アライグマを見つけたら市町村へ連絡|9自治体の対応と、放すと3年以下の拘禁刑
庭や道路でアライグマを見かけて、どうすればいいか迷っている人は多いはずです。
市役所なのか、保健所なのか、業者なのか。連絡先が分からないまま、写真だけ撮って止まってしまいます。
そこで、実際に「見つけたら」と検索されている9つの自治体の案内を並べました。あわせて、外来生物法の条文も読みました。
分かったのは、いちばん重い罰則に当たるのが「捕まえること」ではなく「別の場所に放すこと」だという点です。
- 連絡先は住んでいる市町村。神奈川県は「捕獲は市町村が主体」と書いている
- 捕まえない・運ばない・別の場所に放さない。放すと3年以下の拘禁刑の対象
- 市町村の対応は「捕まえに来る」「檻を貸す」「許可を取って自分で」に分かれる
- やること:近づかない → 市町村に電話 → 屋根裏なら封鎖と清掃は別に手配

市町村がアライグマを捕まえても、家の侵入口をふさぐ作業や糞尿の片付けは別になります。屋根裏に入られている人は、封鎖と片付けの金額を先に知っておくと慌てずに済みます。
最初に電話するのは、住んでいる市町村です。
神奈川県の「アライグマを見つけたら」というページは、「捕獲は市町村が主体となって実施」と書いています。続けて「住民の方へ罠を貸し出すなど、市町村によって対応は異なります」とあります。
捕獲の相談は、住んでいる市町村へ連絡するよう案内されています。県が受け付けているのは、これまで生息が確認されていない地域での目撃情報です。
かんたんに言うと、住んでいる市町村が窓口で、何をしてくれるかは市町村ごとに違うということです。政令指定都市20市の担当の課と対応は害獣駆除は市役所の何課?に並べました。
見つけた場で守ることは、福岡市が具体的に書いています。
- むやみに近づかない(噛みつかれたり、引っかかれたりすることがある)
- 餌をやらない
- 頭をなでようとしない
国内の野生のアライグマで確認されている感染症は、アライグマは危険かで資料ごとに整理しています。
罰則がいちばん重いのは、捕まえたアライグマを別の場所に放すことです。
アライグマは、外来生物法の「特定外来生物」です。条文を読むと、禁止されている行為ごとに罰則の重さが違います。
外来生物法で禁止されている行為と、個人に対する罰則
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| 行為 | 条文 | 個人に対する罰則 |
|---|---|---|
| 生きたまま運ぶ・飼う・保管する(販売目的ではない) | 第4条違反(第33条) | 1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金 |
| 野外に放す | 第9条違反(第32条) | 3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金 |
| 販売や配布の目的で飼う | 第4条違反(第32条) | 3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金 |
e-Gov法令検索「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」(2026年9月13日確認)。拘禁刑と罰金は併せて科されることがあります。法人には別に、第32条で1億円以下、第33条で5,000万円以下の罰金が定められています。
第1条は「飼養等」を「飼養、栽培、保管又は運搬」と定めています。つまり、弱っているアライグマを保護して家に連れ帰ることも、運搬と保管にあたります。
ここからは編集部の判断です。「かわいそうだから山に返してあげよう」という善意が、別の場所に放す行為として、いちばん重い罰則の側に入ります。
一方で、環境省は「釣りでいう『キャッチアンドリリース』も規制対象とはなりません」と書いています。その場で放すこと自体は、外来生物法の規制には入りません。
ただし、そもそも捕まえるには手続きが要ります。横浜市も福岡市も、自分で捕まえる場合は鳥獣保護管理法の許可か、防除計画に基づく登録を求めています。

「捕まえなければ罰則はない。捕まえたら運ばない、放さない」と覚えておけば、まず間違えません。
自治体の対応は「捕まえに来る」「檻を貸す」「許可を取って自分で捕まえる」の3つに分かれました。
