シロアリ駆除の補助金はある?出にくい理由と、上限1万5,000円を出す町
シロアリ駆除の見積もりを見たあと、公的な助けがないかを探す人は多いと思います。金額が数十万円になることがあるためです。
先に結論を書きます。直接の補助金は、業界団体が「ありません」と説明しています。
ただし、出している町もあります。この記事では、業界団体と東京都と自治体の資料をもとに、補助が出にくい理由と、自分の市に制度があるかの確かめ方をまとめます。
- 業界団体は「直接の補助金はありません」と書いています
- 出にくい理由は、シロアリが衛生害虫ではなく「木材害虫」に分類されているからです
- 出している町はあります。福島県金山町は課税世帯50%・上限1万5,000円
- やること:自分の市を3手順で確かめる → 無ければ控除を見る → 見積もりを2社そろえる

補助金を探しているうちに時間が過ぎている。そういう状態なら、先に金額を出してもらったほうが判断は早く終わります。
シロアリ防除の業界団体が、公式のQ&Aで答えています。
直接の補助金はありませんが、シロアリ駆除にかかった費用は確定申告で雑損控除できますので所得税の還付を受けることが出来ます。詳しくは税務署にご相談下さい。
※公益社団法人 日本しろあり対策協会「シロアリ駆除に関して補助金などはありますか。」(2026年8月26日確認)
読むときに注意したいのは、「直接の」という限定が付いていることです。シロアリ駆除そのものを対象にした補助金は無い、という意味になります。
つまり、ほかの制度に乗る道までは否定されていません。住宅のリフォームや耐震の補助に、床下の工事として含められる場合があります。
なお雑損控除とは、災害や害虫の被害で減った分を、税金の計算から差し引く仕組みです。ただし国税庁は駆除と予防を分けて扱っています。詳しくは国税庁は駆除と予防を分けていますにまとめてあります。
自治体が薬剤を配ったり補助を出したりするのは、公衆衛生の問題として扱われる虫が中心です。
東京都は、住まいに出る生き物を12の種類に分けて案内しています。その分け方を見ると、シロアリの位置がはっきりします。
東京都の分類で、虫がどこに入るか(2026年8月26日確認)
| 分類 | 入っている虫 |
|---|---|
| 細菌付着昆虫 | チャバネゴキブリ、クロゴキブリ、ハエ類、チョウバエ |
| 不快昆虫 | ユスリカ、チャタテムシ、アリ、羽アリ、カメムシ |
| 木材害虫 | シロアリ類(ヤマトシロアリほか)、ヒラタキクイムシ |
東京都保健医療局「類別一覧」(ねずみ・衛生害虫)
※12分類のうち3つを抜き出しています
シロアリは木材害虫に入っています。同じ枠にいるのはヒラタキクイムシで、どちらも木を食べる虫です。
一方、自治体の薬剤配布や相談の対象になりやすいゴキブリやハエは「細菌付着昆虫」です。菌を運ぶ虫として、衛生の問題に位置づけられています。
かんたんに言うと、シロアリは困る虫ではありますが、行政の枠では衛生の話に入っていません。建物の問題として扱われています。
ここからは編集部の分析です。衛生害虫の枠で用意されている補助や配布に、シロアリが入りにくいのは、この分類の違いが背景にあると考えられます。東京都が「だから補助が出ない」と書いているわけではありません。
制度を持っている自治体もあります。福島県金山町の例を見ます。
金山町の害虫駆除事業補助金の条件(2026年8月26日確認)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象の害虫 | カメムシ、スズメバチ、シロアリなど |
| 対象の建物 | 一般住宅または居住用の建物、地区集会所、宿泊施設 |
| 課税世帯 | 補助率50%(上限15,000円まで) |
| 非課税世帯・地区集会所 | 補助率70%(上限21,000円まで) |
| 申請できる回数 | 年度ごとに1回まで |
| 担当課 | 保健福祉課 |
福島県金山町「カメムシなどの害虫駆除に補助金が出ます」
※1つの町の例です。ほかの市町村に同じ制度があるとは限りません
対象外になる条件も5つ決まっています。町内に住所がない場合、建物の管理等をしていない場合、農業などの用途に使う場合、町税などを滞納している場合、そして申請者自身で物品を購入して駆除を実施した場合です。
