沖縄のシロアリ駆除は種類が違う|非木造96.5%とダイコクシロアリ
沖縄でシロアリの話をすると、「うちはコンクリートだから」と返ってくることがあります。
実際、沖縄の住宅の96.5%は非木造です。鉄骨や鉄筋コンクリート造が大半を占めています。
ところが業界団体は、沖縄で家屋に被害を与えるシロアリとして4種を挙げています。しかもそのうち2種は、本土の記事にはあまり出てこない種類です。
ダイコクシロアリは、奄美大島より南にしかいません。沖縄のシロアリの話は、他県の情報がそのまま当てはまりません。
- 沖縄の住宅は木造3.5%、非木造96.5%(令和5年住宅・土地統計調査)
- それでも業界団体は、沖縄で家屋を加害する種として4種を挙げている
- うち2種は「乾材シロアリ」の仲間。ダイコクシロアリは奄美大島以南だけ
- 自分でやること:羽アリを見た月をメモしておく。沖縄は2月から10月まで報告がある

コンクリートの建物でも、室内には木の建具や家具があります。どこに木があるかは、住んでいる人でも把握しきれません。
沖縄でシロアリを考えるときの前提は2つあります。
沖縄の前提となる2つの数字
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| 何の数字か | 数字 | 出どころ |
|---|---|---|
| 非木造の住宅の割合 | 96.5% | 沖縄県の住宅・土地統計調査 |
| 家屋を加害するシロアリの種類 | 4種 | 日本しろあり対策協会 |
出典:沖縄県企画部統計課「令和5年住宅・土地統計調査 沖縄県結果の要点」および公益社団法人 日本しろあり対策協会「最新シロアリ情報 -沖縄編-」。2026年8月23日確認。
かんたんに言うと、構造の話と、シロアリの種類の話は別々に進んでいます。
「非木造だから被害が出ない」とも「非木造でも危ない」とも、この記事では断定しません。確かめられるのは、公表されている数字と種類までです。
シロアリ駆除そのものの進め方や費用の目安は、シロアリ駆除は自分でできる?費用の相場や信頼できる業者の選び方にまとめています。
単価が同じでも、処理する面積が違えば総額は変わります。
シロアリ駆除・予防の見積書に並ぶ主な項目
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| 項目 | 中身 | 金額への効き方 |
|---|---|---|
| 坪単価または㎡単価 | 処理する面積あたりの値段 | 単位が坪か㎡かで見え方が変わる |
| 処理する面積 | 1階の床面積が基準になることが多い | 延床ではない。ここで額が動く |
| 工法 | バリア(薬剤)かベイト(設置) | 工法で単価も保証も変わる |
| 保証 | 年数と、無料点検が入るか | 年数が延びると単価が上がる |
| 追加工事 | 床下換気・調湿材など | 別見積もりになることが多い |
編集部が過去に調べた各社の公表単価から整理した(2026年8月24日時点)。
かんたんに言うと、「坪いくら」だけでは総額は出ません。
実際に公表されている単価を並べると幅があります。1,320円/㎡(5年保証)と1,980円/㎡(10年保証)を出している会社があり、坪に直すと4,400円と6,600円です。別の会社は880円/㎡で、坪単価にすると約2,909円になります。
単位をそろえないと比べられません。㎡を坪に直す方法はキャッツのシロアリ駆除の料金と評判|880円/㎡は坪単価で約2,909円にまとめました。
面積の数え方はシロアリ予防費用は40坪でいくら?処理するのは1階部分だけですで扱っています。40坪の家でも、処理は1階部分だけということがあります。
要確認:沖縄の相場を公表している公的な資料は見当たりませんでした(2026年8月24日確認)。自宅の金額は、床下を見てもらわないと出ません。
比べる前に、条件をそろえておきます。
- 単価が坪あたりか㎡あたりか
- 処理する面積は1階の床面積か、延床か
- 工法はバリアかベイトか
- 保証の年数と、無料点検が入るか
- 見積書が概算か、確定した金額か
単位と面積の2つを先にそろえてください。この2つがずれていると、金額を並べても比べられません。
業者の選び方と保証の見方はシロアリ駆除は自分でできる?費用の相場や信頼できる業者の選び方にまとめています。
沖縄県が住宅の構造別の戸数を公表しています。
沖縄県の居住世帯のある住宅(2023年)
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| 構造 | 戸数 | 割合 |
|---|---|---|
| 総数 | 627,400戸 | 100.0% |
