害獣駆除は市役所の何課?政令市20市で環境の課が12市、市が捕まえるのは8市
天井裏で動物の足音がする。
業者を呼ぶ前に、市役所でどうにかしてもらえないか。そう考えて調べても、どの課に電話すればいいのかが分かりにくいですよね。
そこで、政令指定都市の20市について、市の公式ページを読みました。確認したのは2026年10月13日と14日です。
分かったのは、担当が「環境」の課である市が12市で、いちばん多いことです。市や市が頼んだ業者がわなを置く市は、20市のうち8市でした。
- 担当は環境の課が12市、農政の課が5市、保健や動物の施設が2市、区役所が1市。保健所は0
- 市や委託業者がわなを置くのは8市。わなを貸すのは7市。許可や案内だけの市は3市
- 市が動く相手は、ほとんどがアライグマとハクビシン。イタチやタヌキは対象外の市が多い
- 市が動いても、天井裏の掃除と入口をふさぐ作業は自分に残る

自分の市で動いてもらえない動物だった人、条件に合わなかった人は、天井裏を見てもらうところから頼めます。
電話する先は、環境の課であることが多いです。保健所ではありません。
20市の公式ページに書かれていた担当を、系統で分けました。
家に出る獣の担当の課(政令指定都市20市・2026年10月13日〜14日確認)
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| 系統 | 市の数 | 市と課の名前 |
|---|---|---|
| 環境の課 | 12 | 札幌市(環境共生担当課)、仙台市(環境共生課)、さいたま市(環境対策課)、千葉市(環境保全課 自然保護対策室)、横浜市(環境活動事業課)、相模原市(水みどり環境課)、新潟市(環境政策課)、静岡市(中山間地振興課・環境共生課)、浜松市(環境政策課)、堺市(環境共生課)、福岡市(自然共生課)、熊本市(環境政策課) |
| 農政・産業の課 | 5 | 名古屋市(都市農業課)、神戸市(農政計画課)、岡山市(区役所の農林水産振興課)、広島市(農政課 鳥獣対策担当)、北九州市(鳥獣被害対策課) |
| 保健・動物の施設 | 2 | 川崎市(動物愛護センター)、大阪市(動物管理センター分室) |
| 区役所 | 1 | 京都市(区役所・支所の地域力推進室 まちづくり担当) |
各市の公式ページの「お問い合わせ」に書かれていた課です。編集部が系統に分けました。浜松市は、アライグマが環境政策課、ハクビシンが林業振興課です。
かんたんに言うと、20市のうち保健所を窓口にしている市は0でした。
区役所が最初の窓口になる市もあります
市役所の課とは別に、区役所に相談する形の市があります。
- 仙台市:各区役所の区民生活課
- さいたま市:各区役所のくらし応援室
- 新潟市:各区役所の区民生活課
- 京都市:区役所・支所の地域力推進室
市役所の代表にかけるときは、「天井裏の動物のことで、捕獲について聞きたい」と伝えると、担当につながりやすくなります。
市がしてくれることは、3つの段階に分かれました。
家に出る獣について市がすること(政令指定都市20市・公式ページの記載)
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| 市がすること | 市の数 | 市 |
|---|---|---|
| 市や委託業者が、わなを置く・捕まえる | 8 | 札幌市、さいたま市、千葉市、横浜市、川崎市、相模原市、京都市、福岡市 |
| わなを貸す | 7 | 静岡市、浜松市、名古屋市、大阪市、堺市、神戸市、北九州市 |
| 許可や、対処の案内だけ | 3 | 仙台市、新潟市、広島市 |
| 家の被害についてのページが見つからなかった | 2 | 岡山市、熊本市 |
仙台市は、青葉区だけハクビシンとタヌキ用の箱わなを貸しています。岡山市と熊本市は、家の被害の扱いを書いたページを編集部が見つけられませんでした。対応していない、という意味ではありません。
かんたんに言うと、20市のうち15市は、わなを置くか貸すかのどちらかをしています。
わなを置く8市のうち、6市は東日本です
