ミツバチの分蜂は数時間〜3日で去ります|殺虫剤をかけてはいけない理由
庭木の枝に、蜂が塊になってぶら下がっている。
数が多すぎて、近づくのも怖い。まず殺虫剤を取りに行こうとしているなら、そこで止めてください。
これは分蜂(分封)と呼ばれる状態で、新しい巣を探す途中の一時的な集まりです。京都市の資料は、待てば飛んでいくと書いています。
そして、殺虫剤については「絶対にしないでください」とはっきり書かれています。この記事では、待つ日数と、してはいけないこと、そして相談先までをまとめます。
- 分蜂群は新しい巣を探す途中の一時的な集まりです
- 早ければ数時間、長ければ3日ほどで飛んでいきます
- 分蜂中は攻撃性が低く、めったに人を刺しません
- 殺虫剤は絶対にかけないでください。飛び回ってかえって危険になります
- 相談先は保健所ではなく、都道府県の畜産担当部署です

そもそもミツバチなのかスズメバチなのか、確信が持てないという人もいます。
先に、待つ時間から書きます。
京都市の市民向けページは、こう書いています。
早ければ数時間,長ければ3日ほどで飛んでいきます
※出典:京都市「春先のトピックス『ハチが大量に群れている!』〜ミツバチの分封(分蜂)〜」(2026年8月30日確認)。以下、この資料からの引用は出典名を省きます
待てば去ります。駆除しないと居着く、という前提がそもそも違います。
何が起きているのか
群れができる理由も書かれています。
春,ミツバチの巣で新女王バチが誕生すると,旧女王バチは働きバチを連れて出ていき,新しく巣を作る場所を探して飛び回
新しい女王が生まれたので、前の女王が出ていったという状態です。家を出た側が、次の家を探しています。
農林水産省が公開している養蜂の資料は、連れて出る数まで書いています。
旧女王蜂は半数前後の働き蜂を伴ってこのコロニーから出て行って、新しい営巣場所を探します
※出典:農林水産省 九州農政局「ミツバチについて【資料:一般社団法人 日本養蜂協会「ミツバチの生態」抜粋】」(2026年8月30日確認)。以下、農林水産省の資料からの引用は出典名を省きます
巣の半分が引っ越しているということになります。
木の枝や壁に固まるのは、途中だからです
同じ資料が、なぜそこに止まるのかを書いています。
分蜂後、直ちに新しい営巣場所が見つかればよいのですが、なかなか見つからない場合があります。こんな時、人目につきやすい公園の木々や建物の壁などに一時的に蜂の群れとしてとどまることがあります
「一時的」という言葉が、京都市と農林水産省の両方に出てきます。ここは編集部の整理ですが、2つの資料が同じ見方をしていることになります。
庭木や壁は、彼らにとって目的地ではありません。休憩している場所です。
やってはいけないことが、はっきり書かれています。
殺虫剤を吹きかけるとミツバチが飛び回ることになり,かえって危険です。絶対にしないでください。
「絶対に」という語が使われています。行政の文章としては強い書き方です。
理由は、群れが散るからです。塊になっている状態のほうが安全で、崩すと危険が増えるという順序になります。
そのままなら、めったに刺しません
刺すかどうかについても書かれています。
元々おとなしい性格のミツバチですが,分封中は,いつもよりさらに攻撃性が低く,めったに人を刺すことはありません。
「いつもよりさらに攻撃性が低く」という書き方です。分蜂中はとくにおとなしい状態にあるということになります。
農林水産省の資料も、条件を付けて同じことを書いています。
棒でつついたり、石を投げるなどの刺激を与えない限り襲われることはほとんどありません
刺激を与えない限り、という条件付きです。「刺されない」とは書かれていないので、この記事でもそこまでは言いません。
刺された場合にどうなるかは、蜂の種類で変わります。蜂の毒は種類で主成分が違いますにまとめてあります。
分蜂群を見つけたときの、やること・やってはいけないこと
| 内容 | |
|---|---|
| やること | そっと見守る/子どもがいたずらしないよう注意する/数時間〜3日待つ |
| やってはいけないこと | 殺虫剤をかける/棒でつつく/石を投げる |
出典:京都市および農林水産省の各資料(2026年8月30日確認)
京都市は「子供たちがいたずらしないよう,注意してください」とも書いています。大人が何もしないことと、子どもが近づかないことが対になります。
「何匹いるのか」は、数えた記録があります。
京都市の衛生環境研究所が、駆除の委託先から譲り受けた分封群を実際に量っています。
推定の方法はこうです。
分封群の全体の重さを100匹分の重さで割り,分封群の匹数を推定しました
※出典:京都市「衛生動物だより No.025」(衛生環境研究所・2026年8月30日確認)。以下、No.025 からの引用は出典名を省きます
1匹ずつ数えたのではなく、重さからの推定です。そのうえで出た数字が次のとおりです。
京都市の研究所が推定した分封群の匹数
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| いつの群れ | 数 | 推定した匹数 |
|---|---|---|
| ゴールデンウィークの前後 | 11群 | 推定平均 約5,000匹 |
| 平成19年6月27日(シーズン後) | 1群 | 約18,000匹 |
| 資料の写真に付された群れ | 1群 | 12,401匹 |
出典:京都市「衛生動物だより No.025」(2026年8月30日確認)。いずれも重さから換算した推定値です
平均で約5,000匹です。塊が大きく見えるのは、実際に多いからということになります。
