段ボールのゴキブリは確率ではなく条件です|さいたま市の図と貝塚市の一文
通販の箱を積んだままにしていると、ゴキブリが心配になります。
「湧く確率」を示した公的な資料は見つかりませんでした。
資料が書いているのは、確率ではありません。条件のほうです。
- さいたま市の図は、潜伏場所として段ボールを名指ししている
- 条件は「暗い・せまい・温かい」。段ボールはこの3つに当てはまる
- 資料に「湧く」という書き方はない。書いてあるのは潜伏場所
- 新品か使用済みかを、資料は分けていない
- 図に出る10か所のうち、家から持ち出せるのは3つだけ。段ボールはその1つ

「箱を開けるのが怖くて、積んだまま何週間も置いている」という人は、中を見てもらうところから始められます。
先に、いちばん知りたいところを書きます。
さいたま市が、ゴキブリの潜伏場所を1枚の図にしています。
さいたま市の図が挙げる潜伏場所(2026年8月31日確認)
| 場所 |
|---|
| 窓・扉 |
| クーラーのドレーンホース |
| 換気扇 |
| 植木鉢 |
| ゴミ |
| 排水管のすき間 |
| 冷蔵庫のすき間 |
| 排水溝 |
| 段ボール |
| 家具と壁のすき間 |
出典:さいたま市「ゴキブリを撃退!〜効果的なゴキブリ対策〜」(さいたま市保健所食品衛生課/アース製薬株式会社監修)を2026年8月31日に確認。食品営業施設や給食施設に向けて配られている資料で、家庭向けに作られたものではありません。同じ内容のリーフレットを香川県も配っています
段ボールが、名前を挙げて入っています。
同じ図は、条件も1行で書いていました。
ゴキブリは 暗い・せまい・温かい が好き
段ボールは、この3つがそろいます。紙が二重になっていて、その間が空洞だからです。
図の中で、名指しの指示が付いているのは2つです
10か所のうち、行動まで書かれている場所が2つありました。
- ごみ箱にはフタをしよう
- 段ボールはすぐ撤去しよう
残る8か所に、この形の指示はありません。
福岡県も、同じ「暗い・せまい・温かい」という書き方をしています。
※出典:福岡県「食品営業施設における効果的なゴキブリ対策について」(生活衛生課食品衛生係)を2026年8月31日に確認
編集部の整理として書きます。どちらもアース製薬が監修したリーフレットです。別々に確かめた2件ではありません。
言葉の話を1つ確かめておきます。
さいたま市の図にも福岡県のページにも、「湧く」という語は出てきません。書かれているのは「潜んでいます」です。
貝塚市も同じ書き方でした。
不要な物品(ダンボール・雑誌など)を放置したり、積み上げて置かないようにし、ゴキブリの潜伏場所を少しでも減らしましょう。
※出典:貝塚市「ゴキブリの発生を予防しましょう」(市民生活部廃棄物対策課)を2026年8月31日に確認
「発生源」ではなく「潜伏場所」です。段ボールから生まれるのではなく、いるゴキブリが入り込む場所という扱いになっています。
新品かどうかも、資料は分けていません
もう1つ、よく聞かれる区別があります。
新品の段ボールと、荷物が入っていた段ボールを、資料は分けていません。
条件で書いているためです。暗くて、せまくて、温かい。この3つは紙の新しさとは関係がありません。
かんたんに言うと、資料の側から見ると新品かどうかは論点になっていません。
卵の話は別で、ゴキブリの卵は薬で片づかないに研究資料からまとめています。卵は乾燥に弱く、湿った物陰に産み付けられます。
「確率」を出した資料は見つかりませんでした
数字を探しましたが、段ボールにゴキブリがいる割合を調べた公的な資料は見当たりません。
代わりに資料が示しているのが、上の3条件です。
確率で決めるのではなく、条件が当てはまるかで見るということになります。
ここが、他の潜伏場所と違うところです。
図の10か所を、動かせるかどうかで分けてみます。
- 持ち出せる:段ボール、ゴミ、植木鉢の3つ
- 持ち出せない:窓・扉、ドレーンホース、換気扇、排水管、冷蔵庫、排水溝、家具と壁のすき間
編集部の判断として書きます。7か所は建物や家電の一部で、条件そのものを消せません。
冷蔵庫の下がその代表です。冷蔵庫の下にゴキブリの巣がある?に書いたとおり、片づけても暗いままで、動いている限り温かいままでした。
段ボールは違います。捨てれば、暗さもせまさも温かさも一緒に無くなります。
さいたま市が段ボールに「すぐ撤去」と書いている理由は、ここにあります。
撤去のときにやること3項目
順番を決めておくと、家の中で開ける手間が減ります。
- 玄関の外で開ける(中身だけを家に入れる)
- その日のうちに出す(積み上げない、が貝塚市の書き方)
- 潰して平らにする(空洞が無くなれば条件が1つ消える)
家の中に入れる前に見るものは、部屋にゴキブリがいるサインは?にまとめた4つと同じです。
なお、段ボールに付いていた虫が1〜2mmの白っぽい虫なら、相手が違います。チャタテムシの駆除はカビ対策ですを見てください。
箱を捨てても収まらないことがあります。
その場合、段ボールは潜伏場所であって発生源ではなかったということになります。
判断の目安は3つです。
- 段ボールを全部出したのに、まだ見る
- 箱を置いていなかった部屋でも見る
- どこから入っているか分からない
入口の探し方はゴキブリはどこから入るのかにまとめました。名古屋市の資料は5mm〜1cmの隙間を挙げています。
業者に払う金額の目安は、ゴキブリで1.5万〜3.5万円でした。内訳はゴキブリ駆除を業者に頼む料金の目安にまとめています。
資料は「湧く」と書いていません。
さいたま市の図は段ボールを潜伏場所として挙げ、条件を「暗い・せまい・温かい」としています。貝塚市も「潜伏場所を少しでも減らしましょう」という書き方です。段ボールから生まれるのではなく、いるゴキブリが入り込む場所という扱いになっています。
資料は新品と使用済みを分けていません。
書かれているのは条件のほうです。暗くて、せまくて、温かい。この3つは紙の新しさとは関係がありません。新品かどうかで判断する材料は、公的な資料には見当たりませんでした。
貝塚市は、放置と積み上げをやめるよう書いています。
「不要な物品(ダンボール・雑誌など)を放置したり、積み上げて置かないようにし、ゴキブリの潜伏場所を少しでも減らしましょう」としています。積むほど、暗くてせまい空間が増えることになります。
割合を調べた公的な資料は見つかりませんでした。
資料が示しているのは確率ではなく条件です。暗い・せまい・温かいの3つが当てはまるかどうかで見ることになります。
見るべきものを順に並べます。
- 資料は「湧く」ではなく「潜伏場所」と書いている。確率の資料は見つからない
- 条件は「暗い・せまい・温かい」。新品かどうかは論点になっていない
- 図の10か所で持ち出せるのは3つだけ。段ボールはその1つ
捨てれば条件ごと無くなります。それでも出るなら、段ボールは潜伏場所であって発生源ではなかったことになります。

「箱は全部捨てたのに、まだ台所で見る」という段階なら、別の場所に条件がそろっています。

