シロアリ予防費用は40坪でいくら?処理するのは1階部分だけです
自宅は40坪だから、坪単価をかければ費用が出る。そう考えて計算した金額を持って、見積もりを取ろうとしている方は多いと思います。
ところが、その40坪がそのまま計算に使われるとは限りません。
シロアリ予防で薬剤を処理するのは、家全体ではないからです。業界の標準ルールは、処理の対象を原則として1階部分と定めています。
この記事では、業界団体が出している仕様書を実際に読み、40坪の家が何坪として計算されるのかを整理します。
- シロアリ予防で処理するのは、業界の仕様書で原則1階部分と定められています
- 延床40坪の総2階建てなら、1階の床面積は20坪前後になります
- 単価6,600円/坪の会社で計算すると、40坪で264,000円、1階20坪で132,000円です(編集部の計算)
- やること:1階の床面積を確かめる → 見積もりで面積の出し方を聞く → 2社以上で比べる

自宅が何坪として計算されるのか分からないまま、金額だけ調べている方もいると思います。
延床の坪数と、工事で計算される坪数は別のものです。
まず単位を確かめます。1坪は約3.3平方メートルです。正確には3.305785平方メートルなので、40坪は約132.2平方メートルにあたります。
ここでいう40坪は、多くの場合延床面積です。1階と2階を足した広さのことを指します。
シロアリ予防で処理するのは、その全部ではありません。床下と1階部分が中心になります。
建物の形で、計算される坪数が変わります
同じ延床40坪でも、家の形によって1階の広さは変わります。
延床40坪の家の1階床面積の目安
| 建物の形 | 1階床面積の目安 |
|---|---|
| 総2階建て(1階と2階が同じ広さ) | 約20坪 |
| 1階が広い間取り(2階が小さい) | 20坪より大きい |
| 平屋 | 40坪 |
延床面積40坪を前提とした目安です。実際の面積は建物ごとに違います。
かんたんに言うと、同じ40坪でも平屋と2階建てで金額が変わります。
ここからは編集部の判断です。「40坪だから◯円」という計算は、建物の形を確かめないと成り立ちません。平屋の方は、2階建て向けの相場をそのまま当てはめると安く見積もりすぎます。
シロアリ防除には、業界団体が作った施工の標準ルールがあります。
公益社団法人日本しろあり対策協会が出している防除施工標準仕様書です。令和7年10月版が公開されています。
この仕様書には、どこに薬剤を処理するかが書かれています。新築の予防と、既存の建物の駆除で、それぞれ条文があります。
新築の予防について
木材処理は、原則として 1 階部分の外壁や床組に使用されている木材を対象とする。ただし、2 階以上であっても水場廻り、結露等の理由により、しろありの被害及び腐朽のおそれのある場合は特記による。
すでに建っている家の駆除について
木材処理は、原則として 1 階部分に使用されている木材を対象とする。ただし、2 階以上であっても被害がある箇所に対しては必要な処理を行う。
(いずれも公益社団法人日本しろあり対策協会「防除施工標準仕様書」令和7年10月版/2026年8月24日確認)
かんたんに言うと、予防でも駆除でも、対象は原則1階部分です。
床組についても1階と書かれています
処理する部材の名前も、条文に並んでいます。
新築の予防では、床組について次のように書かれています。
④ 床組では、1 階部分の土台、大引、根太、根太掛、床束、根搦みを処理する。
既存の建物の駆除では、こう書かれています。
③ 床組では 1 階部分の大引、根太、根太掛、床束及び床下から処理できる土台、通し柱、管柱、間柱、筋かいの下部に対して吹付又は塗布処理を行い、必要に応じて穿孔注入処理を行う。
防除施工標準仕様書が定める処理の対象(2026年8月24日確認)
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| 区分 | 対象 | 2階以上の扱い |
|---|---|---|
| 新築の予防 | 原則として1階部分の外壁や床組の木材 | 水場廻り、結露等の理由で被害や腐朽のおそれがある場合は特記による |