| 木造 | 21,700戸 | 3.5% |
| 非木造 | 605,700戸 | 96.5% |
出典:沖縄県企画部統計課「令和5年住宅・土地統計調査(令和5年10月1日現在)沖縄県結果の要点」(令和7年3月31日)。2026年8月23日確認。
かんたんに言うと、沖縄の住宅30戸のうち、木造は1戸あるかどうかです。
30年での動きも出ています。
構造別割合の30年間の推移
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| 年 | 非木造 | 木造 |
|---|---|---|
| 1993年 | 88.0% | 12.0% |
| 2023年 | 96.5% | 3.5% |
出典:同報告書。2026年8月23日確認。
8.5ポイント動いています。もともと非木造が多い県で、さらに割合が上がりました。
なお建て方も他県と違います。一戸建てが37.4%、共同住宅が60.9%です。共同住宅の割合は全国の44.9%より16ポイント高く、東京都に次いで全国2位でした。
同じ報告書に、見落としやすい一文があります。
特に、木造は、調査を開始した 1973 年(昭和 48 年)以降で、初めての増加となった。
※出典:前掲「令和5年住宅・土地統計調査 沖縄県結果の要点」。2026年8月23日確認。
かんたんに言うと、50年間ずっと減っていた木造住宅が、初めて増えました。
木造は2018年と比べて1,900戸(9.5%)増えて21,700戸になっています。
ただし割合は3.5%のままです。非木造も48,500戸増えているので、比率が上がったわけではありません。増えたのは戸数の話です。
ここは混同しないでください。「沖縄でも木造が主流になってきた」という話ではありません。
次に、シロアリの側を見ます。
業界団体である日本しろあり対策協会が、沖縄で確認されている種を挙げています。
コウシュンシロアリ、ダイコクシロアリ、カタンシロアリ、ヤマトシロアリ、タイワンシロアリ、タカサゴシロアリ、ニトベシロアリ、アメリカカンザイシロアリと多種に渡ります。
※出典:公益社団法人 日本しろあり対策協会「最新シロアリ情報 -沖縄編-」(平成28年掲載)。2026年8月23日確認。
そのうち家屋に被害を与えるのは4種だと書かれています。
沖縄で家屋に被害を与えるとされる4種
| 種類 | 備考 |
|---|---|
| イエシロアリ | 協会への情報提供は33件 |
| ヤマトシロアリ | 協会への情報提供は21件 |
| ダイコクシロアリ | 「乾材シロアリ」の仲間 |
| アメリカカンザイシロアリ | 「乾材シロアリ」の仲間 |
出典:同記事。沖縄県からの情報提供は合計74件と書かれています。これは協会に寄せられた情報提供の件数であって、県内の被害の総数ではありません。また掲載は平成28年(2016年)の記事です。2026年8月23日確認。
「乾材シロアリ」という呼び方は、協会の別のページに出てきます。
最近”乾材シロアリ”の仲間であるアメリカカンザイシロアリとダイコクシロアリの被害が増えてきています
※出典:公益社団法人 日本しろあり対策協会 シロアリQ&A「わが国で建築物を加害するシロアリの種類と分布を教えてください」。2026年8月23日確認。
同じページによると、日本には22種のシロアリが生息しており、主に建築物を加害するのはヤマトシロアリとイエシロアリです。そこへ乾材シロアリの2種が加わってきている、という書き方になっています。
ここからは編集部の判断です。非木造の建物にも、建具や家具など木でできた部分はあります。構造が木造かどうかと、室内に木があるかどうかは別の話です。
アメリカカンザイシロアリについては、横浜市の資料をもとにした記事があります。詳しくは横浜市のシロアリ駆除を読んでください。
4種のうち、沖縄で特に押さえておく種類があります。
協会のQ&Aに、種類ごとの分布が書かれています。
主な種類の分布
| 種類 | 分布 |
|---|---|
| ヤマトシロアリ | 北海道北部を除く日本全土 |
| イエシロアリ | 神奈川県以西の海岸線沿いの温暖地域、千葉県の一部、南西諸島、小笠原諸島 |
| ダイコクシロアリ | 奄美大島以南 |
出典:公益社団法人 日本しろあり対策協会 シロアリQ&A「わが国で建築物を加害するシロアリの種類と分布を教えてください」。2026年8月23日確認。
かんたんに言うと、ダイコクシロアリは本土にいません。
だからネットで見つかるシロアリの記事の多くは、この種類を想定していません。本土向けに書かれた対策の説明が、沖縄でそのまま当てはまるとは限らないということです。
