名古屋市で害獣駆除を頼む前に|市が渡すのは許可と捕獲箱、業者は協会の46社
天井裏で物音がして、区役所に電話しようとしていませんか。
名古屋市の害獣駆除は、電話先が区役所でも保健センターでもありません。
そして名古屋市は、害獣を捕まえに来てくれません。
市が出すのは捕獲の許可と、一部の獣に貸し出す捕獲箱までです。
では誰に頼むのか。名古屋市は業者の相談先を1つだけ名指ししています。
この記事では、名古屋市が実際にしてくれることと、市が名指しする依頼先を整理します。
あわせて、その依頼先が名古屋市16区をどう分担しているかを、会員名簿から数えました。
- 名古屋市は害獣を駆除しない。出すのは捕獲の許可と捕獲箱
- 捕獲箱を借りられるのはアライグマ・ハクビシン・ヌートリアの3種だけ
- 業者に頼むなら、市が名指しするのは公益社団法人愛知県ペストコントロール協会
- やること:相手の獣を絞る → 自己捕獲か業者捕獲かを決める → 都市農業課か協会へかける

天井裏の音がもう何日も続いていて、手続きを調べている時間がない。そういう状態なら、先に現地を見てもらう相談から始められます。
名古屋市が出すのは、捕獲の許可と捕獲箱です。
理由は、市が持っている権限の形にあります。
野生の鳥や獣を勝手に捕まえることは、法律で原則として禁止されています。
その法律が「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律」、略して鳥獣保護管理法です。
ただし、捕獲以外の方法では被害を防げない場合は、例外として捕獲が許可されます。
平成15年度から、この許可を出す権限の一部が愛知県知事から名古屋市長へ移りました。
そのため名古屋市は、市内の鳥獣57種について捕獲を許可できます(名古屋市「有害鳥獣の駆除」2026年8月27日確認)。
市の説明は、そこから2通りに分かれます。
自分で許可を取って自分で捕まえる「自己捕獲」と、業者に申請から任せる「業者捕獲」です。
許可が要る理由と、獣ごとの手順の違いは害獣駆除は「捕まえていいか」で手順が変わるでまとめています。
捕獲箱を借りられるのは外来種の3つだけです
名古屋市が捕獲箱を貸し出すのは、アライグマ・ハクビシン・ヌートリアの3種に限られます。
生態系への被害があるとされる外来種だから、というのが市の説明です。
つまりイタチやタヌキが相手のときは、箱を借りられません。
箱のサイズは2種類あります。
名古屋市が貸し出す捕獲箱(2026年8月27日確認)
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| サイズ | 寸法 | 重さ | 主な対象 |
|---|---|---|---|
| ア | 75cm×45cm×45cm | 11kg | アライグマ、ハクビシン用 |
| イ | 82cm×26cm×36cm | 5kg | 3種用 |
出典:名古屋市「アライグマ、ハクビシン、ヌートリア用の捕獲箱の貸出し」2026年8月27日確認。市は「希望どおりのサイズになるとは限らない」としています。
かんたんに言うと、大きい箱と細長い箱があり、選べるとは限りません。
貸出期間は貸出の日から2か月です。
なお、貸出料についての記載は市のページにありません。無料かどうかは、下記の都市農業課に確認してください。
捕獲箱を借りるまでの流れ
- 有害鳥獣捕獲許可の申請を出す(手続き中でも申し込めます)
- 捕獲箱貸付申請書を出す
- 窓口で捕獲箱を受け取る
借りるには条件があります。
- 申請する人と捕獲する場所が名古屋市内にあること
- 土地の所有者の合意があること
- 周辺の住民の合意があること(自宅の庭などの場合は不要)
- 箱の運搬・管理・餌の入れ替えを自分の責任でできること
2026年4月1日からは、名古屋市電子申請システムでのオンライン申請も受け付けています。
ただし捕獲許可証の交付と捕獲箱の受け取りは、これまでどおり窓口です。申請だけが自宅で済む形になります。
業者に頼む場合、名古屋市が案内している相談先は公益社団法人愛知県ペストコントロール協会の1つです。
市は「協会の加盟業者が申請と捕獲を行います。この場合は有料となります」と書いています。
ここが読者にとって大きい点です。
業者に頼めば、捕獲許可の申請そのものを業者側がやってくれます。
協会の連絡先は名古屋市中村区亀島二丁目1番1号、電話052-452-7122、受付は平日10時から16時までです。
協会は問い合わせに応じて、担当ブロックの会員を紹介するとしています。
そこで、そのブロックが名古屋市16区をどう分担しているかを数えました。
名古屋市の区と、愛知県ペストコントロール協会の担当ブロック(2026年8月27日集計)
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| ブロック | 担当する名古屋市の区 | 会員数 |
|---|---|---|
| 名古屋西部 | 北区・中区・中村区・西区・東区 | 12社 |
| 名古屋南部 | 熱田区・昭和区・天白区・中川区・瑞穂区・緑区・港区・南区 | 24社 |
| 名古屋東部 | 千種区・名東区・守山区 | 10社 |
出典:愛知県ペストコントロール協会「地域ブロック」2026年8月27日確認。同ページの会員名簿を会社単位で数え、賛助会員は除いています。県内は7ブロック・正会員69社。名古屋南部は豊明市・日進市・東郷町、名古屋東部は尾張旭市・瀬戸市・長久手市も担当します。
かんたんに言うと、県内69社のうち46社が名古屋市の担当ブロックにいます。
割合にすると67%です。愛知県のなかで、名古屋の読者はいちばん選択肢が多い場所にいます。
ただし、この協会に加盟していない駆除業者も存在します。協会は市が案内する窓口であって、名古屋で頼める業者の全部ではありません。
業者に出させる書面の見方は害獣駆除業者の選び方で確かめる書面3つにまとめてあります。
名古屋市で捕獲箱を借りた場合、捕獲された獣は市が回収します。
つまり、捕まえた獣をどう処分するかで悩んだり、その費用を払ったりする場面がありません。
自治体によっては、ここが自己負担になります。名古屋は捕獲と処分の側が市に寄っている形です。
一方で、市の制度に入っていないものがあります。
獣が入ってきた経路をふさぐ工事と、糞尿の清掃・消毒です。
捕まえても経路が開いたままなら、次の1頭が同じ場所から入ります。
名古屋市は害獣駆除の費用の目安を公表していません。協会も金額を出していません。
そのため、この記事では名古屋の相場を示せません。金額の幅と、その幅がなぜ開くのかはイタチ駆除の費用は5万〜30万円で説明しています。
この章のやること
- 捕まえるところまでを自分でやるか、業者に任せるかを決める
- 業者に見積もりを頼むときは、封鎖と清掃が金額に入っているかを聞く

