ゴキブリ団子の作り方を調べる前に|手作りでも医薬部外品、人に渡すと許可が要ります
ゴキブリ団子は自分で作れます。ホウ酸と玉ねぎ、牛乳、小麦粉。材料はどれも手に入ります。
ただ、作り方を調べる前に知っておくことが2つありました。
1つは法律です。手作りでも「医薬部外品」にあたり、人に渡すと許可が要ります。無償でも同じです。
もう1つは中身の濃さです。自家製1個に入るホウ酸は、市販品の約8倍でした。
- 手作りのゴキブリ団子も医薬部外品。売るのも、無償で人に渡すのも許可が要る(佐賀県)
- 自家製はホウ酸50%以上・1個7〜10g。市販品は15%が多く1個3g(中毒情報センター)
- 中毒の目安は、市販品なら子どもで4分の1個。自家製は少量でも危険とされる
- 事故は「乾かしている最中」にも起きている。大人がお菓子と間違えた例がある

「作れば安く済む」と考えて調べ始めた人は、置き場所と保管まで含めて決める必要があります。
まず法律の位置づけからです。
佐賀県は、手作りのホウ酸団子についてこう書いています。
ゴキブリの駆除に使用される「ホウ酸団子」は、手作りであっても「医薬品医療機器等法※)(旧名称:薬事法)」上の「医薬部外品」です。
※出典:佐賀県「手作り『ホウ酸団子』で注意すべきこと」(2026年8月30日確認)
台所で作ったものも、法律の上では医薬部外品です。
殺虫剤や忌避剤が、何を守るかで別の法律の箱に入る話は忌避剤とは?何から守るかで法律が変わりますにまとめてあります。
自分の家で使うぶんには、許可は要りません。問題になるのは、次の章の「人に渡すとき」です。
ここが、調べても出てきにくい部分です。
同じ資料の続きです。
この「医薬部外品」である「ホウ酸団子」を売るために作ったり、作った「ホウ酸団子」をインターネットやバザーで売ったりするには、医薬部外品製造業および医薬部外品製造販売業の許可が必要です。
そして次の一文が付いています。
作った「ホウ酸団子」を他人に無償で譲り渡す場合であってもこれらの許可が必要です。
※出典:佐賀県「手作り『ホウ酸団子』で注意すべきこと」(2026年8月30日確認)
「無償で譲り渡す場合であっても」と書かれています。
佐賀県の記載を場面ごとに整理
| 場面 | 許可 |
|---|---|
| 自分の家で使う | 記載なし(許可の対象として挙げられていない) |
| 売るために作る | 要る |
| インターネットやバザーで売る | 要る |
| 無償で他人に譲り渡す | 要る |
出典:佐賀県「手作り『ホウ酸団子』で注意すべきこと」を2026年8月30日に確認して当サイトが整理。
さらに、こう書かれています。
無許可で製造された医薬部外品や、「医薬品医療機器等法」で定められた表示がない医薬部外品は、販売・授与することが禁止されています。
「たくさん作ったので近所に配る」「フリマに出す」は、この記載に当たります。
かんたんに言うと、作るのは自分のため。渡した時点で話が変わります。
この章でやることは1つです。
- 作る量を、自分の家で使いきる量までにする
中身の濃さも違います。
日本中毒情報センターは、自家製と市販品の中身を数字で書いています。
市販品はホウ酸含有量が5~70%(15%の製品が多い)で1個の重さが3g位のものが多く、自家製は通常ホウ酸を50%以上含有し、1個の重さが7~10g位のものが多いようです。
※出典:日本中毒情報センター「中毒事故の問い合わせが多い家庭内の化学製品|ホウ酸団子」(2026年8月30日確認)
濃度も、1個の重さも違います。

