ペットボトルで蜂は駆除できません|自治体10件が書いているのは「予防」です
庭に蜂が飛んでいて、ペットボトルで何とかならないかと調べ始めた人が多いと思います。
作り方を載せたページはたくさんあります。
ただ、その前に確かめておくことが1つあります。
トラップを案内している自治体は、どこも「駆除」とは書いていません。
この記事では、ペットボトルトラップを公開している自治体10件の資料を同じ項目で読み比べます。
- ペットボトルのトラップで巣は駆除できません。10件すべてが「巣を作らせない」と書いています
- 捕るのは春の女王蜂です。働き蜂の季節に仕掛けると、逆に呼び寄せます
- 10件が一致していたのは「6月にはやめる」だけ。始める月も中身もばらばらでした
- やること:巣があるかを見る → あるならトラップの出番ではない → 無いなら来年の春に仕掛ける

調べていたら、もう軒下に巣ができていた。そこで手が止まった人は、相手が何の蜂かを見てもらうところから始められます。
- ペットボトルで蜂は駆除できません|できるのは巣の予防だけです
- 自治体10件の資料を同じ項目で調べました
- 10件が一致していたのは「6月にはやめる」だけでした
- いま8月に仕掛けるのは危険です|集まるのは働き蜂です
- 始める月は3月上旬から4月中旬まで割れています
- 誘引剤は12通りありました。砂糖は10倍ひらきます
- 来年の春に仕掛けるなら|必要な道具と手順6つ
- 入り口の大きさを指定していたのは国の資料だけでした
- バルサンでも巣は片づきません|適用害虫に入っていても場所が合いません
- 巣ができているなら業者の話になります|電話前に見る4つ
- 蜂の駆除とペットボトルに関するよくある質問
- まとめ:仕掛けるなら春。いま巣があるなら別のことをする
先に答えを書きます。
ペットボトルのトラップで、蜂の巣を駆除することはできません。
トラップを案内している自治体10件を調べました。
「駆除できる」と書いていた自治体は0件でした。
かわりに書いてあるのは、次のような言い方です。
家の周辺に巣を作らせないようにする効果が期待できます
※名古屋市「ペットボトルでスズメバチトラップを作りましょう」(2026年8月26日確認)
女王蜂を駆除することで、営巣を未然に防ぐことができる場合があります
※志木市「ペットボトルトラップでスズメバチの営巣を防ぎましょう」(2026年8月26日確認)
かんたんに言うと、巣を作らせない道具であって、できた巣を消す道具ではありません。
いま巣が見えているなら、ペットボトルでは手が届きません。
ペットボトルトラップを公開している自治体を10件集めました。
仕掛ける時期と外す時期を、同じ項目で並べます。
ペットボトルトラップを案内している自治体10件の時期の指定(2026年8月26日確認)
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| 自治体 | 仕掛ける時期 | 外す時期 |
|---|---|---|
| 葉山町(神奈川) | 3月上旬〜4月中旬 | 6月 |
| 志木市(埼玉) | 3月〜5月頃 | 6月以降 |
| 防府市(山口) | 3月〜5月 | 6月以降 |
| 山口市(山口) | 3月〜5月頃 | 6月以降 |
| 東大阪市(大阪) | 3月下旬〜5月下旬 | 6月以降 |
| 名古屋市(愛知) | 4月〜5月 | 6月以降 |
| 宍粟市(兵庫) | 4月〜5月 | 6月 |
| 小田原市(神奈川) | 4月頃〜 | 5月末 |
| みやま市(福岡) | 5月まで | 6月以降 |
| 広島市(広島) | 記載なし | 記載なし |
各市の公式ページより。この10件は編集部が集めたもので、国や県がまとめた一覧ではありません
※広島市は仕掛ける時期を書かず、「6月以降は危険」とだけ書いています
10件のうち9件が、仕掛ける月を書いています。
その9件で月がそろっていません。
そろっていた項目は1つだけです。
6月には外す。この1点だけは、10件すべてが書いていました。
理由も同じでした。
6月以降は、女王バチに代わり働きバチが飛んでくるようになり、かえってスズメバチをおびき寄せることになりますので、トラップの設置はやめましょう。