| 既存建物の駆除 | 原則として1階部分の木材 | 被害がある箇所には必要な処理を行う |
公益社団法人日本しろあり対策協会「防除施工標準仕様書」令和7年10月版を2026年8月24日に確認。
「原則として」と書かれている点に注意してください。2階を一切やらないという意味ではありません。水回りや結露のある場所、被害が出ている場所は対象になります。
なお同じ仕様書には、施工後の再処理についての記述もあります。何年ごとに費用がかかるのかは同じ仕様書が書く5年ごとの再処理で扱っています。
木材だけでなく、床下の土にも薬剤を処理します。
シロアリは土の中から床下へ上がってきます。そのため予防では、木材への処理と土壌への処理を組み合わせます。
仕様書は、土に処理する範囲もはっきり定めています。
新築の予防について
土壌処理は、建築物の基礎に囲まれた床下の土壌を対象とする。ただし、玄関、勝手口等のコンクリートで覆われた部分は、建築物の一部と見なす。
すでに建っている家の駆除について
土壌処理は、建築物の基礎に囲われた土壌を対象とする。ただし、建築物外辺部分の玄関ポーチ、勝手口、犬走り等のコンクリートで覆われた部分の土壌は、建築物の基礎に囲われた土壌と見なして、処理を行うことができる。
(いずれも公益社団法人日本しろあり対策協会「防除施工標準仕様書」令和7年10月版/2026年8月24日確認)
かんたんに言うと、基礎に囲まれた床下が基本で、玄関ポーチなどが足されることがあります。
令和7年10月版で書き方が変わりました
仕様書の冒頭には、改訂の理由が書かれています。
土壌処理において、従来より建築物の外周部基礎に囲まれた床下の土壌を対象とする旨を明記している。しかしながら、玄関ポーチ、勝手口、犬走りなど外周部基礎外辺部のコンクリートで覆われた部分はシロアリの侵入の恐れの高い部位であることから、必要に応じて、建築物の一部と見なして土壌処理を行えることを但し書きとしてきた。この部分について、わかりやすくするために表記を改めた。
玄関ポーチや犬走りがシロアリの侵入のおそれが高い部位とされている点に注目してください。
ここからは編集部の判断です。見積もりの面積が想定より広いとき、こうした部分が足されている可能性があります。「なぜこの坪数なのか」を聞けば、内訳が分かります。
なお駆除の場合、土壌注入という方法を使う箇所は限定されています。仕様書は「既存建築物の玄関及びポーチ、勝手口、犬走り、トイレ、浴室のコンクリートやタイルで覆われた部分の土壌に限定し、その他の箇所への土壌注入処理は行わない」と定めています。
薬剤の量も決まっています
処理する面積が金額に効く理由は、薬剤の量が面積で決まるためです。
仕様書は散布量を次のように定めています。
- 帯状散布法:壁際から20センチ幅で処理し、処理長1メートル当たり1リットル
- 面状散布法:1平方メートル当たり3リットル
面積が広がれば、使う薬剤の量もそのまま増えます。坪単価で計算する会社が多いのは、この関係があるためです。
面積の出し方は、仕様書が定めていません。
調査の方法:防除施工標準仕様書のPDF全43ページを対象に、語句を検索しました。2026年8月24日に実施しています。
結果は次のとおりです。
- 「床面積」…0件
- 「階」…9件(うち「1階部分」を含む条文が複数)
かんたんに言うと、仕様書は「どこを処理するか」を決めていて、「何坪として計算するか」は決めていません。
仕様書の役割は、施工の標準を示すことです
ここからは編集部の判断です。
仕様書は、薬剤の量や処理する部材、工法の手順を定めた技術の文書です。価格の算定方法は、もともと守備範囲の外にあります。
だから見積もりの坪数をどう出すかは、各社が決めることになります。
実務では「1階床面積」が使われています
では実際にどう計算されているのか。料金表を公開している会社の注記を見ると分かります。
株式会社サンキョークリーンサービスの料金表には、次の条件が書かれています。
1階床面積が10坪に満たない場合は、10坪での一律料金計算
(株式会社サンキョークリーンサービス「シロアリ駆除 料金表」/2026年8月24日確認)
