長野県のシロアリ駆除|県の資料は標高1,200mまで生息と書いています
長野は寒いから、シロアリはいない。
そう考えている方は多いと思います。
ですが長野県の資料には、県内にシロアリがいると書かれています。
しかもどこまでいるかを、標高の数字で示しています。
この記事では2026年8月25日に長野県と気象庁の公開情報を確認し、その数字を整理しました。
- 長野県林業総合センターの資料は、県内のシロアリ被害はヤマトシロアリによるもので、標高1,200mぐらいまで生息していると推定されると書いている
- 県内の気象庁の観測地点45か所のうち、1,200mを超えるのは7か所。いずれも山・高原・観光地
- 人が暮らしている場所は、ほぼすべてが生息の範囲に入る
- やること:床下の土台と柱の下を見る → 業者に工事の範囲を聞く → 見積もりを比べる

標高の話を読んで、それならうちの床下はどうなのかと気になった方もいると思います。
県の資料が、生息の上限を数字で示しています。
長野県林業総合センターの資料「ヤマトシロアリの生態と防除について」(林産部・奥村)には、次のように書かれています。
長野県下のシロアリによる被害はヤマトシロアリによるもので標高的には1,200mぐらいまで生息していると推定されます
同じ資料は、日本にいる建物を加害するシロアリを2種としています。
ヤマトシロアリは全国的に分布し、イエシロアリは「神奈川以西の温暖な海岸地帯に多く分布」するとされています。
つまり長野で相手になるのはヤマトシロアリです。
1,200mを超える場所に、人はほとんど住んでいない
では県内のどこが1,200mより上なのか。
気象庁が長野県内に置いている観測地点45か所の標高を並べたところ、1,200mを超えていたのは7か所でした。
長野県内の主な地点の標高(気象庁アメダス)
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| 地点 | 標高 | 1,200mとの関係 |
|---|---|---|
| 御嶽山 | 2,195m | 超える |
| 上高地 | 1,510m | 超える |
| 白樺湖 | 1,440m | 超える |
| 野辺山 | 1,350m | 超える |
| 菅平 | 1,253m | 超える |
| 軽井沢 | 999m | 下 |
| 諏訪 | 760m | 下 |
| 松本 | 610m | 下 |
| 長野 | 418m | 下 |
| 飯山 | 313m | 下 |
気象庁のアメダス地点情報をもとに編集部が整理(2026年8月25日確認)。県内45地点のうち1,200m超は7地点。
かんたんに言うと、1,200mを超えていたのは山と高原と観光地だけでした。
避暑地として知られる軽井沢でも999mで、上限には届きません。
ここからは編集部の判断です。県内で人が暮らしている土地は、ほぼすべてが生息の範囲に入ります。
「寒いから大丈夫」という前提は、県の資料の側からは支持されていません。

標高の話は、裏を返すと「うちは高いから平気」と言える人がほとんどいない、ということです。
見るのは風呂場と便所の床下
同じ資料は、県内で実際に見つかった場所も書いています。
県下で解体された住宅をみると、風呂場、便所等の床下の土台、柱下部にヤマトシロアリの食害が多く見られます
解体した住宅を見た結果という書き方なので、住んでいる間は気づかれていなかったことになります。
理由は種類の違いにあります。
資料によると、ヤマトシロアリは水を運ぶ能力がないため、被害は建物の下部の、多湿で腐りやすい場所に限られます。
いっぽうイエシロアリは天井裏まで蟻道を伸ばして水を運び、乾いた梁や桁まで食害するとされています。
長野で見るべき場所が床下に絞られるのは、この差によります。
なお資料は、被害を受けた木材について「たたくと空洞音がします」と書いています。
羽アリを見て種類を絞る方法はシロアリの羽アリは飛んだ時期で種類が絞れるにまとめています。
県の資料は、駆除を業者に頼むよう書いています。
被害を受けた建物の駆除法として、資料は穴をあけて薬剤を注入する穿孔法を挙げ、そのうえでこう続けます。
一般の人々では薬剤使用の上から無理ですから専門業者に頼む必要があります
薬剤を扱う工程があるため、自分でやる前提では書かれていません。
見積もりを取るときは、次を確認してください。
- 処理する範囲は建物のどこまでか。床下だけか、玄関や浴室まわりを含むか
- 薬剤の名前と、その薬剤の有効期間
- 保証は何年で、再発したときに何をしてもらえるのか
- 床下に入れない場所があった場合、どう扱うのか
- 見積もりが概算か、確定した金額か
2つ以上の会社から取ってください。1社だけでは、その金額が高いのか安いのかを判断できません。
訪問してきた業者にその場で契約しない、という点も大切です。この点は大阪のシロアリ駆除業者の選び方で扱っています。