※名古屋市(2026年8月26日確認)
6月以降は女王バチが巣から出なくなり、働きバチしか飛来しなくなります。ハチトラップを仕掛けておくとかえって働きバチをおびき寄せてしまい危険です
※葉山町「スズメバチトラップの作り方」(2026年8月26日確認)
かんたんに言うと、春は1匹しか来ないが、夏は群れで来るということです。
女王蜂は春に1匹で飛びます。働き蜂は数が増えます。
同じ道具でも、季節で意味が反対になります。
蜂の数が季節でどう変わるかは蜂の巣を放置するとどうなるかに月別でまとめてあります。
なお横浜市のように、トラップではなく防護服を無料で貸す市もあります。
この記事を8月に読んでいるなら、答えははっきりしています。
いまペットボトルを吊るしてはいけません。
10件すべてが「6月には外せ」と書いています。8月はその後です。
いま仕掛けると、集まってくるのは働き蜂です。
東大阪市は次のように書いています。
6月以降は女王バチに代わり働きバチが飛んでくるようになり、かえってスズメバチをおびき寄せてしまい刺される危険があります。
※東大阪市「スズメバチに巣を作られないために」(2026年8月26日確認)
宍粟市も、6月以降は「捕獲器に働きバチだけが多く集まってしまい大変危険」と書いています。
庭に蜂を集める装置になります。
いま蜂が飛んでいるなら、その蜂には巣があります。
夏に飛んでいる蜂は働き蜂なので、どこかに巣があるという意味になります。

春まで待てと言われても、いま飛んでいる蜂をどうにかしたい。そう思った人は、巣がどこにあるかを探してもらうところから始められます。
外す時期はそろっていましたが、始める時期は違いました。
いちばん早いのは葉山町の3月上旬です。
いちばん遅いのは名古屋市・宍粟市・小田原市の4月です。
仕掛け始める月で10件を分けたもの(2026年8月26日確認)
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| 始める月 | 自治体 | 件数 |
|---|---|---|
| 3月上旬 | 葉山町 | 1 |
| 3月 | 志木市・防府市・山口市 | 3 |
| 3月下旬 | 東大阪市 | 1 |
| 4月 | 名古屋市・宍粟市・小田原市 | 3 |
| 記載なし | 広島市・みやま市 | 2 |
みやま市は「5月まで」と終わりだけを書いています
1か月以上ひらいています。
理由は資料に書かれていません。要確認:月の差がどこから来ているかを説明した資料は、確認できていません。
考えられるのは、女王蜂が動き出す時期が土地の暖かさで変わることです。ただし、これは編集部の推測であって、各市が書いていることではありません。
自分の住む市がトラップの案内を出しているなら、その月に従うのが確実です。
外す時期も、小田原市だけは「5月末」と早めに切っています。
中に入れる液の作り方も、市ごとに違いました。
10件から拾えた配合は12通りです。
各自治体が公開している誘引剤の配合(2026年8月26日確認)
| 自治体 | 配合 |
|---|---|
| 名古屋市・防府市 | 酒300ml・酢100ml・砂糖125g |
| 志木市・宍粟市・みやま市 | 酒300ml・酢100ml・砂糖100g |
| 山口市 | 上記+ブドウの皮/焼酎とオレンジジュース1対1/乳酸菌飲料と水6対4 |
| 東大阪市 | 焼酎90ml・ぶどうジュース180ml・カルピス180ml・洗剤数滴 |
| 小田原市 | 果汁入り炭酸飲料1500ml・焼酎450ml・酢300ml・砂糖300g |
| 葉山町 | 水500ml・焼酎20ml・黒砂糖30g・酢10ml |
| 広島市 | 6通りを併記(酒:酢:砂糖=3:1:1 ほか) |
みやま市は「酒とオレンジジュースを1対1」も併記しています
いちばん多いのは酒・酢・砂糖の組み合わせで、10件中5件でした。
ただし砂糖の量が合いません。
葉山町は30g、小田原市は300g。10倍ひらいています。
小田原市はペットボトルの量そのものが違い、1500mlの炭酸飲料を使います。
かんたんに言うと、正解の配合は決まっていないということです。
酒・酢・砂糖で作る市が最も多い、というところまでが読み取れる範囲です。