「アライグマを見つけたら」と一緒に検索されている自治体の、公式の案内を並べます。
アライグマを見つけたときの9自治体の対応
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| 自治体 | 自治体側が捕まえる | 檻・わなを借りる/自分で捕まえる条件 | 連絡先 |
|---|---|---|---|
| 東京都 | 区市町村が捕獲の主体(都の計画に53のうち50が参加) | 区市町村ごとに違う | 住んでいる区市町村 |
| 横浜市 | 屋根裏に入られている場合、委託業者が罠を設置(2週間・年度内1回) | 自分で罠を置くなら許可等の申請と図面が必要 | 環境活動事業課 045-671-3448 |
| さいたま市 | 民有地でも市が対応する | ― | 環境対策課 048-829-1329 |
| 千葉県 | 県が主体で、市町村が防除の一部を行う | 記載なし | 自然保護課鳥獣対策班 043-223-2058 |
| 大阪府 | ― | 市町村に申し出て捕獲者台帳に登録すると、捕獲器を借りられる | 住んでいる市町村 |
| 京都市 | 市が捕獲する(檻は原則屋外) | ― | 区役所・支所の地域力推進室 |
| 兵庫県 | ― | 建物内の被害なら、狩猟免許なしで敷地内の捕獲許可を申請できる(小型の罠・手捕り) | 住んでいる市町 |
| 神戸市 | ― | 敷地内での捕獲を希望すれば、捕獲檻を無償で貸出 | 鳥獣相談ダイヤル 078-333-4408 |
| 福岡市 | 委託業者が無料で捕獲(生活環境の被害・登録不要) | 従事者登録をした人に箱わなを貸出(原則2週間・1基・無料) | 自然共生課 092-733-5389 |
福岡市・千葉県・神奈川県は2026年9月13日に、ほかの6自治体は2026年8月に、各自治体の公式ページで確認しました。「―」は確認したページに記載が見当たらなかったものです。
数えると、こうなります。
9自治体の対応の内訳
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| 対応 | 自治体数 | 該当する自治体 |
|---|---|---|
| 自治体側(委託業者を含む)が捕まえる | 4 | 横浜市・さいたま市・京都市・福岡市 |
| 檻やわなを貸す | 3 | 大阪府・神戸市・福岡市 |
| 許可や登録を取れば住民が捕まえられる | 3 | 横浜市・兵庫県・福岡市 |
上の表から編集部が集計しました。1つの自治体が複数の対応を持つ場合は、それぞれに数えています。
福岡市は3つとも持っていました。反対に千葉県のページには、見つけたときの手順が書かれていませんでした。
東京都は、区市町村が捕獲の主体です。都の計画に入っている区市町村の一覧は東京の害獣駆除は区市町村が動きますにまとめています。
檻を借りる場合も、先に登録や許可の手続きがあります。
自治体ごとの手続きを並べます。
住民が自分で捕まえる前に必要な手続き
| 自治体 | 必要な手続き |
|---|---|
| 大阪府 | 市町村に申し出て、捕獲者台帳に登録し、捕獲器の標識を受け取る |
| 福岡市 | 県のアライグマ防除講習会を受けるか狩猟免許を取り、県に従事者登録をする |
| 横浜市 | 捕獲許可等申請書と、捕獲場所が分かる図面を出す |
| 兵庫県 | 建物内の被害を防ぐ目的で、敷地内に限って許可を申請する |
各自治体の公式ページで確認しました(大阪府・横浜市・兵庫県は2026年8月、福岡市は2026年9月13日)。
福岡市のページには、市が無料で開く講習会が案内されています。日程と定員は市のページで確かめてください。
かんたんに言うと、「檻を借りればすぐ捕まえられる」わけではありません。手続きのあとに、檻の見回りも自分で続けることになります。
地域ごとの細かい条件は、大阪の害獣駆除はアライグマだけ手続きが違うと神戸市の害獣駆除は動物で窓口が変わるで扱っています。
自治体が引き受けるのは捕獲までで、侵入口の封鎖や片付けは含まれません。
京都市では、檻は原則として屋外に置かれます。当サイトが京都市の公開資料から整理した範囲では、天井裏からの追い出し、侵入口の封鎖、糞尿の清掃と消毒は自費です。追い出しに使う煙や木酢液を公的資料がどう書いているかは、アライグマ忌避剤は効く?にまとめました。