わなを置く8市は、札幌市、さいたま市、千葉市、横浜市、川崎市、相模原市、京都市、福岡市です。関東の5市と札幌市で6市になります。
わなを貸す7市は、静岡市、浜松市、名古屋市、大阪市、堺市、神戸市、北九州市です。7市とも、静岡県から西の市でした。
ここからは編集部の見立てです。東日本の市は「市が置く」、西日本の市は「貸すので自分で置く」という形に分かれています。理由を書いた資料は見つかりませんでした。住んでいる市がどちらの形かで、自分がやる作業の量が変わります。
市の書き方を並べます
市が置く形の例です。
委託した業者が庭先に檻を仕掛けたり、手捕りにより駆除しますので、動物愛護センターまで問合せください。それ以外の野生動物の駆除は行っていません。
※出典:川崎市「よくある質問 No.119080」(更新日2024年6月17日、2026年10月14日確認)
貸す形の例です。北九州市は、アライグマ用の小型の箱わなを貸しています。期間は1か月以内、数は1基、費用は無料で、餌代は借りた人が出します。先に捕獲の許可を受けることが条件です。
案内だけの例です。新潟市は、自分で追い払っても解決しないときに、協定を結んでいる一般社団法人 新潟県ペストコントロール協会を紹介すると書いています。
「害獣なら何でも」ではありません。動物と、してもらえる場合が決まっています。
わなを置く8市の条件を並べます。
市や委託業者がわなを置く8市の、対象と条件(公式ページの記載)
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| 市 | 対象の動物 | おもな条件 |
|---|---|---|
| 札幌市 | アライグマ | 最長1か月、年2回まで。見回りと餌は頼んだ人 |
| さいたま市 | アライグマ、ハクビシン | ハクビシンは家を汚されたなどの実害があるとき |
| 千葉市 | アライグマ、ハクビシン | 家に入り込む、敷地を荒らされるなどの生活被害。原則1か月 |
| 横浜市 | アライグマ、ハクビシン | 住居の中(屋根裏など)に入られた場合に限る。1人2週間まで、1年に1度 |
| 川崎市 | アライグマ、ハクビシン | 住宅への侵入などの生活環境被害 |
| 相模原市 | アライグマ、ハクビシン | ハクビシンは、個人の家屋に侵入しているものに限る |
| 京都市 | アライグマ | 檻は原則として屋外。天井裏からの追い出しは各自 |
| 福岡市 | アライグマ | 生活環境の被害がある人。無料。わなは屋外に置く |
出典は各市の公式ページです。札幌市「アライグマについて」、さいたま市「外来種(哺乳類)」、千葉市「ハクビシン・アライグマ用の箱ワナの貸出制度」、横浜市「野生動物による生活被害について」、川崎市「よくある質問」、相模原市「野生鳥獣の被害でお困りの人へ」、京都市「野生鳥獣・虫等に関する相談Q&A集」、福岡市「特定外来生物『アライグマ』について」。
かんたんに言うと、8市とも、対象はアライグマかハクビシンです。イタチ、タヌキ、コウモリを市が捕まえると書いた市はありませんでした。
横浜市は、今年度の受付を終えています
横浜市のページには、次の一文があります。
本事業は予算の上限に達したため、今年度の事業を終了いたしました。
※出典:横浜市「野生動物による生活被害について」(最終更新2026年9月16日、2026年10月14日確認)
しくみがあっても、年の途中で使えなくなることがあります。 札幌市も、年間に受け付ける数に上限があると書いています。電話したときに、いま受け付けているかを先に聞いてください。
目撃しただけでは、動いてもらえません
さいたま市は、ハクビシンについてこう書いています。
目撃や感情的理由のみによる捕獲はできません
横浜市も、庭を通り抜ける、庭やベランダにフンをされる、という場合は対象外としています。
市に電話する前に、次の3つを書き留めておくと話が早く進みます。
- 何がどこで起きたか(天井裏の足音、フン、食べられた物)
- いつからか、何時ごろか
- 動物を見たか。見たなら、尾や顔のもよう