「1階床面積」と明記されています。延床面積ではありません。

延床40坪のつもりで金額を用意していると、見積もりが想定と食い違うことがあります。
測る場所が変わると、金額は倍近く動きます。
単価を公表している3社について、2通りで計算しました。1つは延床40坪をそのまま40坪として計算した場合、もう1つは総2階建てを想定して1階20坪で計算した場合です。
なお平方メートル単価の会社は、1坪=3.305785平方メートルとして坪単価に直しています。単位の換算についてはキャッツの880円/㎡と坪単価への換算で詳しく扱っています。会社による価格差は生協10件の価格差にまとめてあります。
公表単価を40坪と1階20坪で計算した場合(編集部計算・2026年8月24日確認)
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| 会社 | 公表単価 | 坪単価へ換算 | 40坪で計算 | 1階20坪で計算 | 差 |
|---|---|---|---|---|---|
| 株式会社サンキョークリーンサービス(予防) | 6,600円/坪(税抜) | 6,600円/坪 | 264,000円 | 132,000円 | 132,000円 |
| 株式会社キャッツ | 880円/㎡〜(税込) | 約2,909円/坪 | 約116,360円 | 約58,180円 | 約58,180円 |
| 生活協同組合コープランド東京 | 1,320円/㎡ | 約4,364円/坪 | 約174,560円 | 約87,280円 | 約87,280円 |
この計算は編集部が公表単価から行ったものです。各社が40坪や20坪の金額として公表しているわけではありません。サンキョークリーンサービスは税抜、キャッツと生協は税込の表示です。キャッツの単価は「〜」が付いた下限額です。
かんたんに言うと、同じ家でも測る場所で金額が2倍変わります。
3社の単価そのものにも差があります
坪単価に直すと、2,909円から6,600円まで開きます。
同じ40坪で計算しても、11万円台から26万円台まで幅が出ることになります。単価が2倍以上違うためです。
ここからは編集部の判断です。この差は、含まれる作業や保証の中身が違うことによる可能性があります。単価だけを並べて安い高いを決めるのは早すぎます。
なお税込か税別かも会社で違います。比べるときは、どちらかにそろえてください。
図面か登記の書類があれば、電話する前に分かります。
1階の床面積が書かれている資料は、次のものです。
- 建築確認申請書と設計図面(求積図に階ごとの面積がある)
- 登記事項証明書(表題部に階ごとの床面積が載る)
- 固定資産税の課税明細書
- 住宅を買ったときの重要事項説明書
要確認:登記に載っている床面積と、シロアリ工事で使う面積が一致するとは限りません。バルコニーや玄関ポーチの扱いが変わることがあり、業者が実測する場合もあります。
手元に資料がないとき
書類が見つからない場合は、外周を測る方法があります。
1階の外周を歩いて、縦と横の長さをメートルで測ります。掛け算した数字を3.3で割ると、おおよその坪数が出ます。
たとえば縦9メートル、横7.5メートルなら67.5平方メートルです。3.3で割ると約20坪になります。
あくまで目安です。張り出しや凹みがある家では合いません。正確な数字は調査のときに業者が測ります。
電話する前にやること
- 図面か登記事項証明書で、1階の床面積を確かめる
- 建物が総2階建てか、平屋か、1階が広い形かを把握する
- その数字を伝えたうえで、見積もりを頼む
最初に1階の面積を伝えると、話が早く進みます。電話口での概算も出しやすくなります。
金額を比べる前に、頼み先を確かめておきます。
シロアリ予防の頼み先
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| 頼み先 | できること | 費用 |
|---|---|---|
| 民間の業者 | 床下の調査、薬剤処理、保証 | かかる |
| 自治体 | 予防の施工は行わない(相談や注意喚起まで) | ― |
