記録があります(No.004)。

正体はヤネホソバで、食草は苔(こけ)でした。3件とも、うっそうと苔が生えていたそうです。

かんたんに言うと、木が1本もない場所でも、苔があれば毛虫は出るということです。

刺す種だったときの手順|樹木全体に広がる前に枝ごと切ります

環境省が最初に挙げる手は、薬ではありません。

ドクガ類、アメリカシロヒトリ等発生初期に集団で食害する害虫は、発生段階が進んで分散してしまう前に被害部位を剪定し、焼却等を行えば、農薬の散布の必要性が低下する。

※出典:環境省の同マニュアル。

京都市も同じ順番です。「幼虫(毛虫)が発生し,樹木全体に広がるまでに,葉・枝ごと切り取って処分しましょう」と書いています。

先に準備するもの|服装と道具

京都市が挙げている道具は6つです。肌を露出しないことが目的です。薬剤より先に、これをそろえてください。

  • 帽子
  • 長袖
  • 手袋
  • マスク
  • メガネ
  • 首に巻くタオル
ステップ①

葉の裏を見る

チャドクガの幼虫は葉に群れています。発生時期は4月〜5月と8月〜9月の年2回です。

ステップ②

群れているうちに枝ごと切る

分散する前が勝負です。アメリカシロヒトリについて環境省は「この時期を過ぎると幼虫が樹木全体に広がってしまう」と書いています。

ステップ③

袋に入れて処分する

東京都のリーフレットは、切り取った枝を土に埋めるよう書いています。つぶしたり燃やしたりすると毛が飛散することがあるためです。

ステップ④

残った枝を剪定する

京都市は「枝を剪定しておくと駆除しやすく,チャドクガも発生しにくくなります」としています。

なお薬を使う場合、ツバキとサザンカには生物農薬のBT剤の適用があると環境省は書いています。散布するときは、発生した樹木に限定して飛散を防ぐこととされています。

殺虫剤で殺しても毒針毛は残ります|やってはいけない3つ

京都市のチラシは、冒頭に4つの注意を並べています。その4番目がこれです。

殺虫剤で駆除しても毛虫の毛は残ります

※出典:京都市「チャドクガ(幼虫)に注意してください!!」。この章の引用はすべて同じ資料です。2026年8月29日確認。

理由も書かれています。

チャドクガの幼虫は殺虫剤に弱いので,殺虫剤で駆除できます。ただし,毛虫が死んでも皮膚炎の原因になる毒針毛はそのままですので,殺虫剤を散布しても安心はできません。死骸や樹木に残っている毛にも注意が必要です。

東京都のリーフレットには、脱皮殻の毒針毛が風で飛び、洗濯物に付いて皮膚炎を起こす例も紹介されています。

やってはいけないことが3つあります。枝をつぶすこと、燃やすこと、そして刺されたあとに掻くことです。前の2つは毛を飛散させ、3つめは被害を広げます。

触れてしまったときの手当てには、順番があります。

毛虫に触れたときにやること・やらないこと

場面 内容
やらないこすらない、掻かない。掻くと被害が広がる
取り除くセロハンテープで触れた周辺をそっと斜めに押さえ、毛を取り除く
洗う強い流水やシャワーで、上から洗い流す
相談する毒針毛に刺された場合は専門医へ。目の場合は特に注意

出典:京都市の同チラシより編集部が整理。2026年8月29日確認。

掻かない、が一番難しいところです。掻くと毛が広がって、痛む範囲のほうが増えます。

蜂に刺されたときは手当てが違います。毛虫とは別の虫なので、同じ処置にしないでください。蜂の場合は蜂に刺された時の対処法にまとめてあります。

業者に頼む判断と、来年の被害を防ぐ冬の3つ

判断の線は、環境省が書いています。チャドクガの防除方法の欄です。

既に樹全体に及び、物理的な除去は毒針毛等が人へ付着し危険。

枝を切れる範囲を超えていたら、自分で近づく段階ではありません。

公園や街路樹では、人に危害がある種を確認した場合、まずその区域への立入りを制限するよう書かれています。庭でも考え方は同じで、子どもとペットを近づけないところから始まります。

自治体が動くかどうかは地域で違います。所沢市は市が扱う衛生害虫に蜂と毛虫を挙げていますが(所沢市のネズミ駆除は誰が担当するか)、世田谷区が動くのはハチだけです(世田谷区の害虫駆除)。