最後の1つは見落としやすい条件です。薬を買って自分でまいた場合は対象になりません。
担当が保健福祉課である点も、前の章の話とつながります。害虫の補助は衛生の窓口で扱われており、シロアリはその一覧に相乗りする形で入っています。
この章でやること
- 上限が1万5,000円という規模感を、工事の総額と比べておく
- 自分で薬を買ってまく前に、市に制度があるかを確かめる
金山町のように害虫駆除の補助にシロアリを入れている町のほかに、住宅リフォームの補助で使える場合があります。2026年9月26日に、自治体の公式ページと添付の資料で、シロアリの工事の扱いを調べました。
住宅リフォーム・空き家改修の補助で、シロアリの工事を対象に書いていた自治体(2026年9月26日確認)
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| 自治体 | 制度 | 補助の額(原文の要旨) | シロアリの扱い |
|---|---|---|---|
| 鹿児島県奄美市 | 住宅リフォーム等補助金 | 工事費の20%、上限10万円(子育て世帯20万円) | 対象工事に「白蟻防除・駆除」 |
| 鹿児島県瀬戸内町 | 住宅リフォーム等助成金 | 50万円以上の工事1件につき10万円 | 「白蟻防除・駆除 リフォーム工事が伴えば可」 |
| 埼玉県川越市 | 住宅改修補助金 | 工事費の5%、上限5万円 | 防蟻工事だけは対象外。対象工事と同時なら対象 |
| 秋田県秋田市 | 住宅リフォーム支援事業 | 5万円(中心市街地は10万円) | 部材交換などと一体で行う防腐・防蟻処理 |
| 秋田県藤里町 | 住宅リフォーム支援事業 | 工事費の10%、上限15万円 | 防腐・防蟻処理は、部材交換などが伴う場合に対象 |
| 山形県酒田市 | 住宅リフォーム総合支援事業 | 上限24万円・30万円ほか | 薬品による駆除は対象外。被害部分の補修に付随する塗布は対象 |
| 熊本県天草市 | 物価高騰対策住宅リフォーム助成事業 | 2割・上限20万円ほか | 薬剤散布や塗布のみは対象外。増改築箇所の予防は対象 |
| 石川県珠洲市 | 空き家改修費補助金 | 2分の1、上限100万円ほか | 改修に伴う防蟻処理と害虫駆除(現在の実施は要確認) |
※記載の多くは、対象工事の一覧や手引きのPDFの中にあります。全国をすべて調べた数ではありません。年度の受付状況は各自治体のページで確かめてください。数えたのは編集部です。
かんたんに言うと、シロアリだけの工事で対象になりうるのは、奄美市と、前の章の金山町だけでした。ほかの6件は「ほかの改修と一緒なら可」という条件付きです。8件のうち7件は、市町村内の業者が施工することを条件にしています。
逆の書き方のほうが多く見つかりました。住宅リフォームや空き家の補助で「シロアリ駆除は対象外」と明記していたのは16制度(15自治体)です。滋賀県大津市、福岡県筑後市・みやま市、埼玉県幸手市・桶川市・北本市・朝霞市・上里町、佐賀県小城市、石川県金沢市、千葉県芝山町・銚子市、山形県鶴岡市、群馬県高崎市、北海道遠別町でした。千葉県浦安市は「ネズミ・シロアリなどの駆除に対する助成は行なっていません」と書いています。
耐震改修の補助で、防蟻を対象工事に明記した例は見つかりませんでした。また、業者のサイトにある「シロアリの補助金一覧」を公式ページで確かめると、シロアリの記載があったのは一部だけで、逆に対象外と書いている自治体も含まれていました。
ここからは編集部の判断です。補助を使うなら、シロアリの工事を、床や土台の補修などのリフォームと一緒に申し込めるかを市に聞いてください。単独の駆除で使える制度は、見つかった範囲ではごくわずかです。
3つの言葉で引けば、たいてい答えが出ます。
実際に検索されている質問を調べると、9つの市区名が個別に出てきました。京都市・横須賀市・横浜市・松本市・福山市・宮崎市・大阪市・福岡市・杉並区です。
読者が知りたいのは全国の一覧ではなく、自分の市です。
- 市のウェブサイトで「害虫駆除 補助」で引く。担当は保健福祉や環境の系統にあることが多いです
- 出てこなければ「住宅リフォーム 補助」で引く。シロアリだけの工事は対象外とする自治体が多く、床や土台の補修と一緒なら対象という形が目立ちます(前の章)