なお、ダイコクシロアリの生態の詳しい説明は、協会のページには分布までしか書かれていませんでした。具体的にどこをどう食べるかは、この記事では扱えません。
「いつ気をつければいいか」の答えも、沖縄では他県と違います。
協会の沖縄編に、羽アリの情報が寄せられた期間が書かれています。
沖縄のヤマトシロアリの羽アリについて
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 羽アリの情報が寄せられた期間 | 2月〜10月(8か月間) |
| 沖縄県の年平均気温 | 23℃ |
| 平成28年に最初の情報が報告された日 | 1月29日 |
出典:公益社団法人 日本しろあり対策協会「最新シロアリ情報 -沖縄編-」(平成28年掲載)。2026年8月23日確認。
かんたんに言うと、1年のうち8か月にわたって羽アリの報告がありました。
本土では羽アリの季節は限られています。沖縄はその感覚が通じません。「春だけ気をつければいい」という考え方が当てはまらない県だ、ということです。
だから羽アリを見たら、月をメモしておいてください。飛んだ時期から種類を絞る方法は、シロアリの羽アリは飛んだ時期で種類が絞れるにまとめています。
沖縄には、本土の県にはない確認事項があります。
- 自宅の住所が対応エリアに入っているか。離島の場合はとくに先に聞く
- 乾材シロアリに対応できるか。ダイコクシロアリの施工実績があるか
- 建物が非木造の場合、どこを調べるのか。調査の範囲はどこまでか
1つ目が沖縄では最初に来ます。全国対応をうたう会社でも、沖縄が対象外のことがあります。離島を含めるとさらに絞られます。電話の最初に住所を伝えて確かめてください。
2つ目は種類の話です。沖縄には本土にいない種類がいるので、対応できるかを聞く意味があります。
3つ目は非木造の建物向けです。床下がない建物では、調べる場所が木造住宅と変わります。何をどこまで見るのかを、作業の前に聞いておきます。
なお「5年ごと」と言われたときの考え方は、シロアリ駆除は5年ごとに費用がかかる?にまとめています。業界の目安と、会社ごとの保証は別の話です。

沖縄は対応できる会社が本土より限られます。1社で断られても、別の会社なら受けられることがあります。
沖縄の住宅の96.5%は非木造です。ただし業界団体は、沖縄で家屋に被害を与える種として4種を挙げています。「非木造なら被害が出ない」と書かれた公的な資料は確認できませんでした。建物の中のどこに木があるかで話が変わるので、心配なら見てもらうのが確実です。
日本しろあり対策協会のQ&Aで「乾材シロアリ」の仲間として挙げられており、分布は奄美大島以南とされています。本土にはいません。生態の詳しい説明は、協会のページには分布までしか書かれていませんでした。
協会の資料によると、ヤマトシロアリの羽アリの情報は2月から10月までの8か月にわたって寄せられたと書かれています。平成28年には1月29日に最初の報告があったとされています。本土より期間が長いので、季節を決めつけないほうが確実です。
分かりませんでした。協会の記事にある74件は、協会に寄せられた情報提供の件数です。県内の被害の総数を示した統計は見つかりませんでした。
会社によります。「全国対応」と書いていても沖縄が対象外のことがあります。離島の場合はさらに限られます。電話の最初に住所を伝えて、対応できるかを確かめてください。
割合では減っています。1993年に12.0%だった木造が、2023年には3.5%になりました。ただし2023年は戸数では増えており、調査を開始した1973年以降で初めての増加でした。割合が上がったわけではありません。
沖縄のシロアリの話は、他県の情報がそのまま当てはまりません。
沖縄の住宅は96.5%が非木造です。木造は3.5%で、30年前の12.0%から下がりました。ただし2023年は戸数では増えており、1973年の調査開始以降で初めての増加でした。
それでも業界団体は、沖縄で家屋に被害を与える種として4種を挙げています。イエシロアリ、ヤマトシロアリ、ダイコクシロアリ、アメリカカンザイシロアリです。
うち2種は「乾材シロアリ」の仲間で、ダイコクシロアリは奄美大島以南にしかいません。本土向けに書かれた記事には出てこない種類です。
羽アリの季節も違います。協会の資料では、ヤマトシロアリの羽アリの情報が2月から10月まで寄せられていました。
最後に、やることを3つに絞ります。
- 羽アリを見たら、その月と場所をメモしておく
- 業者に電話するときは、最初に住所を伝えて対応エリアを確かめる
- 建物が非木造なら、どこを調べるのかを作業の前に聞く

羽アリを見た月をメモしてあれば、それを伝えるだけで話が進みます。写真があればさらに早くなります。