10件の資料に共通していた作り方を、順番に並べます。
使う道具と材料を準備する
使うのは1.5リットルから2リットルのペットボトルです。
中身は自分の市が案内している配合に合わせてください。案内が無ければ、最も多かった酒・酢・砂糖で作ります。
側面にH型の切り込みを入れる
名古屋市は、側面3か所から4か所に縦横2センチのH型の切り込みを入れると書いています。
切ったら、上半分を外側へ、下半分を内側へ折ります。
上半分が雨よけの屋根に、下半分が蜂を出さないための返しになります。
入り口が広すぎると、入った蜂が出ていきます。
誘引剤を作って入れる
配合は前の章の表のとおりです。
環境省の資料は、ドライイーストを使う場合は設置の前日か当日に混ぜるよう書いています。発酵のにおいが早く飛ぶためです。
日陰の高さ2メートルに吊るす
置き場所には、10件のうち複数が同じことを書いていました。
- 庭木など、家から離れた樹木に吊るす
- 直射日光の当たらない日陰を選ぶ
- 高さは2メートル程度。子どもの手が届かない位置にする
- 人が通る場所から離す(葉山町は3メートル以上と書いています)
名古屋市は「軒下やベランダなど、建物に近い場所では、あまり捕獲できません」と書いています。
家に近づけるほど捕れなくなります。
作業そのものは、蜂が飛ばない時間にやります。宍粟市は「ハチが活動する日中を避け、早朝か日没後に行う」と書いています。
貼り紙をして、週に1回だけ見る
宍粟市は「危険!スズメバチ捕獲中」などの貼り紙をして、周りに知らせるよう書いています。
志木市は「週に1回はトラップを確認し、それ以外は近づかないこと」と書いています。
毎日のぞきに行く道具ではありません。
中身は2週間ほどで効きが落ちます。防府市も環境省も、交換の目安を2週間としています。
志木市は「2週間様子を見て、蜂が入らないようなら場所を変えてみる」と書いています。
6月になったら外す
10件すべてが書いている、唯一そろった手順です。
外すときも、素手では触りません。
死んだ蜂でも針で刺されます。宍粟市は軍手をして回収するよう書いています。
小田原市は「中のハチが死んでいることを十分確認の上、燃せるごみで処分してください」と書いています。
もう1つ、10件が誰も書いていない項目があります。
入り口の大きさです。
自治体の資料は「H型に切り込みを入れる」と書きますが、切り込みの大きさであって、蜂が通る穴の大きさではありません。
入り口の大きさを数字で決めているのは、環境省九州地方環境事務所の資料でした。
入り口の大きさは 12mm を超えないように注意してください。
理由も書かれています。
ツマアカスズメバチの脱出や大型の甲虫等の混獲の原因になります
※環境省九州地方環境事務所「参考3:住民配布資料」(2026年8月26日確認)
大きすぎると入った蜂が出ていく、そして蛾や甲虫が入って水面を埋めると書かれています。
かんたんに言うと、穴が大きいトラップは蜂が捕れません。
ただし、この資料の前提が違います。
この資料はツマアカスズメバチという特定外来生物を減らすためのもので、家の周りの営巣予防が目的ではありません。
配る相手も、防除の対象地域の住民です。
そのまま自宅に当てはめてよいとは書かれていないので、数字は参考として読んでください。
同じ資料には、刺されたときの手当ても書かれています。
- 患部をつまんで毒をしぼり出し、水で冷やす
- 抗ヒスタミン軟膏かステロイド軟膏を塗る
- アンモニアに効き目は無い
- めまいや息苦しさがあれば、安静にしてすぐ病院へ行く
「蜂に刺されたらアンモニア」は、国の資料が効かないと書いています。
ペットボトルの次によく出るのが、くん煙剤です。
ハチは適用害虫に入っています。バルサンDX煙(いやな虫用)の適用害虫を数えると28種あり、その中にハチがありました。
バルサンの適用害虫にハチが入っているか
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| 製品 | 適用害虫の数 | ハチ |
|---|---|---|
| バルサン 20g(第2類医薬品) | 7種 | 入っていない |
| バルサンDX煙 12-16畳用(いやな虫用) | 28種 | 入っている |