- それでも見つからなければ、電話で「シロアリの防除工事は対象になりますか」と聞く
3つ目の聞き方には理由があります。ここからは編集部の判断です。
「害虫駆除の補助はありますか」とだけ聞くと、ゴキブリやハエの話として受け取られることがあります。シロアリは分類が違うためです。
住宅の補助に乗った実例としては、京町家の改修補助に防蟻工事がありますという京都のケースがあります。
なお、シロアリ駆除を対象にした国の制度は確認できませんでした。見つかったのはいずれも市町村の制度です。

3つとも試したけれど、自分の市には制度が無かった。そこまで確かめた人は、次は金額そのものを下げる話になります。
税金の控除と、相見積もりの2つです。
1つ目は確定申告です。シロアリ駆除費用は確定申告で控除できるにまとめていますが、駆除と予防は分けて扱われます。工事の内容によって扱いが変わるので、明細を残しておいてください。
2つ目は相見積もりです。シロアリの工事は面積や薬剤で金額が動きます。どこを測って計算するかはシロアリ予防費用は40坪でいくら?で説明しています。
ここからは編集部の判断です。補助金を探す時間より、見積もりを2社そろえるほうが、手元に残る差は大きくなります。上限1万5,000円の制度を探すより、金額そのものを比べたほうが早いためです。
ただし、床下をまだ見ていない段階なら、点検が先です。被害があるかどうかで、必要な工事が変わります。
シロアリ駆除そのものを対象にした補助金は、業界団体が「ありません」と説明しています。
公益社団法人 日本しろあり対策協会のQ&Aに「直接の補助金はありませんが」と書かれています。ただし市町村によっては、害虫駆除の補助の対象にシロアリを含めている例があります。2026年9月26日に自治体の公式ページで調べると、害虫駆除の補助は福島県金山町の1件、住宅リフォームなどの補助の対象工事に書いていたのは8件で、多くは「ほかの改修と一緒なら可」でした。「対象外」と明記した制度は16ありました。
国の制度は確認できませんでした。
調べた範囲で見つかったのは、いずれも市町村の制度です。国がシロアリ駆除を対象に補助を出す仕組みは見当たりませんでした。無いと断定はできませんが、探すなら市町村のほうです。
制度がある市町村では、個人が申請する形になっています。
福島県金山町の場合、対象は一般住宅または居住用の建物で、住んでいる人が申請します。なお害獣の補助金は仕組みが違い、個人が受け取れません。詳しくは害獣駆除の補助金は個人が受け取れないで説明しています。
京都には、町家の改修に対する補助があり、その中に防蟻工事が含まれる場合があります。
シロアリ駆除だけを対象にした制度ではなく、住宅の改修補助に乗る形です。条件は京都のシロアリ駆除に補助金は使える?にまとめてあります。
確定申告の雑損控除があります。
災害や害虫の被害で減った分を、税金の計算から差し引く仕組みです。業界団体も代わりの手段として挙げています。ただし駆除と予防では扱いが変わるため、工事の明細を残しておいてください。
駆除と予防は分けて扱われます。
国税庁の考え方では、被害が出てから行う駆除と、被害が出る前に行う予防は同じではありません。どちらに当たるかで結論が変わるので、国税庁は駆除と予防を分けていますを読んだうえで、税務署に確かめてください。
シロアリ駆除に直接の補助金は、業界団体が「ありません」と説明しています。出にくい理由は、シロアリが衛生害虫ではなく木材害虫に分類されているからです。行政の枠では、建物の問題として扱われています。
ただし出している町もあります。福島県金山町は課税世帯で補助率50%・上限1万5,000円でした。自分で薬を買ってまくと対象外という条件も付いています。
やることは次の順番です。
- 市のサイトを「害虫駆除 補助」で引く
- 出てこなければ「住宅リフォーム 補助」「耐震改修 補助」で引く
- それでも無ければ「シロアリの防除工事は対象になりますか」と電話で聞く
- 制度が無ければ、控除の確認と相見積もりに切り替える
シロアリ対策の全体像はシロアリ駆除は自分でできる?から読んでください。

2社そろえたほうがいいのは分かったけれど、1社目をどこにするかで止まっている。そういう場合は、まず1社に見てもらうところからです。