上の5項目を電話で全部聞くのは大変です。床下を見てもらう日を決めて、その場で1つずつ確認するほうが早く済みます。
金額の話に移ります。
要確認:長野県がシロアリ駆除の費用の目安を示している資料は見当たりませんでした(2026年8月25日確認)。
県の資料が費用に触れているのは、新築・改築のときに基礎を高くしておくと予防になる、という部分までです。
つまりいくらかかるかは、業者の見積もりでしか分かりません。
編集部が調べた範囲では、シロアリ駆除の費用は1坪あたり5,000円〜1万円が目安でした。
内訳と、坪数ごとの総額は一軒家の害虫駆除費用にまとめています。
予防だけを頼む場合の考え方はシロアリ予防費用は40坪でいくら?にあります。
薬剤の有効期間が切れたあとの扱いはシロアリ駆除は5年ごとに費用がかかる?で扱っています。
同じ資料には、木の種類ごとの強さの表も載っています。
シロアリに対する抵抗性を4段階に分けたものです。
樹種によるシロアリへの抵抗性
| 抵抗性 | 樹種 |
|---|---|
| 強い | ヒバ、コウヤマキ、ビャクシン、トドマツ、イス、タブ、カシ、イヌマキ |
| やや強い | スギ、モミ、ヒノキ、ツガ、エゾマツ、クス、サクラ、クリ、カツラ、ブナ、ケヤキ |
| 弱い | シラベ、ベイツガ、ニレ、ナラ、セン、ラワン |
| はなはだ弱い | アカマツ、クロマツ、カラマツ、ベイマツ、ラジアータパイン、ヤナギ |
長野県林業総合センターの資料による(原典は「大農テクニカルノート技術策」No.56 P7)。
最も弱い区分に、アカマツとカラマツが入っています。
この2つは、長野の森でとりわけ多い木です。
長野県の「令和4年 民有林の現況」で、立木地668千haの内訳を見てみます。
カラマツが178千ha(27%)、アカマツが91千ha(14%)でした。
合わせて41%になります。
ただし、これは森にある木の割合です。家に使われている木の割合ではありません。
要確認:長野県の住宅にどの樹種が使われているかを示す公的な統計は見当たりませんでした(2026年8月25日確認)。
ここからは編集部の判断です。言えるのは、県の表で「強い」とされたヒバやイヌマキが、長野の森の主要な樹種には入っていないということまでです。
自宅の土台に何が使われているかは、図面か、床下を見た業者にしか分かりません。
予防の話になると、資料の順番が変わります。
薬剤の説明より前に、建物の作りについて書かれています。
資料は、床の高さを地面から床の上面まで45cm以上とする建築基準法の規定を紹介しています。
これは基礎の高さがおおむね30cm以上になることを意味する、と説明されています。
そのうえで、新築や改築のときに基礎の高さをできるだけ高くすることが予防に有効だとしています。
もう1つ挙げられているのが、床下の換気孔を大きくするなどして通風と採光を図ることです。
いずれも薬剤ではありません。
かんたんに言うと、シロアリが好む暗くて湿った床下を作らない、という考え方です。
行政に頼めるかどうかを整理します。
長野県にも県内の市町村にも、住宅のシロアリを駆除する制度はありません。
シロアリは住まいの木材の問題として扱われるため、行政が費用を負担する枠に入っていません。
そのうえで、行政が受け付けているものが2つあります。
1つは契約のトラブルです。
床下を無料で点検すると言って訪問し、不安をあおって契約を迫る手口は、長野県も注意を呼びかけています。
相談先は長野県消費生活センター(0263-40-3660/平日8:30〜17:00)です。
局番なしの188にかけると、郵便番号から最寄りの窓口につながります。
もう1つは業者の紹介です。
長野市の場合、長野市保健所食品生活衛生課(026-226-9970)が害虫駆除業者の紹介を受け付けています。
※長野市の公開情報による(2026年3月18日更新の記載を2026年8月25日に確認)。市が駆除そのものを行うわけではありません。
紹介を受けても、費用は自分で払います。
います。
長野県林業総合センターの資料は、県内のシロアリ被害をヤマトシロアリによるものとしています。標高1,200mぐらいまで生息していると推定される、という書き方です。県内の気象庁の観測地点で1,200mを超えるのは45か所中7か所で、いずれも山や高原にあります。
県内では、あてはまる住宅地がほとんどありません。
避暑地として知られる軽井沢でも標高999mで、資料が示す1,200mには届きません。県内の市街地は300〜800m台に集まっています。
風呂場と便所の床下です。
県の資料は、解体された住宅で風呂場、便所等の床下の土台と柱下部に食害が多く見られたと書いています。ヤマトシロアリは水を運べないため、被害は建物の下部の湿った場所に限られます。
県の表では、カラマツは最も弱い区分に入っています。
ただし、これは木の性質を示したものです。自宅の土台に何が使われているかは図面か、床下を見た業者でなければ分かりません。防蟻処理をした木材かどうかでも変わります。
まず種類を確かめてください。
県の資料によると、ヤマトシロアリの羽アリは体長4.5〜7.5mmで黒褐色です。飛ぶのは4〜5月頃の雨上がり、暖かい晴天日の午前10〜12時頃とされています。クロアリの羽アリとの見分け方は関連記事にまとめています。
長野県のシロアリは、県の資料が生息の範囲を示しています。
上限は標高1,200mぐらいまでとされ、県内で人が暮らす土地はほぼその内側にあります。
見る場所は風呂場と便所の床下で、解体して初めて分かった例が多いと書かれています。
予防として資料が先に挙げているのは、薬剤ではなく基礎の高さと床下の換気でした。
そして駆除については、薬剤を扱うため専門業者に頼む必要があるとしています。
やること
- 風呂場と便所の床下、土台と柱の下を見る
- たたいて空洞音がしないか確かめる
- 業者に処理の範囲・薬剤・保証年数を聞く
- 2社以上から見積もりを取る

床下は自分で見に行きにくい場所です。図面が手元にない方は、点検の日に立ち会って、どこを見たのかを聞いておくと次に頼むときの材料になります。