捕まえたあとにふさぐ穴が何か所あるのか、天井裏を見ていない状態では数えようがありません。穴の数が分からないまま金額だけ比べても決められないので、現地を見てもらうところから始められます。
名古屋市が捕獲を許可できるのは57種で、内訳は鳥類34種と獣類23種です。
この別表のうち、住宅に入ってくる獣を編集部で抜き出しました。
ハクビシン、アライグマ、イタチ、タヌキ、アナグマ、タイワンリス、ヌートリアです。
ここで1つ、名古屋市の別表に条件が付いています。
イタチは「オスに限る」と書かれています。メスは許可の対象に入っていません。
相手がイタチのときは、捕まえたい個体がオスかどうかを先に窓口へ伝えることになります。
家に出るネズミは、そもそもこの系統ではありません。
家ネズミは鳥獣保護管理法の対象外で、名古屋市では保健センターの担当になります。窓口は名古屋市は害虫駆除費を補助していますにまとめました。
カラスについて、名古屋市は「現在のところカラスの捕獲は行っておりません」と書いています。ハトやムクドリを含む鳥の対処は害鳥駆除で捕獲はできませんを読んでください。
なお、なごや生物多様性センターはハクビシンの生息確認地域を公開しています。
2011〜2017年は守山区・東区・千種区など北東部が中心でした。2018〜2022年には西区・中村区・中川区や、港区・南区へ広がっています。
窓口は16区に対して8か所です
害獣の手続きを受け付けるのは、名古屋市役所西庁舎5階の都市農業課(電話052-972-2499)です。
このほか、北区楠支所・西区山田支所・中川区・港区南陽支所・守山区・緑区・天白区の農政担当でも受け付けています。
合計8か所で、16区すべてに窓口があるわけではありません。
そして、この8か所は害虫やネズミの相談先とは別の系統です。
虫とネズミは保健センター、獣は緑政土木局の都市農業課。名古屋市では所管そのものが分かれています。
電話の前に用意する4項目
窓口でも協会でも、最初に聞かれるのは状況です。
- 音や痕跡に気づいた場所(天井裏・床下・軒下など)
- 気づいた時間帯
- 糞や足跡の有無
- 捕獲する場所が自宅の敷地内だけか、他人の土地を含むか
駆除は行っていません。市が出すのは鳥獣57種の捕獲許可と、外来3種の捕獲箱までです。捕獲する人は、自分か業者になります。
名古屋市のページに貸出料の記載がありません。無料と断定できないため、都市農業課(052-972-2499)に直接確認してください。
貸し出された捕獲箱で捕まった場合は、市が回収します。処分を自分で手配する必要はありません。
違います。家ネズミは鳥獣保護管理法の対象外で、名古屋市では保健センターの担当です。窓口の一覧は名古屋市の害虫・ネズミの相談窓口にあります。
名古屋市が案内しているのは愛知県ペストコントロール協会です。住んでいる区で担当ブロックが決まります。ただし協会に加盟していない業者もいるので、比べる相手を協会内に限る必要はありません。
名古屋市の害獣駆除で、市がしてくれるのは捕獲の許可と捕獲箱の貸出です。
箱を借りられるのはアライグマ・ハクビシン・ヌートリアの3種で、捕まった獣は市が回収します。
業者に頼むなら、市が名指しするのは愛知県ペストコントロール協会です。名古屋市16区は3つのブロックが分担し、その3ブロックに県内69社のうち46社が属していました。
やること
- 音や糞から相手の獣を絞る
- アライグマ・ハクビシン・ヌートリアなら箱を借りる道があり、イタチやタヌキなら業者捕獲を検討する
- 都市農業課(052-972-2499)か協会(052-452-7122)へかける

相手がイタチやタヌキで箱を借りられない、あるいは天井裏に上がること自体が難しい。そういう場合は、捕獲から封鎖までまとめて見てもらう形になります。

