シバンムシの駆除は発生源を捨てること|1匹いたら畳か乾物の中で育っています
2〜3ミリの茶色い虫が、部屋を歩いている。
シバンムシです。
1匹だけだから、と思うかもしれません。
その1匹は、外から来たのではありません。
家の中のどこかで幼虫が育ち、成虫になって出てきたところです。
そして、この虫には2つやっかいな点があります。
市販の殺虫剤が効きにくいこと。そして放置すると、人を刺すハチが出ることです。
この記事では、どこを探すかと、何が効くかを整理します。
- 1匹見えた=畳のわらか乾物の中で幼虫が育っている
- ピレスロイド系殺虫剤に耐性がある。市販品の多くがそれ
- 効くのは発生源を捨てることと、畳の熱処理
- 放置するとシバンムシアリガタバチが発生し、人を刺す

1匹見ただけなのに大げさだ、と思うかもしれません。ただ、成虫が出てきた時点で中では育っています。
出てくる仕組みが書かれています。
京都市の衛生動物部門が、相談の傾向をこう説明しています。
その理由の一つは,室内の畳のわらがシバンムシの発生源になることからです。畳のわらで発育した幼虫は,やがて成虫となり,室内を徘徊し,発見されることが多くなります
※出典:京都市「No.018 素材に混入していたタバコシバンムシ幼虫」(2026年8月28日確認)。以下、京都市からの引用は出典名を省きます。
歩いている成虫は、中で育ち終わった個体です。
だから1匹見えた時点で、見えていない幼虫がいます。探すのは成虫ではなく、発生源です。
体の大きさも確かめておきます。豊島区はタバコシバンムシを「約2〜3ミリメートル」としています。
食品からは幼虫が出てきます
もう1つの相談の形も記録されています。
食品製造施設から「料理をするためにミツバ、玉ねぎ、麩を水の中で洗っていたところ、白い小さな虫が浮かんできました」という相談がありました。
タバコシバンムシの幼虫でした。3つの食材のうち、発生する可能性があるのは麩だと説明されています。
そして、こうも書かれています。
今までの経験では,長期間保存されたそうめんにタバコシバンムシ幼虫が大発生したことがありました
長期保存のそうめんです。
かんたんに言うと、成虫を見たら畳、白い幼虫が出たら食品という分かれ方になります。
実際に検索されている言葉で書きます。「畳の上にゴマみたいな虫がいます。何ですか?」——この形の質問が、畳の虫でいちばん多く聞かれています。
大きさと色が、そのままの答えになります。横浜市はシバンムシ類の成虫をこう書いています。
成虫は、約2.5mmほどで、褐色をしています。動きは活発で、食品の上をせわしく歩いたり、明かりに向かって飛んだりします。
※出典:横浜市「食品の管理は大丈夫ですか?(その2 シバンムシ類)」を2026年9月1日に確認
約2.5mmの褐色の粒。ゴマに見えるのは、この大きさと色です。
ダニとの分かれ目は「飛ぶかどうか」です
畳の虫で次に多いのが「ダニですか?」という問いです。
見分けは動き方で付きます。横浜市の記述にあるとおり、シバンムシは明かりに向かって飛びます。
- 飛ぶ、または活発に歩く → シバンムシ(約2.5mm・褐色)
- 飛ばず、目で追うのがやっと → チャタテムシ(1mmほど)
- 目で追えない → ヒョウヒダニ(0.3〜0.4mm)
色と大きさから絞る一覧は白い小さい虫の正体は大きさで絞れますにまとめています。
畳に出るのは、食品に出る種とは別です
同じシバンムシでも、出る場所で種類が違います。横浜市は書き分けています。
書籍にはフルホンシバンムシ、畳にはクシヒゲシバンムシ
畳から出ているなら、食品を疑う前に畳を見てください。逆に乾物から出ているなら、そちらはタバコシバンムシです。
どちらも対処は同じで、発生源を捨てるか熱を入れることになります。
発生源の範囲が広いので、先に一覧を出します。
