イタチを見たら捕まえない|狩猟できる20種で性別指定があるのはイタチだけ
庭先や道路で、細長い茶色の動物が走っていった。天井裏で何かが走り回る音がする。イタチではないかと思って調べ始めた方が多いと思います。
多くのページには「イタチの捕獲は法律で禁止されています」と書かれています。ただ、実際の制度はもう少し込み入っていて、同じイタチでもオスとメスで扱いが違います。
この記事では、環境省の資料3点と自治体2件の記載から、見たときに何をすればよいのかを整理しました。
- 環境省の狩猟鳥獣(獣類)は20種。そのうちイタチだけが「イタチ(雄)」と性別つきで載っている
- 同じ環境省のパンフレットで、イタチ(メス)は「誤認されやすい非狩猟鳥獣」の欄にいる
- 見分けの手がかりは「オスの1/2〜2/3の大きさ」「色が濃いめ」という傾向だけ
- やること:捕まえない → においで追い出す → 3センチの隙間を金属ネットでふさぐ

見かけたのが雄か雌かは、素人には判別できません。捕まえずに済ませる方法から相談できます。
捕まえてよい相手かどうかが、見ただけでは決まらないためです。
まず相手の輪郭を押さえます。北九州市は、イタチを次のように説明しています。
体長30から40センチメートルほどの胴長短足の動物です
全国のほぼ全域に生息し、ネズミ・鳥類・昆虫を捕食する夜行性の動物
夜行性なので、姿を見るより先に音や臭いで気づくことのほうが多くなります。北九州市が挙げている被害は次のとおりです。
- 天井裏を走り回る騒音
- 尿や糞の臭い
- 「車に侵入され配線を噛まれて故障した(タイヤ周りのコード類破損等)」
車の配線が挙がっているのは、イタチならではです。天井裏だけを疑って車を見ていないと、原因が分からないまま修理を繰り返すことになります。

天井裏の音と、車の不調が同じ時期に起きていたら、つながっている可能性があります。
環境省が示す狩猟鳥獣の一覧に、はっきり書かれています。
環境省「狩猟制度の概要」に載っている狩猟鳥獣(獣類)は、次の20種です。
タヌキ、キツネ、ノイヌ、ノネコ、テン(ツシマテンを除く。)、イタチ(雄)、シベリアイタチ(長崎県対馬市の個体群を除く。)、ミンク、アナグマ、アライグマ、ヒグマ、ツキノワグマ、ハクビシン、イノシシ、ニホンジカ、タイワンリス、シマリス、ヌ-トリア、ユキウサギ、ノウサギ
「イタチ(雄)」と書かれています。
編集部でこの20種を数えたところ、但し書きが付いているのは3種でした。内訳を整理します。
狩猟鳥獣(獣類)20種のうち、但し書きが付く3種
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| 種名の表記 | 但し書きの種類 | 内容 |
|---|---|---|
| テン(ツシマテンを除く。) | 地域・亜種 | 対馬のツシマテンだけ外れる |
| イタチ(雄) | 性別 | オスだけが狩猟鳥獣 |
| シベリアイタチ(長崎県対馬市の個体群を除く。) | 地域 | 対馬の個体群だけ外れる |
出典:環境省「狩猟制度の概要」。2026年8月20日確認。20種を数えて分類したのは編集部です。
性別で線を引いているのはイタチ1種だけです。残り19種には、オスかメスかという指定がありません。
同じ一覧の中でイノシシもニホンジカもハクビシンもアライグマも雌雄の区別なく並んでいるなかで、イタチだけが「(雄)」を背負っています。
なお、狩猟には期間と場所の制限もあります。狩猟期間は北海道以外で毎年11月15日から翌年2月15日まで、北海道は毎年10月1日から翌年1月31日までです。鳥獣保護区では狩猟が禁止されています。
この記事でいちばんお伝えしたい点です。
環境省は「狩猟鳥獣の見分け方 ~誤認捕獲の防止のために~」というパンフレットを出しています。各ページが「狩猟鳥獣」と「誤認されやすい非狩猟鳥獣」の2つの欄に分かれている構成です。
獣類のページを見ると、イタチ(オス)は狩猟鳥獣の欄、イタチ(メス)は誤認されやすい非狩猟鳥獣の欄に置かれています。同じ動物が、2つの欄に分かれて載っているということです。
メスと同じ欄に並んでいるのは、ムササビ、モモンガ、オコジョ、ニホンリスです。