横浜市は逆に、屋根裏に入られている場合だけが委託業者の対象です。庭で見かけただけでは、市の罠設置の対象になりません。
自治体の対応に含まれるものと、自分で手配するもの
| 作業 | 自治体の対応に含まれるか |
|---|---|
| アライグマの捕獲 | 自治体による(上の9自治体の表を参照) |
| 天井裏からの追い出し | 京都市は自費と整理 |
| 侵入口の封鎖 | 京都市は自費と整理 |
| 糞尿の清掃と消毒 | 京都市は自費と整理 |
京都市の公開資料を当サイトが2026年8月に確認した内容です。ほかの自治体は、それぞれの窓口で確認してください。
ここからは編集部の判断です。捕まえても、入り口が開いたままなら別の個体が入ってきます。捕獲の相談と、封鎖の見積もりは並行して進めるのが現実的です。

市の檻は屋外だけ、市の罠は屋根裏だけ、と知って手が止まった人もいるはずです。ふさぐ場所と金額を先に見てもらうと、段取りが組めます。
市町村に電話する前に、4つを記録しておくと話が早く進みます。
環境省の「アライグマ防除の手引き」は、自治体が目撃や足跡、糞の情報を集める方法を挙げています。そのために「連絡先を決めて周知しておく方法が考えられます」と書いています。住民の記録は、自治体が生息を確かめる材料になります。
- 見た日時と場所
- 尾にしま模様があるか(アライグマにはあり、タヌキには無い)
- 足跡や糞の写真
- 屋根裏から音がするか
手引きによると、アライグマは踵まで地面につけて歩き、ヒゲは白く目立ちます。タヌキの尾は20cm以下で、しま模様がありません。
足跡と尾での見分け方は、タヌキとアライグマの違いは尾のリングで整理しています。
住んでいる区市町村です。東京都の防除実施計画では、捕獲を行う主体は区市町村と定められています。都の計画に入っているのは53区市町村のうち50です。自分の区市町村が入っているかは、東京の害獣駆除の記事で一覧にしています。
当サイトで調べた範囲では、害獣駆除の補助金を受け取るのは市町村の協議会で、個人ではありませんでした。自治体が住民に出すのは、現金ではなく檻の貸出や捕獲の役務です。詳しくは害獣駆除の補助金は市町村の「協議会」に出るで扱っています。
保護して連れ帰ることは、外来生物法の「運搬」と「保管」にあたります。第4条で禁止されており、販売目的でなくても第33条で1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金の対象です。住んでいる市町村に連絡してください。
環境省は、キャッチアンドリリースは外来生物法の規制対象にならないと書いています。ただし、そもそも捕まえるには鳥獣保護管理法の許可か、防除計画に基づく登録が必要です。別の場所まで運んで放すと、第32条で3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金の対象になります。
写真を撮って、日時と場所を記録し、住んでいる市町村に伝えてください。環境省の手引きは、自治体が足跡や糞の情報を集める方法を挙げています。アライグマは踵まで地面につけて歩くので、足跡の形で見分けがつくことがあります。
アライグマを見つけたら、連絡先は住んでいる市町村です。神奈川県は、捕獲は市町村が主体で、対応は市町村によって違うと書いています。
外来生物法の条文では、運ぶ・飼うことに1年以下の拘禁刑、野外に放すことに3年以下の拘禁刑が定められています。善意で山に返す行為が、いちばん重い罰則の側に入ります。
検索されている9自治体では、対応が「捕まえに来る」「檻を貸す」「許可を取って自分で捕まえる」に分かれました。福岡市は3つとも持ち、千葉県のページには見つけたときの手順が書かれていませんでした。
そして自治体が引き受けるのは捕獲までです。侵入口の封鎖と糞尿の片付けは、自分で手配することになります。
最後に、やることを3つに絞ります。
- 近づかず、日時・場所・尾の模様・足跡を記録する
- 住んでいる市町村に電話して、捕まえに来るのか檻を貸すのかを聞く
- 屋根裏に入られていたら、封鎖と清掃の見積もりを並行して取る

市町村に電話したあとで残るのが、自費になる封鎖と清掃です。金額を先に知っておくと、檻を借りるか業者に任せるかを選べます。

