沖縄でネズミ駆除を頼む前に|県の外来種リストと、糞から始まる寄生虫
沖縄でネズミが出たとき、市役所に頼めるのかがまず気になります。
調べると、那覇市は捕獲器と超音波撃退器を貸してくれます。ただし駆除そのものは業者への相談を勧めています。
そしてもう1つ、沖縄には他県と違う事情がありました。
沖縄県の対策外来種リストに、家に出るネズミ3種がそろって載っています。
- 那覇市はねずみの捕獲器と超音波撃退器を貸し出す。駆除は業者へ案内
- 業者は沖縄県ペストコントロール協会(098-868-2289)から探せる
- 沖縄県の対策外来種リストで、クマネズミは最上位の「緊急対策外来種」
- ただし県が事業として取り組む哺乳類4種に、ネズミは入っていません
- 沖縄にはネズミの糞から始まる寄生虫がいる。国内52症例のうち35例が沖縄

「捕獲器を借りたが、どこに仕掛ければいいのか分からない」という人は、通り道を見てもらうところから始められます。
先に費用の話をします。
沖縄県と那覇市の公開資料を調べた範囲では、ネズミ駆除の相場を示している自治体は見つかりませんでした。
書かれているのは、相談の窓口と業者の探し方までです。
金額の目安が要るなら、全国の相場から見ることになります。
編集部が集計した目安では、ネズミ駆除は2万〜20万円と幅がありました。
幅が大きいのは、作業がふさぐ工事を含むかどうかで変わるためです。内訳はネズミ駆除の料金相場にまとめています。
沖縄だから高い、安いという公的な資料は確認できていません。
次に、行政に何を頼めるかです。
那覇市が行うのは助言と貸し出しまでです
那覇市は、ねずみの相談についてこう答えています。
ねずみや衛生害虫の対処方法の助言や、ねずみの捕獲器や超音波撃退器の貸出
※出典:那覇市「ねずみや衛生害虫などを駆除して欲しい場合は、どうしたらいいですか?」を2026年8月30日に確認
駆除そのものは、専門業者への相談を勧めています。
窓口は環境衛生課(098-951-1530)です。所管には「ねずみの防除」のほか、ゴキブリ・蚊・ハチの防除も入っています。
貸し出しの条件については、ページに書かれていませんでした。期間や対象が決まっている可能性があるので、借りる前に電話で確かめてください。ここは要確認として残します。
超音波撃退器は「貸してくれる」と「効く」が別の話です
那覇市が貸し出しているのは事実ですが、効果はまた別です。
国のテストでは、そもそも超音波が出ていない機械がありました。
詳しくはネズミ駆除の超音波は効果ない?に書いています。
借りられるからといって、それだけで解決するとは限りません。
業者は県の協会から探せます
那覇市は、駆除を頼む先として沖縄県ペストコントロール協会(098-868-2289)を挙げています。
協会は相談を受け付けています。
編集部の判断として書きます。協会に聞けるのは会員業者の連絡先までなので、金額と作業範囲は業者から直接出してもらうことになります。
ここからが、沖縄で調べて分かったことです。
家に出る3種が、そろって載っています
沖縄県は「沖縄県対策外来種リスト」を公表しています。
その哺乳類の欄に、家ネズミ3種がそろって入っていました。
沖縄県対策外来種リストに載っている家ネズミ3種(2026年8月30日確認)
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| 種 | 学名 | リストの区分 |
|---|---|---|
| クマネズミ | Rattus rattus | 緊急対策外来種 |
| ドブネズミ | Rattus norvegicus | 重点対策外来種 |
| ハツカネズミ | Mus musculus | 重点対策外来種 |
出典:沖縄県「沖縄県対策外来種リスト」(平成30年8月・令和3年3月更新)を2026年8月30日に確認
クマネズミだけが、最上位の「緊急対策外来種」でした。
ただし注意する点があります。この区分は沖縄県が独自に付けたものではありません。
リストの冒頭に、環境省の「生態系被害防止外来種リスト」での区分をそのまま用いると書かれています。
それでも県が動く対象には入っていません
同じリストには「重点対策種の選定理由」という章があります。
県が重点的に取り組む種を、理由つきで挙げているところです。
そこに載っている哺乳類は次の4種でした。
- ノネコ
- フイリマングース
- ニホンイタチ
- ニホンイノシシ(イノブタを含む)
ネズミ類は入っていません。