豊島区が挙げているのは次のとおりです。
シバンムシの発生源になるもの(豊島区「シバンムシアリガタバチ・タバコシバンムシ」より)
| 分類 | 具体的なもの |
|---|---|
| 乾麺・粉もの | 乾麺、麩、お菓子 |
| 乾物 | にぼし、干物 |
| 住まい | 畳 |
| 嗜好品・薬 | タバコ、漢方薬 |
| その他 | ドライフラワー、ペットフード、殺そ剤、はく製 |
出典:豊島区(2026年8月28日確認)。
殺そ剤まで入っています。
ネズミ対策で置いた毒餌が、別の虫の発生源になっているという意味です。ネズミ用の薬剤を長く置いている場合は、そこも見てください。
ここからは編集部の見方です。
「乾いていて、もとが動植物」なら候補になります。台所だけを探しても足りません。
コナダニが出る粉製品とは範囲が重なります。粉の扱いはコナダニの駆除は捨てることですにまとめました。
この章のやること
- 台所の乾麺・麩・にぼし・お菓子を、古いものから見る
- 畳の部屋があれば、畳を疑う
- ドライフラワー・ペットフード・殺そ剤も候補に入れる
撒く前に読んでください。
京都市が、はっきり書いています。
ニコチンに耐性があるだけではなく,ピレスロイド系殺虫剤にも耐性があります。市販されている殺虫剤の多くは,ピレスロイド系殺虫剤です。殺虫剤による駆除を行う場合は,注意が必要です
市販品の多くが効きにくい系統です。
同じ資料は、タバコに含まれるニコチンに殺虫効果があるにもかかわらず、タバコシバンムシはタバコの葉を加害すると書いています。そこを「驚異の能力です」としています。
やってはいけないこと3つ
避けることを挙げておきます。
- 殺虫剤を撒いて終わりにする。耐性があり、発生源も残る
- 成虫だけを退治して安心する。食品の中でまだ育っている
- 食品を「まだ食べられる」と残す。そこが発生源のことがある
1つめが、いちばん時間を使います。
ここが、この記事でいちばん大事なところです。
京都市は、こう添えています。
タバコシバンムシは,食品害虫として有名ですが,まれに幼虫は,シバンムシアリガタバチのホスト(寄生主)になることがあります
シバンムシアリガタバチという寄生蜂です。
豊島区が仕組みを書いています。
このハチは寄生蜂で、タバコシバンムシなどの幼虫に産卵します。産卵するときは幼虫を麻酔するための毒液を注入しますが、間違って人を刺すことがあります
幼虫を麻酔するための毒を、人に打ってしまうということです。
東京都の資料は、刺されたときの様子をこう書いています。
刺されるとチクッとした痛みがあり、赤いはれとかゆみが続きます。被害は夜間に多く、知らぬ間に刺されていることが多いようです
※出典:東京都多摩小平保健所「アリガタバチ」(2026年8月28日確認)。体長は2mm前後、赤褐色で、メスには翅がなく、外見はアリによく似ていますとされています。
アリだと思っていたものが、刺しているかもしれません。
そして、駆除の順番が決まります。
寄主であるシバンムシ類を駆除します。発生源になった食品類は処分し、タタミの場合は加熱乾燥をします
シバンムシを減らさないと、ハチは減りません。
刺され方で相手が分かります
家の中で刺される虫は1つではありません。時間の出方が違います。
家の中で刺される虫と、症状の出方
| 相手 | 症状の出方 |
|---|---|
| シバンムシアリガタバチ | その場でチクッとした痛み。赤いはれとかゆみが続く。夜間に多い |
| ツメダニ類 | 1〜2日後に赤みと痒み |
| イエダニ | 刺す。ネズミの死骸のあとに出る |
アリガタバチは東京都、ツメダニは埼玉県の記載によります。
その場で痛いか、翌日以降に痒くなるかで分かれます。1〜2日後ならツメダニ駆除に殺虫剤は効きません、ネズミに心当たりがあればねずみの死骸はどうする?を読んでください。