なお、1匹だけ飛んでいるのを見た場合は話が別です。スズメバチなら時期によって女王バチの可能性があります。スズメバチが一匹いたら巣は近いのかで扱っています。
18,000匹は、分蜂ではないかもしれません
もう1つ、資料が慎重に書いている部分があります。
シーズンが過ぎた6月末の約18,000匹について、資料は巣ごとの引越しだったかもしれないとしています。
理由は2つ挙げられています。個体数が非常に多いことと、分封としては季節外れであることです。
ニホンミツバチには、巣を放棄して引っ越す習性があると別の号に書かれています。時期が外れていて数がとても多いときは、分蜂とは別の現象の可能性があるということになります。
時期の話に進みます。
農林水産省の資料は、ミツバチの四季を整理していて、春を繁殖期とし、そこに分蜂(新女王の生産と交尾)を置いています。
雄蜂については、月まで書かれています。
春の繁殖期(日本では、通常 4 月から 6 月)にのみ生まれます
4月から6月が繁殖期の目安になります。京都市の事例も、ゴールデンウィーク前後の群れが11群でした。
「兆候」は巣の中で起きています
需要のわりに、答えが見つからなかった項目があります。
資料が書いている分蜂の条件は、次のとおりです。
一つの蜂群が大きくなり、コロニー内に一定の群勢が確保できると、新しい女王が誕生することがあります
群れが大きくなる、新しい女王が生まれる。どちらも巣の中で起きることです。
巣を外から見て分かる兆候を書いた資料は、確認できませんでした。養蜂をしている人が巣箱の中を見る話と、通りがかりの人が外から見る話は別になります。
つまり、多くの人にとって分蜂は「気づいたら群れができている」ものです。ここは編集部の判断ですが、兆候を探すより、見つけたあとの動き方を決めておくほうが実用的です。
連絡先が、ほかの害虫と違います。
農林水産省の資料は、こう書いています。
このような分蜂を見かけた場合は、都道府県(畜産担当部署)にご相談ください
畜産の担当です。ミツバチが家畜として扱われているためで、衛生害虫の窓口とは系統が違います。
害虫や害獣の相談先の使い分けは害虫駆除はどこに相談する?にまとめていますが、分蜂だけはその表の外にあると考えてください。
場所によっては駆除されます
待てばよい、が通らない場合もあります。
京都市の資料には、信号機に分封群が集まった事例が2件載っています。平成19年5月の青信号と、平成20年7月の赤信号です。
7月の事例では、警察から駆除の依頼があり、保健所と研究所が現場に入り、市の委託業者が20分ほどで駆除を終えています。
公共物や、人が避けられない場所に付いた場合は、待たずに駆除されるということです。
なお、分蜂群が去ったあとに、その場所へ巣が作られるわけではありません。巣を放置した場合にどうなるかは蜂の巣を放置するとどうなる?で別に扱っています。
待つか、連絡するかの分かれ目
| 状況 | どうするか |
|---|---|
| 庭木の枝、自宅の壁など避けて通れる場所 | 数時間〜3日待つ |
| 玄関、通学路、信号機など避けられない場所 | 待たずに相談する |
| 建物の中に入り込んで巣を作り始めた | 相談する |
| 時期が外れていて、数がとても多い | 分蜂ではない可能性。相談する |
この対応づけは編集部の判断です。資料に書かれている区分ではありません
なお、京都市が委託しているミツバチ駆除のほとんどはニホンミツバチだと別の号に書かれています。
巣を外から見て分かる兆候を書いた資料は、確認できませんでした。
資料にあるのは「一つの蜂群が大きくなり、コロニー内に一定の群勢が確保できると、新しい女王が誕生することがあります」という記述までです。巣の中で起きることなので、通りがかりに見て分かるものではありません。
避けて通れる場所なら、待つのが資料の案内です。京都市は「そっと見守ってあげてください」と書いています。
ただし、玄関や通学路など避けられない場所や、建物の中に入り込んだ場合は別です。京都市の記録では、信号機に付いた群れは警察からの依頼で駆除されています。
新しい営巣場所へ移ります。すぐに見つからない場合、公園の木々や建物の壁などに一時的にとどまることがあるとされています。
つまり、いま見ている塊はその途中です。早ければ数時間、長ければ3日ほどで飛んでいきます。
京都市の研究所の推定では、ゴールデンウィーク前後の11群で平均約5,000匹でした。
ただし、重さから換算した推定値です。また、シーズンを過ぎた時期の群れで約18,000匹という記録もあり、こちらは分蜂ではなく巣ごとの引越しかもしれない、と資料は書いています。
春です。農林水産省の資料は春を繁殖期とし、そこに分蜂を置いています。
雄蜂が生まれるのは「通常4月から6月」とされています。京都市の事例も、ゴールデンウィーク前後に11群が集まっています。
やることは少ないです。
- 分蜂群は新しい巣を探す途中。早ければ数時間、長ければ3日ほどで飛んでいきます
- 分蜂中は攻撃性が低く、めったに人を刺すことはありません
- ただし棒でつつく、石を投げるといった刺激は別です
- 殺虫剤は「絶対にしないでください」と書かれています
- 群れの大きさは平均で約5,000匹(重さからの推定)
- 相談先は都道府県の畜産担当部署です
今日やること:
- 近づかない。子どもが触らないようにする
- 場所が避けて通れるなら、3日を目安に待つ
- 避けられない場所や建物の中なら、都道府県の畜産担当へ相談する

待つ前に、そもそもミツバチなのかどうかを確かめたいという段階なら、見てもらう選択肢があります。