狩ってはいけない動物の代表格と、同じ扱いで並んでいます。
パンフレットの冒頭には、次のように書かれています。
誤認捕獲は違法です
狩猟鳥獣以外の鳥獣の捕獲は、『鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律(鳥獣保護管理法)』において禁止されています。このような誤認捕獲をすると、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科せられる場合があります。
「科せられる場合があります」という書き方なので、必ず科されるという意味ではありません。ただし、狩猟としてイタチのメスを捕まえることは、誤認捕獲にあたります。
そして同じパンフレットは、判断に迷ったときの態度も示しています。
判別に自信が持てないときは捕獲をやめましょう
では見分けられるのかというと、資料に書かれている手がかりはごくわずかです。
パンフレットの記載を並べます。
環境省パンフレットに載っているイタチとその近縁種の記載
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| 種・性別 | 欄 | 記載されている特徴 |
|---|---|---|
| イタチ(オス) | 狩猟鳥獣 | 全長は約40〜60cm/メスのイタチよりも淡色である傾向 |
| イタチ(メス) | 誤認されやすい非狩猟鳥獣 | 大きさはオスのイタチの1/2〜2/3程度/オスのイタチよりも濃色である傾向/腹部が白い |
| シベリアイタチ | 狩猟鳥獣 | イタチよりやや大きい/夏毛は暗い黄褐色、冬毛は明るい黄褐色でイタチより明るい色 |
| オコジョ | 誤認されやすい非狩猟鳥獣 | 大きさはイタチ・ミンクの半分以下(全長約20cm)/冬毛は白い/尾の先端1/3のみ黒い |
出典:環境省「狩猟鳥獣の見分け方 ~誤認捕獲の防止のために~(一部改定版)」。2026年8月20日確認。
注目したいのは、環境省自身が「傾向」という言葉を使っている点です。オスは淡色である「傾向」、メスは濃色である「傾向」と書かれています。断定はしていません。
大きさについても「オスのイタチの1/2〜2/3程度」という比較です。比べる相手のオスが目の前にいなければ、単体を見て判断する材料になりません。
ここからは編集部の判断です。走り抜けた1匹の雌雄を、その場で見分けるのは現実的ではありません。環境省が「判別に自信が持てないときは捕獲をやめましょう」と書いているのは、専門家でも迷う場面があるという前提に立っているからだと読めます。
同じパンフレットは鳥類のページで、より踏み込んだ書き方をしています。
メスは、オスと比較して判別が難しいため、自信がないときは捕獲をやめましょう。

雌雄どころか相手の正体も分からない段階なら、見てもらうのが早く済みます。見た時点で断ることもできます。
イタチという名前の生き物は、一覧に2種類あります。
一覧に並んでいるのは「イタチ(雄)」と「シベリアイタチ(長崎県対馬市の個体群を除く。)」です。シベリアイタチには性別の指定がありません。
シベリアイタチはチョウセンイタチとも呼ばれます。名前が2つあるため、資料によって表記が変わります。
但し書きの意味を整理します。対馬の個体群が除かれているのは、対馬のシベリアイタチが自然分布であるためです。対馬以外の地域にいるものは、飼育個体に由来する外来の個体群として扱われています。
つまり、同じシベリアイタチでも、対馬にいるものは狩猟鳥獣ではなく、対馬以外にいるものは狩猟鳥獣ということになります。
ただし、目の前の1匹がニホンイタチなのかシベリアイタチなのかを、読者が判断する必要はありません。パンフレットの手がかりは「イタチよりやや大きい」「イタチより明るい色」という比較だけで、この2点も単体では使えないためです。
なお、どちらがどの地域に多いかという分布の割合は、編集部が確認できていないため、この記事では触れていません。
制度としての入口は2つです。
ここが多くのページで混ざっている部分です。整理します。
イタチを捕獲する2つの制度
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| 項目 | 狩猟 | 許可捕獲 |
|---|---|---|
| 必要なもの | 狩猟免許と狩猟者登録 | 許可の申請(狩猟免許は不要) |
| 対象になる鳥獣 | 狩猟鳥獣のみ。ニホンイタチはオスだけ | 狩猟鳥獣以外の鳥獣も含む。メスも対象になりうる |
| 期間 | 北海道以外は11月15日〜翌年2月15日 | 許可の内容による |
| 場所 | 鳥獣保護区などでは禁止 | 許可の内容による |
| 許可を出す人 | ― | 都道府県知事。権限が移譲されていれば市町村長 |
出典:環境省「狩猟制度の概要」「捕獲許可制度の概要」。2026年8月20日確認。
ここが重要です。メスのイタチは狩猟の対象外ですが、捕獲そのものが永久に禁じられているわけではありません。
環境省は許可捕獲の対象を「鳥獣及び卵(狩猟鳥獣以外の鳥獣も含む)」としています。生活環境や農林水産業などへの被害を防ぐ目的であれば、許可を受けて捕獲する道があります。
大阪府も、住民向けに次のように書いています。
イタチ捕獲するには、市町村長の捕獲許可が必要
北九州市の書き方は、もう少し強い表現です。
イタチ等の野生鳥獣を捕獲することは、『鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律』により禁止
自治体の説明は簡略化されているため「禁止」とだけ読めますが、正確には許可なく捕獲することが禁止という意味です。市の許可を受ければ、個人が捕獲することもできます。
やることは3つです。
- 自分で捕獲したいなら、住んでいる市町村の窓口へ捕獲許可の相談をする
- 狩猟免許は要らないが、申請は要ると理解しておく
- 許可が下りるまでの日数と条件は自治体で異なるので、電話で確認する
捕獲の可否という考え方そのものは、害獣駆除は「捕まえていいか」で手順が変わるで生き物ごとに整理しています。
捕まえない道を選ぶ場合、やることは決まっています。
侵入口の大きさについて、2つの自治体が同じ数字を挙げています。
大阪府の記載です。
イタチは3センチ四方の穴から出入りできるといわれています
北九州市の記載です。
わずか3センチメートル足らずの隙間があれば侵入してくる
3センチが基準になります。この大きさは、換気口、配管の貫通部、屋根と壁の取り合い、床下換気口など、家のあちこちにあります。
次に、追い出す方法です。大阪府は次のように書いています。
「におい」を発するものを天井裏や床下にまいて追い出しましょう
具体的に挙げられているのは木酢液、漂白剤、酢などです。北九州市は、においで追い出す、煙で追い出す、光で寄せ付けない、という3つの方向を示しています。
ふさぐ材料についても記載があります。
金属製のネット(ホームセンターで販売しています)や網(餅焼き網で代用可)でイタチが侵入しそうな穴や場所をふさいで
餅焼き網で代用できると書かれている点は、実際に手を動かすときの目安になります。かじられて突破されないよう、材料は金属である必要があります。
ここからは編集部の判断です。順番を逆にしないでください。先に隙間をふさいでから追い出そうとすると、家の中に閉じ込めることになります。出ていったことを確認してからふさぐ、という順序を守ってください。
なお、自治体は忌避剤や煙を方法として挙げていますが、必ず出ていくと保証しているわけではありません。効果がなかった場合や、天井裏に上がれない構造の家では、業者に頼む段階になります。