刺されているのに、どこから来ているのか分からない。相手が虫なのかダニなのかで、やることが全部変わります。
やることは2つに分かれます。
豊島区の案内は、こうです。
食品類にたくさん発生している場合は捨てましょう。予防として、食品は冷蔵庫などの密閉容器に入れます
畳については、別の書き方になっています。
畳は「熱処理による方法が一番です」とされています。東京都も「タタミの場合は加熱乾燥をします」としています。
薬ではなく、熱です。
- 発生している食品は捨てる
- 残す食品は冷蔵庫などの密閉容器へ
- 畳は熱処理(加熱乾燥)
- ドライフラワー・ペットフード・殺そ剤も密閉するか処分する
※出典:豊島区および東京都多摩小平保健所(2026年8月28日確認)。
畳の熱処理は、ツメダニのときと同じ手です。畳に高周波を当てる処理は畳屋に頼む作業になります。手順はツメダニ駆除に殺虫剤は効きませんにまとめました。
業者に頼む判断は「発生源が見つかるか」です
自分でやるか任せるかの線を書いておきます。
食品が発生源だと分かったなら、捨てれば終わります。
判断が要るのは、次のときです。
- 食品を全部見たのに、発生源が見つからない
- 畳が発生源らしく、熱処理を自分で手配できない
- すでに刺され始めている(アリガタバチが出ている可能性)
- 賃貸で、畳の処理を勝手にできない
種類ごとの料金の違いは害虫駆除の費用相場はいくら?にまとめました。
発生源を探してください。京都市は、畳のわらで発育した幼虫がやがて成虫となり、室内を徘徊して発見されることが多いと書いています。歩いている1匹は、家の中で育ち終わった個体です。
乾いた動植物性のものが家にあるためです。豊島区は発生源として乾麺、麩、お菓子、にぼし、干物、畳、タバコ、ドライフラワー、漢方薬、ペットフード、殺そ剤、はく製を挙げています。
乾燥食品と畳が中心です。京都市は、長期間保存されたそうめんに幼虫が大発生した例を挙げています。食品製造施設からの相談では、麩から発生したと説明されています。
効きにくいとされています。京都市は「ニコチンに耐性があるだけではなく、ピレスロイド系殺虫剤にも耐性があります。市販されている殺虫剤の多くは、ピレスロイド系殺虫剤です」と書いています。
シバンムシアリガタバチが発生することがあります。豊島区は、このハチが寄生蜂でタバコシバンムシなどの幼虫に産卵し、産卵時に注入する毒液で間違って人を刺すことがあるとしています。
東京都は刺された場合に抗ヒスタミン軟膏を塗るとしています。症状はチクッとした痛みのあと、赤いはれとかゆみが続き、被害は夜間に多いとされています。根本の対処は寄主であるシバンムシを減らすことです。
熱処理です。豊島区は畳について熱処理による方法が一番だとし、東京都も加熱乾燥をするとしています。畳に高周波を当てる処理は畳屋に依頼する作業になります。
シバンムシが1匹いたら、家の中で育っています。
京都市は、畳のわらで発育した幼虫がやがて成虫となり、室内を徘徊して発見されることが多いと書いています。探すのは成虫ではなく発生源です。
発生源は広く、乾麺、麩、にぼし、干物、畳、ドライフラワー、ペットフード、殺そ剤まで挙げられています。
そして市販の殺虫剤は効きにくいとされています。ピレスロイド系に耐性があり、市販品の多くがその系統です。
放置すると、人を刺すシバンムシアリガタバチが出ます。寄主であるシバンムシを減らさないと、ハチは減りません。
やること
- 乾麺・麩・にぼし・お菓子を古いものから見て、発生しているものは捨てる
- 残す食品は冷蔵庫などの密閉容器に移す
- 畳が発生源なら、熱処理(加熱乾燥)を手配する

食品を全部見たのに見つからない。そうなると、残るのは畳や見えない場所です。発生源が畳なのか別の場所なのかが分かると、手の打ちようが決まります。