出典:レック株式会社の製品ページ。数は編集部が数えたもので、一覧はバルサンで屋根裏のネズミは駆除できませんにあります。2026年8月29日確認。
使えない場所に、巣のある場所が入っています
問題は場所のほうです。
公式は使用できない場所として天井裏・床下・車の中を挙げ、理由を「構造上煙がうまくいきわたりにくい」としています。詳しくはバルサンの使い方にまとめました。
蜂の巣ができるのは、軒下・天井裏・床下・戸袋・庭木です。室内を締め切って使う薬剤と、条件が合いません。
もうひとつ。公式によると、医薬品のくん煙剤が対象にできるのはゴキブリ、ダニ、ノミ、ハエ蚊、トコジラミ、イエダニの6つに限られています。ハチはこの6つに入っていません。
「くん煙剤で巣を駆除できる」と書いた公的資料は見つかりませんでした
自治体10件の資料を同じ項目で調べましたが、くん煙剤を勧めているものはありませんでした。
そして、煙で追い出そうとするのは刺激になります。この記事の後半で書いたとおり、働き蜂がいる時期に巣を刺激するのは危険です。
この章の結論
- ハチはバルサンDX煙の適用害虫28種に入っている
- ただし公式が使えないとする場所(天井裏・床下)と、巣のある場所が重なる
- 医薬品のくん煙剤が対象にできる6種にハチは入っていない
- 巣ができているなら、次の章の判断へ進む
ここまでを整理します。
ペットボトルは巣を作らせないための道具です。
巣が既にあるなら、別の話になります。
自分でやるかどうかの判断はハチ駆除は自分でできるかにまとめてあります。
市役所が動いてくれる場合もあります。ただし無料で駆除する市は少数派でした。
業者に頼む場合の料金表示の読み方は蜂の駆除業者はおすすめ順で選べないで説明しています。
大手の口コミを先に見たい場合はハチ110番の口コミと料金を検証にまとめてあります。
電話する前に、次の4つを見ておいてください。
- 巣がある場所(軒下・屋根裏・床下・木の中など)
- 巣の大きさ(こぶし大か、それより大きいか)
- 蜂の見た目(黄色と黒か、細長いか)
- 家族にアレルギーのある人がいるか
この4つが答えられると、見積もりの幅がそろいます。
なお、自治体はどこも「死んだ蜂でも針で刺されることがある」と書いています。
トラップの中身を捨てるときも、素手で触らないでください。

巣の場所は分かるけれど、近づいて大きさを測る気にはなれない。そこで止まっている人は、離れたところから見てもらうこともできます。
巣の駆除はできません。
トラップを案内している自治体10件を調べましたが、「駆除できる」と書いた市は0件でした。書かれているのは「巣を作らせない」「営巣を未然に防ぐ」という予防の効果です。
ペットボトルの側面にH型の切り込みを入れ、誘引剤を入れて木の枝に吊るす形が共通しています。
ただし誘引剤の配合は市ごとに違い、10件から12通り拾えました。最も多いのは酒300ml・酢100ml・砂糖100gから125gの組み合わせで、10件中5件でした。
その方法はありません。
トラップは飛んでいる蜂を誘って捕るもので、巣に届く道具ではありません。志木市は「巣ができてしまった時」は市へ連絡するよう案内しています。
やめてください。
調べた10件すべてが「6月には外す」と書いています。6月以降は働き蜂が飛ぶため、仕掛けると蜂を集めることになります。東大阪市は「刺される危険があります」と書いています。
市によって違います。
葉山町は3月上旬、志木市・防府市・山口市は3月、東大阪市は3月下旬、名古屋市・宍粟市・小田原市は4月と書いています。自分の住む市がトラップの案内を出しているなら、その月に従ってください。
ペットボトルのトラップで蜂の巣は駆除できません。
案内している自治体10件はすべて、巣を作らせないための道具として説明していました。
10件が一致していたのは「6月には外す」だけで、始める月も誘引剤の配合もばらばらでした。
やることは次の順番です。
- いま巣が見えているかを確かめる
- 見えているなら、トラップではなく駆除の話に切り替える
- 見えていないなら、来年の3月から4月に仕掛ける
- 6月になったら必ず外す

春まで待つのか、いま動くのか。そこを決めかねている人は、金額の目安を先に聞いてから決めることもできます。