1個に入るホウ酸の量
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| ホウ酸の濃度 | 1個の重さ | 1個のホウ酸 | |
|---|---|---|---|
| 市販品 | 15%が多い | 3g位 | 約0.45g |
| 自家製 | 50%以上 | 7〜10g位 | 約3.5〜5.0g |
出典:日本中毒情報センターの記載(濃度と重さ)をもとに、1個あたりの量は編集部が計算。資料に1個あたりの数字はありません。自家製は「50%以上」なので、上の値はいちばん低く見積もった場合です。
同じ資料は、成人についてこう書いています。
成人の場合はホウ酸の量として1~3gで症状が出てくる可能性があります。
自家製1個の計算値(約3.5〜5.0g)は、この1〜3gという範囲を超えます。
かんたんに言うと、作れば安く済むぶん、1個あたりの中身は濃くなります。
子どもについての記載は、もっと具体的です。
ホウ酸の含有量によって異なりますが、市販品の場合、子どもでは1/4個以上食べていると中毒の危険があると考えられます。自家製の団子はホウ酸の含有量が高いので少量でも危険な場合があります。
※出典:日本中毒情報センター(2026年8月30日確認)
市販品で4分の1個です。そして自家製については「少量でも危険な場合があります」と書かれています。
資料は、事故が起きやすい状況も挙げています。
“はいはい“をする位の小児の事故が多く、流し台の下など床に置かれていたものを食べてしまいます。
流し台の下が名指しされています。ゴキブリが通る場所と、はいはいをする子どもが届く場所が重なります。
この章でやることは2つです。
- 置くなら、床より高い場所か、子どもとペットが入れない場所にする
- 流し台の下に置くなら、扉が開かないようにする
置いたあとだけではありません。
同じ資料の参考欄です。
大人でも作りたての団子を乾燥させているときにお菓子と間違えて食べてしまう事故が起こっているので注意しましょう。
※出典:日本中毒情報センター(2026年8月30日確認)
大人が、お菓子と間違えています。
ホウ酸と玉ねぎ、牛乳、小麦粉で作ったものを乾かしている状態は、見た目が食べ物に近くなります。台所で作って台所で乾かすと、そのまま食卓の近くに並びます。
作る工程そのものに、置き場所の問題があります。
この章でやることは1つです。
- 乾かす場所を、食べ物を置く場所から離す(作り始める前に決める)
すぐには出ません。
症状が出るまでに数時間かかることがあります。吐き気、嘔吐、下痢や激しい腹痛が起こり、皮膚に紅斑が出たり、便が青緑色になることがあります。重症の場合には、けいれんや腎臓の障害を起こします。
※出典:日本中毒情報センター(2026年8月30日確認)
「便が青緑色になることがあります」という記載は、他ではあまり見かけません。覚えておくと、あとから気づく手がかりになります。
事故が起きたときの対応も書かれています。
なめた程度なら家庭で様子をみます。大量に食べた場合は受診します。
判断に迷うときのために、資料はもう1つ挙げています。
自家製品で事故が起こった場合、使ったホウ酸の量と何個に分けたかを考え、1個に含まれるホウ酸の量を確認します。
「使ったホウ酸の量と、何個に分けたか」です。使ったホウ酸の量と何個に分けたかは、あとから思い出すのが難しい数字です。次の章につながります。
なお日本中毒情報センターは、化学物質による急性中毒について電話相談を受け付けています。
ここまでを踏まえて、作る場合に決めておくことを並べます。
- 使ったホウ酸の量と、何個に分けたかをメモに残す(事故のとき資料が求める数字)
- 乾かす場所を、食べ物を置く場所から離す
- 置く場所を、子どもとペットが届かないところにする
- 自分の家で使いきる量にする(人に渡すと許可が要る)
1つ目が、いちばん忘れられがちで、いちばん必要になります。
中毒情報センターは、市販品の濃度を「15%の製品が多い」としています。自家製の50%以上と比べると、1個あたりの中身は薄くなります。
ゴキブリに効く薬をどう選ぶか、同じ薬を使い続けるとどうなるかはチャバネゴキブリの駆除はなぜ難しい?にまとめてあります。市販のグッズは害虫駆除グッズおすすめ商品で扱っています。
そもそも卵には効きません。薬をまいたあとに出てくる理由はゴキブリの卵は薬で片づかないで扱っています。
業者に頼む判断の分かれ目は3つです。
- 小さい子どもやペットがいて、置き場所を確保できない
- 置いても数が減らない(同じ薬を使い続けて効きが落ちている可能性)
- どこから入ってくるか分からない(ゴキブリはどこから入るのか)

「作る手間と、置き場所と、保管の管理」を足し算すると、市販品との差は思ったより小さくなることがあります。
自分の家で使うぶんについて、許可が要るという記載は佐賀県の資料にありません。
ただし手作りでも「医薬部外品」にあたり、売る場合と、無償で他人に譲り渡す場合には許可が必要とされています。
佐賀県は「作った『ホウ酸団子』を他人に無償で譲り渡す場合であってもこれらの許可が必要です」と書いています。
同じ資料は「無許可で製造された医薬部外品や、定められた表示がない医薬部外品は、販売・授与することが禁止されています」ともしています。
濃度と1個の重さです。日本中毒情報センターは、市販品を「ホウ酸含有量が5〜70%(15%の製品が多い)で1個の重さが3g位」、自家製を「通常ホウ酸を50%以上含有し、1個の重さが7〜10g位」としています。
1個あたりのホウ酸は、計算すると市販品が約0.45g、自家製が約3.5〜5.0gになります(濃度と重さから編集部が計算)。
日本中毒情報センターは「なめた程度なら家庭で様子をみます。大量に食べた場合は受診します」としています。市販品では子どもで4分の1個以上が中毒の危険とされ、自家製は少量でも危険な場合があるとされています。
受診するときに備えて、使ったホウ酸の量と何個に分けたかを確認してください。同センターは電話相談を受け付けています。
数時間かかることがあります。吐き気、嘔吐、下痢、激しい腹痛、皮膚の紅斑、便が青緑色になることがあると書かれています。重症の場合はけいれんや腎臓の障害を起こすとされています。
作り方を調べる前に、押さえておくことをまとめます。
- 手作りでも医薬部外品。売るのも、無償で譲るのも許可が要る(佐賀県)
- 自家製はホウ酸50%以上・1個7〜10g、市販品は15%が多く1個3g
- 1個のホウ酸は市販品 約0.45g/自家製 約3.5〜5.0g(編集部の計算)
- 成人は1〜3gで症状が出る可能性がある
- 子どもは市販品で4分の1個が目安。自家製は少量でも危険とされる
- 事故は流し台の下と、乾かしている最中に起きている
- 症状は数時間おくれる。便が青緑色になることがある
作る場合にやることは3つです。
- 使ったホウ酸の量と、何個に分けたかをメモに残す
- 乾かす場所と置く場所を、作り始める前に決める
- 自分の家で使いきる量にする

置き場所と保管まで自分で管理しきれないと感じたなら、そこが線引きです。