動物の見分け方は、屋根裏の動物はどうすればいい?にまとめています。
相手の動物が分かっている人は、動物ごとの記事のほうが早く答えに着きます。
- アライグマ:アライグマを見つけたら市町村へ連絡。9つの自治体の対応を並べています
- ハクビシン:ハクビシン駆除は市役所に頼める?。市がしてくれること4つと、自分に残ること3つ
- イタチ:イタチ駆除は市役所でしてもらえる?。9市で、市が捕まえると書いた市は0
- コウモリ:コウモリ駆除を市役所は行いません。かわりに追い出し方が書かれています
ネズミは扱いが違います。家に出るネズミ3種は、捕まえるのに許可が要りません。くわしくは害獣駆除は「捕まえていいか」で手順が変わるに書いています。
市がするのは「捕まえる」までです。家の中の作業は入っていません。
札幌市は、わなの制度を説明したページで、こう書いています。
わなの購入や日々の管理が難しい場合や屋根裏のフン清掃・消毒などを希望される場合は、民間専門業者へご相談ください(自己負担)。
※出典:札幌市「アライグマについて」(更新日2026年3月31日、2026年10月14日確認)
京都市も、檻は屋外に置くので、天井裏からの追い出しは各自で、と書いています。
自分に残る作業を並べます。
- わなの見回りと、餌の補充(札幌市、千葉市、福岡市などが書いている)
- 天井裏のフンの掃除と消毒
- 入口をふさぐ
ここからは編集部の見立てです。1匹捕まえても、入口が開いていれば次の1匹が入ります。 市の制度は、入口をふさぐところまでは見てくれません。高い所や天井裏の作業が自分でできない人は、ふさぐ作業と掃除だけを業者に頼む、という分け方ができます。
浜松市は、ハクビシンについて「原則、市では捕獲、駆除等を行っておりません」と書き、専門業者への相談を勧めています。作業の費用は有料です。
この章でやることは3つです。
- 市の担当の課に、どの動物が相手か、いま受け付けているかを聞く
- 対象なら、わなを頼むか借りる。対象外なら、追い出しと封鎖を考える
- 掃除と封鎖が自分でできないなら、業者の見積もりを2社から取る

市がわなを置いてくれても、フンの掃除と入口の封鎖は残ります。屋根に近い入口は、ふさぐ作業だけでも頼めます。
調べた20市では、市や頼まれた業者がわなを置く市が8市、わなを貸す市が7市でした。対象はほとんどがアライグマとハクビシンです。天井裏の掃除や入口をふさぐ作業は、どの市も行いません。
20市のうち12市は、環境の課でした。農政や産業の課が5市、保健や動物の施設が2市、区役所が1市です。課の名前は市ごとに違うので、代表に電話して「天井裏の動物の捕獲について」と伝えてください。
20市の公式ページで、保健所を窓口にしている市はありませんでした。川崎市は動物愛護センター、大阪市は動物管理センター分室が窓口です。
相談はできます。ただし、市が動くのは対象の動物で、被害があるときです。さいたま市は、現地を確認したうえで被害の状況に応じて対応すると書いています。
福岡市は、委託業者によるアライグマの捕獲を無料で行うと書いています。北九州市の箱わなの貸出も無料で、餌代は借りた人が出します。料金を書いていない市もあるので、電話で確かめてください。
この記事で調べたのは、大きな20の市です。町や村では、役場の環境か農林の担当が窓口になることが多いと考えられます。対象の動物とわなの貸出があるかを、役場に聞いてください。
調べた20市のうち、害獣の担当が環境の課である市は12市でした。保健所を窓口にしている市は0です。
市や委託業者がわなを置く市は8市、わなを貸す市は7市でした。対象は、ほとんどがアライグマとハクビシンです。
市が捕まえてくれても、天井裏の掃除と入口をふさぐ作業は自分に残ります。
最後に、やることを3つに絞ります。
- 市の環境か農政の課に電話して、どの動物が相手か、いま受け付けているかを聞く
- 対象なら、わなを頼むか借りる
- 掃除と封鎖は、自分でやるか、業者に見積もりを頼む

入口は1か所とは限りません。家のまわりを一度見てもらうと、ふさぐ場所の数と、掃除が要る範囲が分かります。