| 自分 | 床下の点検、湿気の管理 | ― |
編集部が過去に調べた自治体の公開ページと業者の記載から整理した(2026年8月24日時点)。
かんたんに言うと、床下に薬をまく作業は、業者に頼むことになります。
自治体がシロアリの予防施工をしている例は、編集部が調べた範囲では見当たりませんでした。市区町村がしているのは、相談を受けることと業者の団体を案内することまでです。
賃貸に住んでいる場合は、負担する人が変わることがあります。建物の維持にあたる工事なので、契約前に管理会社へ確認してください(要確認)。
業者の選び方と保証の見方はシロアリ駆除は自分でできる?費用の相場や信頼できる業者の選び方にまとめています。
単価より先に、何を測った坪数かを確かめます。
坪単価が安くても、延床面積で計算されていれば総額は高くなります。単価と面積は必ずセットで見てください。
見積書を受け取ったら、次の5つを確認してください。
- その坪数は延床面積か、1階床面積か、床下の実測か
- 坪単価か平方メートル単価か
- 税込か税別か
- 最低坪数の決まりがあるか
- 単価に何が含まれるか(薬剤・作業・保証・点検)
1つずつ、何を見るかを説明します
測った場所が最初の確認点です。同じ家でも延床と1階床面積では倍近く違います。見積書に「40坪」とだけ書かれていたら、何の40坪かを聞いてください。
単価の単位は、比べるときにそろえます。坪単価の会社と平方メートル単価の会社が混ざるので、1坪=約3.3平方メートルで片方に直します。
税込か税別かも会社で分かれます。前の章で見た3社も、税抜表示と税込表示が混ざっていました。
最低坪数は小さい家で効いてきます。1階床面積が10坪に満たない場合は10坪で計算する、という条件を持つ会社があります。平屋や小さい家では確認が要ります。
単価に含まれる範囲は総額を左右します。床下の清掃や点検口の設置が別料金になることがあります。保証と点検が単価に入っているかも聞いてください。

5項目を読んで「うちは何坪で出されるのか」が気になった方は、実際に測ってもらうところから始められます。
単価と計算に使う坪数で決まるため、一律の金額はありません。単価6,600円/坪の会社で40坪として計算すると264,000円、1階20坪として計算すると132,000円です(編集部が公表単価から計算)。まず自宅の1階床面積を確かめてください。
読者が「40坪の家」と言うときは延床面積を指すことが多いのですが、見積もりは1階床面積で出ることがあります。料金表を公開している会社の注記にも「1階床面積」と明記されている例があります。見積書の坪数が何の面積かは、必ず確認してください。
平屋は1階床面積が40坪になるため、総2階建てより計算上の坪数が大きくなります。同じ延床40坪でも、平屋のほうが金額は上がる計算です。ただし床下の状況や施工のしやすさでも変わるため、実際の見積もりで確認してください。
違います。料金表を公開している会社の例では、予防が6,600円/坪、駆除が7,700円/坪と単価が分かれていました(税抜・2026年8月24日確認)。被害が出ている場合は駆除の単価になります。
金額だけでは判断できません。計算に使った面積、単価に含まれる作業、保証の年数を確認してください。延床ではなく1階床面積で計算していれば、総額が小さくなるのは自然なことです。費用の考え方はシロアリ駆除の費用相場と自分でできるかの判断で解説しています。
シロアリ予防で処理するのは、業界の仕様書で原則1階部分と定められています。新築の予防でも、すでに建っている家の駆除でも同じ書き方です。
そのため、延床40坪の家が40坪ぶんの金額になるとは限りません。総2階建てなら1階は20坪前後で、金額は倍近く変わります。
なお仕様書に「床面積」という語は出てきません。面積の出し方は各社が決めており、実務では1階床面積が使われている例が確認できました。
- 図面か登記事項証明書で、1階の床面積を確かめる
- 見積書の坪数が延床か1階床面積かを聞く
- 単価と面積をそろえて、2社以上を比べる

面積の出し方を確かめたうえで、比べる相手をもう1社決めたい方へ。