忌避剤や煙で出ていくとは限りません。天井裏に上がれない造りなら、そこで頼む段階になります。
天井に茶色いシミが出ている場合は、糞尿が溜まっているサインです。似た症状の見分け方は天井のシミはハクビシンの「ため糞」かもしれないにまとめています。
その場で見分ける必要はありません。
環境省のパンフレットに載っている手がかりは「オスの1/2〜2/3程度の大きさ」「色が濃いめの傾向」という比較だけで、環境省自身も「判別に自信が持てないときは捕獲をやめましょう」と書いています。捕まえない方向で動けば、雌雄を判断する場面は生じません。
許可なく捕まえることはできません。
狩猟としてであれば免許と登録が要り、対象はオスに限られます。許可捕獲であれば狩猟免許は不要ですが、市町村の窓口への申請が必要です。大阪府は「イタチ捕獲するには、市町村長の捕獲許可が必要」と書いています。
駆除そのものを行うという記載は、確認した2つの自治体のページにはありませんでした。
大阪府は「お住まいの市町村窓口にご相談ください」としており、相談と助言までの案内になっています。自治体によって扱いが違うため、住んでいる市町村の窓口で確認してください。補助金を期待している場合は害獣駆除の補助金は市町村の「協議会」に出るもあわせてご覧ください。
出ていく場合もありますが、保証はされていません。
自治体は木酢液や漂白剤、燻煙剤を方法として挙げていますが、効果を保証する書き方はしていません。出ていったことを確認できないうちに隙間をふさぐと、閉じ込める結果になります。
会社によって料金の公表状況が違います。
公式サイトで料金を公表しているかどうかを調べた結果は害獣駆除業者ランキングを公式9社で検証に、実際の口コミの検証は害獣駆除110番の口コミを検証にまとめています。
環境省の狩猟鳥獣(獣類)20種のうち、性別の但し書きが付いているのはイタチ1種だけです。「イタチ(雄)」と書かれています。
そして同じ環境省のパンフレットで、イタチ(メス)は「誤認されやすい非狩猟鳥獣」の欄に、ムササビやオコジョと並んで載っています。誤認捕獲について「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科せられる場合があります」という記載もあります。
見分けの手がかりは「オスの1/2〜2/3の大きさ」「色が濃いめ」という傾向だけで、環境省自身が「判別に自信が持てないときは捕獲をやめましょう」と書いています。
一方で、メスの捕獲が永久に禁じられているわけではありません。許可捕獲は狩猟鳥獣以外も対象で、狩猟免許は不要です。市町村の窓口へ申請する道が残されています。
やることは3つです。
- その場で捕まえようとしない。雌雄も種類も、走り抜けた1匹からは決まらない
- 捕まえたいなら、住んでいる市町村の窓口へ捕獲許可を相談する
- 捕まえないなら、においで追い出し、出ていったのを確認してから3センチの隙間を金属ネットでふさぐ

正体が分かるまで捕まえないとなると、その間の被害をどう止めるかが残ります。