リストの区分では最上位に置かれているのに、県が事業として動く対象ではない。つまり家のネズミは、住んでいる人の側で対処することになります。外来種リストに載っていることを理由に、行政が捕りに来てくれるわけではありません。
捕まえるのに許可は要りません
家ネズミは、鳥獣保護法の対象から外れています。
そのため、捕獲に許可は要りません。外来種リストに載っていることと、捕獲の許可が要ることは別の話です。
法律の区分については害獣駆除は「捕まえていいか」で手順が変わるに書いています。
3種の見分け方は家に出るネズミの種類は3つにまとめました。
沖縄でネズミを放置できない理由が、もう1つあります。
ネズミが終宿主になる寄生虫です
沖縄県は「広東住血線虫Q&A」という資料を出しています。
成虫は、大きさ20〜34mmで、ドブネズミやクマネズミの肺動脈に寄生してそこで虫卵を産みます。孵化した幼虫(1期幼虫)は気管→食道→胃→腸を経て糞といっしょに外へ出ます。
※出典:沖縄県「これだけは知っておきたい 広東住血線虫Q&A」を2026年8月30日に確認
糞に出た幼虫は、そのままでは死にます。
ですがナメクジやマイマイと接触すると、その体内で感染力を持つ段階まで育ちます。
広東住血線虫の宿主(沖縄県の資料をもとに編集部が整理)
| 呼び方 | 何が当たるか |
|---|---|
| 終宿主 | 成虫が寄生するネズミ |
| 中間宿主 | 幼虫が育つナメクジ・マイマイ |
| 待機宿主 | 中間宿主を食べるカエル・陸棲プラナリア |
出典:沖縄県「これだけは知っておきたい 広東住血線虫Q&A」を2026年8月30日に確認
かんたんに言うと、ネズミの糞が出発点になっている、ということです。
国内の症例の3分の2が沖縄です
同じ資料に、報告数が書かれていました。
わが国では1970年に沖縄県ではじめて報告されて以来これまでに52症例が報告されていますが、そのうち35例(67%)は本県が感染地と推定されています。
※出典:沖縄県「これだけは知っておきたい 広東住血線虫Q&A」を2026年8月30日に確認
2000年6月に、沖縄で7歳の子どもが亡くなった例が1例あると記されています。
人への感染はマイマイやナメクジを生で食べたり、素手で触れたりした例があり、汚染された生野菜からの感染も報告されています。
家でやることは3項目|触らない・洗う・放置しない
資料が挙げている予防を、家の中の話に絞ります。
- マイマイやナメクジを素手で触らない。触ったら手を洗う
- 生野菜は流水で十分に洗う
- 畑まわりのビニールシートやダンボールを放置しない(マイマイやナメクジが多く観察される場所です)
ネズミの糞そのものの片づけ方はねずみのふんは大きさより場所で見ますに書いています。掃除機は使わないでください。
駆除そのものは頼めません。
那覇市が行うのは、対処方法の助言と、捕獲器・超音波撃退器の貸し出しまでです。駆除は専門業者への相談を勧めています。
条件はページに書かれていませんでした。
貸し出しを行っていること自体は市が明記しています。ただし期間や対象の条件は確認できなかったので、環境衛生課(098-951-1530)へ問い合わせてください。
要りません。
家ネズミは鳥獣保護法の対象から外れているため、捕獲に許可は不要です。沖縄県の対策外来種リストに載っていることと、捕獲の手続きは別の話になります。
県の資料が挙げているのは、ナメクジやマイマイを介した経路です。
生で食べたり素手で触れたりして感染した例、汚染された生野菜を食べて感染した例が報告されています。ネズミに直接触れてうつるとは書かれていません。
なお潜伏期は1〜2週間とされています。
沖縄の相場を示している自治体の資料は見つかりませんでした。
全国の目安では2万〜20万円と幅があります。幅が出るのは、ふさぐ工事が入るかどうかで変わるためです。
順番に確かめると、迷いが減ります。
- 住んでいる市が何を貸してくれるか。那覇市は捕獲器と超音波撃退器を貸す(条件は要確認)
- 業者をどこから探すか。沖縄県ペストコントロール協会(098-868-2289)
- 糞をそのままにしていないか。ネズミの糞は寄生虫の出発点になっている
外来種リストに載っていても、県がネズミを捕りに来ることはありません。動くのは住んでいる人の側です。
沖縄のシロアリ事情は沖縄のシロアリ駆除は種類が違うにまとめています。

「捕獲器を借りて置いてみたが、かからないまま日が過ぎている」という人は、通り道と入口を見てもらう段階です。