窓口の使い分けは害虫駆除はどこに相談するかに、業者の見方は害虫駆除業者の選び方に、費用の考え方は害虫駆除の費用相場にまとめてあります。

来年のために、冬にできることが3つあります。

  • 卵塊を探す:東京都のリーフレットは、冬に葉の裏を調べ、毛で覆われた卵塊があれば葉ごと切り捨てるよう書いています
  • マユを掻き取る:イラガとヒロヘリアオイラガは、冬に木の幹や枝でマユのまま越冬します。環境省は「冬期にマユを確認した場合は掻き取る」としています
  • こもを巻く:マツカレハは根際で越冬します。幹にワラで作ったこもを巻いて越冬中の幼虫を呼び寄せ、翌春にワラごと焼却する方法が書かれています

モンクロシャチホコは「同じ場所で発生する傾向がある」とされ、以前に被害が出た木を7月下旬〜8月上旬に見回るよう勧められています。

冬まで待てないほど広がっている。あるいは脚立でも届かない高さに付いている。そういう状態なら、切る範囲を見てもらうところから始められます。

切る範囲と、手の届かない高さの枝を害虫駆除屋に見てもらう

毛虫の駆除に関するよくある質問

よくある質問①

白い毛虫は駆除しないといけませんか

環境省の一覧では、白い毛が目立つモンクロシャチホコは「無害」、白い巣を作るアメリカシロヒトリは「人への害=無し」と書かれています。ただし白ければ安全という記載はありません。付いていた木で確かめてください。

よくある質問②

家にあるもので毛虫を駆除できますか

効くと書いた公的な資料は見つかりませんでした。環境省が挙げているのは、分散前の剪定と、BT剤などの登録された農薬です。木酢液そのものの性質は木酢液の作り方にまとめてあります。

よくある質問③

毛虫を駆除しないとどうなりますか

種類で変わります。害がない種について京都市は「特段の対策は,必要ありません」と書いています。刺す種の場合、環境省は公園や街路樹ではまず立入りを制限するよう求めています。

よくある質問④

桜の木の毛虫はいつ出ますか

サクラに付く種類は複数あります。モンクロシャチホコは8〜10月頃、ヒロヘリアオイラガは6〜9月ごろ、ドクガの被害は5〜6月ころが最も問題になるとされています。時期だけでは1種に絞れません。

よくある質問⑤

毛虫の駆除を業者に頼むといくらですか

毛虫だけの料金を公表した公的な資料は確認できませんでした。金額の目安を出すより、見積書のどこを見るかを先に知るほうが確かです。考え方は害虫駆除の費用相場にあります。

まとめ:木を見て、種類を決めて、広がる前に切る

毛虫の駆除は、殺虫剤を選ぶところから始まりません。

環境省のマニュアルが挙げる8種のうち、アメリカシロヒトリは「人への害=無し」でした。モンクロシャチホコは「無害」と書かれています。京都市の保健所も、名前に「ドクガ」と付く種を腕に乗せて、皮膚炎が起きないことを確かめています。

種類を決めるのは木です。ツバキとサザンカならチャドクガで、これは刺します。

やること

  1. 毛虫が付いていた木を確かめる(歩いている場所ではなく、食べられている植物を探す)
  2. 刺す種なら、肌を出さない服装で、群れているうちに葉・枝ごと切る
  3. 殺虫剤を使っても毛は残ると考えて、死骸や樹木に触れない
  4. 触れてしまったら、掻かずにテープで取り、上から洗い流す
  5. 樹全体に広がっていたら、自分で近づかずに相談する

どの木に付いているかまで分かっていれば、相談は早く済みます。木の名前と、葉の食べられ方を伝えてください。

毛虫が付いている木を伝えて、作業の範囲を害虫駆除屋に見積もってもらう
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ヨシオ
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自宅&畑の害虫・害獣対策研究家
ぼくの害虫・害獣との馴れ初め(笑)をお話します。 最初は自宅の台所に現れたアリとの戦いから始まりました。そこからシロアリ、コバエ、ハチ、ネズミ、タヌキまで……気づけば害虫・害獣との共存(?)生活を10年以上続けています。 自分で試してうまくいったこともあれば、途中で「これはムリだ!」と業者にお願いした経験もあります。 そのときに学んだのは「プロの技術と、家庭でできる工夫は別物」ということ。どちらにも意味があるし、組み合わせれば最強です。 気軽に読んで、笑って、ちょっとでも役立ててもらえたら嬉しいです。
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