太陽光パネルの鳩対策は自分でやれません|外部から発電を遮断できないためです
屋根の上から鳴き声がする。見上げると、太陽光パネルの下にハトが出入りしている。
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パネルと屋根のすきまは、ハトにとって都合のいい場所です。三方が囲まれていて、雨も当たりません。
ベランダのハトなら、自分でネットを張るという手があります。
では屋根の上はどうか。脚立で上がって、巣を取ってしまえないか。
太陽光発電の資料を読むと、そこで線が引かれていました。
引いているのは高さではありません。電気が止まらないことでした。
- 太陽光発電の点検項目に「鳥の巣」は入っています。見なくていいものではありません
- ただし同じ資料は、高所のパネルを「地上等からの目視点検」とし、必要なら専門技術者に依頼と書いています
- 理由は、パネルが外部から発電を遮断できない設備だからです。ブレーカーを落としても止まりません
- 屋根で作業するなら安全帯・絶縁手袋・遮光シートが要ると書かれています
- やること:地上から巣の位置を確かめる → 施工した会社か業者に見てもらう

地上から見上げても、パネルの下がどうなっているかまでは分かりません。そこで止まっている人は、現地を見てもらうところから始められます。
まず、この巣が「放っておいていいもの」かどうかです。
太陽光発電協会(JPEA)と日本電機工業会(JEMA)が、保守点検のガイドラインを出しています。
その点検項目の表に、確認すべきことが並んでいます。
周囲の状況 陰の状態の確認、鳥の巣、雑草、樹木などの状態が安全、性能に著しい影響のないこと。
「鳥の巣」が、雑草や樹木と並んで名前で挙がっています。
かんたんに言うと、鳩の巣は気にしなくていいものではないということです。
点検で見るべきものとして、業界の資料に書かれています。
では、その点検を誰がやるのか。
同じガイドラインが、続けてこう書いています。
高所に設置してあり容易に点検できない太陽電池アレイなどは、安全で目視可能な場所(地上等)からの目視点検とし、必要な場合は、専門技術者に依頼して実施する。
地上等からの目視点検。そして必要なら専門技術者へ。
屋根に上って自分で見る、という書き方はされていません。
機器の中についても、同じように線が引かれています。
接続箱、集電箱、PCS、太陽光発電用開閉器の内部は高電圧となっている部分があるため、外部からの目視、異音、異臭、振動などの点検に留める。
日常巡視の結果、異常があると思われる場合は、専門技術者に相談し詳細な点検を行うこと。
保守点検ガイドラインが分けている3つの層
| どこを | 誰が、どうやって |
|---|---|
| 高所のパネル(容易に点検できないもの) | 安全で目視可能な場所(地上等)からの目視。必要なら専門技術者に依頼 |
| 接続箱・集電箱・PCSなどの内部 | 外部からの目視、異音、異臭、振動などの点検に留める |
| 異常があると思われる場合 | 専門技術者に相談して詳細な点検 |
JPEA・JEMA「太陽光発電システム 保守点検ガイドライン」の記載を編集部が整理したものです
3つとも、屋根に上がる話が出てきません。

「見つけたら取る」ではなく、「見つけたら人を呼ぶ」と書いてありました。
ここが理由です。
電気の作業なら、まずブレーカーを落とすのが普通です。
太陽光パネルは、それが通じません。
消防庁の消防研究センターが、消防活動の留意点としてこう書いています。
太陽光発電システムは、太陽電池により光エネルギーを電気エネルギーに変換しているため外部から発電を遮断できないことから、火災の初期から残火確認等に至るまで、感電事故の可能性がある。
外部から発電を遮断できない。
パネルは光が当たれば発電します。スイッチが付いていません。
同じ資料は、どこまで発電が続くかも書いています。
夜間であっても、炎の光等によって発電が継続しており、感電の可能性がある。
見た目の破壊が進んでいる太陽電池モジュールにあっても光が当たると発電するため、感電の可能性がある。
夜でも、壊れていても止まらない、ということです。
屋根の上では、感電そのものより先に起きることがあります
この資料でいちばん具体的なのは、次の一文です。
感電により致命的な症状を被らなくても、屋根上での作業では、感電の衝撃によって消防隊員が落下する可能性がある。
書かれているのは消防隊員についてです。
装備を着け、訓練を受けた人でも、屋根の上ではこう注意されています。
かんたんに言うと、危ないのは電気そのものより、驚いて体が動くことです。
保守点検ガイドラインには、屋根で作業する場合の装備が書かれています。
作業に当たっては、”労働安全衛生法”及びその関連省令に基づいて安全な作業を行うこと。特に屋根や屋上などの高所作業は、墜落・落下事故防止及び感電事故防止に注意しなければならない。
挙がっているのは8つです。
- ヘルメット(安全帽)の着用
- 安全帯(命綱)の着用
- 安全靴又は滑り止め効果のあるスニーカーなどの着用
- 腰袋の着用(工具の落下防止にも用いる)
- 低圧用絶縁手袋を着用する
- 絶縁処理された工具を使用する
- 降雨・降雪時の作業は行わない
- 必要な場合は、作業前に、太陽電池モジュールの表面に遮光用のシートなどを張り太陽光を遮へいする
最後の1つが、この設備らしいところです。
必要な場合は、作業前に、太陽電池モジュールの表面に遮光用のシートなどを張り太陽光を遮へいする。もしくはモジュール間接続ケーブルなどの接続順序を事前に確認し、無電圧又は低電圧になるよう工夫する。
電源を切れないので、光のほうをふさぐ。
これが、ベランダのハト対策との決定的な違いです。
ベランダと、屋根の太陽光パネルで違うところ
← 横にスクロールできます →
| ベランダ | 屋根の太陽光パネル | |
|---|---|---|
| 高さ | 自分の家の床の高さ | 屋根の上 |
| 電気 | 関係しない | 光が当たる間は発電が続く |
| 資料が想定している人 | 住んでいる人 | 専門技術者 |
| 要るとされている装備 | 手袋とマスク | ヘルメット・安全帯・絶縁手袋・遮光シートなど8項目 |
ベランダ側は自治体のふん清掃の記載、屋根側は保守点検ガイドラインの記載から編集部が整理したものです
ベランダのハト対策とふんの片づけ方は鳩対策のカビキラーは浴室用ですで扱っています。

「脚立さえあれば」と思っていたのが、読むほど別の話になっていきました。
巣そのものより、そこにハトが居続けることのほうが設備に効きます。
太陽光発電協会が、陰の影響について説明しています。
落ち葉など不透明な物体が太陽電池モジュールの表面に貼りついた場合、その物体の陰による発電量の低下以上に太陽電池の発電量は低下します
貼りついた面積のぶんだけ減るのではありません。それ以上に落ちます。
理由も書かれています。
光の遮蔽された部分の太陽電池モジュールのセルが高温となって特性が低下する「ホットスポット現象」
一部が陰になると、そこが熱を持つという現象です。
ただし、対策はメーカー側で採られています。
通常は太陽電池モジュールの内部にバイパスダイオードが取り付けられていますので、この現象の発生が回避する方策が採られています
要確認:この説明で例に挙がっているのは落ち葉で、鳥のフンとは書かれていません。フンを落ち葉と同じに扱ってよいかを示した公的な資料は、確認できていません。ここで言えるのは「不透明なものが貼りつくと、面積以上に発電が落ちる」という一般的な説明までです。
かんたんに言うと、巣を取っただけでは終わらないということです。
ハトは同じ場所に戻ります。ふさがなければ、また同じことが起きます。
戻ってくる理由と追い払いの考え方は害鳥駆除で捕獲はできませんにあります。
屋根に上る作業は、資料が想定していません。
太陽光発電協会と日本電機工業会が、保守点検のガイドラインを出しています。
そこには高所のパネルについて「安全で目視可能な場所(地上等)からの目視点検とし、必要な場合は、専門技術者に依頼して実施する」と書かれています。
理由は、パネルが「外部から発電を遮断できない」設備だからです(消防庁 消防研究センター)。
地上から巣の位置を確かめるところまでは自分でできます。
順番は3つです。
まず地上から見上げて、パネルのどの列に出入りしているかを確かめます。
次に、施工した会社に連絡します。パネルに触れる作業になるためです。
対応してもらえない場合や、巣の撤去とふさぐ工事をまとめて頼みたい場合は、ハトの対策を扱う業者に見積もりを取ります。
公的な相場資料はありません。
要確認:太陽光パネル下のハト対策について、料金の目安を公表している公的資料は確認できていません。
手がかりになる公表値として、ダスキンがハトの駆除を1回63,800円以上としています。内訳はダスキンの害獣駆除の料金で分解しています。
ただしこれはパネル下の作業を含む金額ではありません。屋根の上は足場や高所作業の扱いが加わるため、見積もりで作業範囲を確かめてください。太陽光パネルの下の作業として金額を出している会社の公表額は、太陽光パネルの鳩の巣の撤去費用で6社を並べました。
卵やヒナがいる場合は、そのままにしてください。
鳥獣保護管理法により、卵の採取やヒナの捕獲には許可が要ります。空の巣であれば撤去できます。
ただし、その確認をするために屋根へ上がること自体が高所作業です。
巣の中が見えないなら、見てもらうところから始めてください。詳しくは害鳥駆除で捕獲はできませんにあります。
フンについて数字を出した公的資料は確認できていません。
太陽光発電協会の説明はこうです。
「落ち葉など不透明な物体が太陽電池モジュールの表面に貼りついた場合、その物体の陰による発電量の低下以上に太陽電池の発電量は低下します」
例に挙がっているのは落ち葉で、鳥のフンとは書かれていません。
「不透明なものが貼りつくと面積以上に落ちる」という一般的な説明として読んでください。
太陽光パネルの鳩対策を自分でやれない理由は、屋根が高いからだけではありませんでした。
点検項目に鳥の巣は入っています。太陽光発電協会と日本電機工業会のガイドラインが、雑草や樹木と並べて挙げています。
ただし見るのは地上からです。同じガイドラインは「安全で目視可能な場所(地上等)からの目視点検」とし、必要な場合は専門技術者に依頼するとしています。
理由は電気です。消防庁は「外部から発電を遮断できない」と書いています。ブレーカーを落としても、光が当たる間は発電が続きます。
だから作業には、安全帯だけでなく絶縁手袋と遮光シートが挙がっています。
やることの順番です。
- 地上から見上げて、どの列に出入りしているかを確かめる
- 巣の中が見えるかどうかは、無理に確認しない
- 施工した会社に連絡する。パネルに触れる作業になるため
- 巣の撤去とふさぐ工事をまとめて頼むなら、作業範囲を見積もりで確かめる
- 卵やヒナがいる場合は撤去できないので、その前提で日程を相談する

自分で上れないと分かったあと、次に困るのは誰に頼むかです。屋根のハト対策として見積もりを取れば、金額と作業範囲を先に確かめられます。

