シロアリ駆除は5年ごとに費用がかかる?仕様書に3回出てくる同じ一文
「シロアリ対策は5年ごとです」と業者に言われて、根拠が気になった人は多いはずです。
根拠になっている文書があります。業界団体が定めた防除施工標準仕様書です。
そこには「5年を目途に再処理をする」と書かれています。しかも同じ趣旨の一文が3か所にあります。
ただし、読み方に注意が要ります。同じ仕様書に「保証」という言葉は1度も出てきません。「5年ごと」と「5年保証」は、別の話です。
- 業界の仕様書には「5年を目途に再処理をする」と書かれている(3か所)
- 同じ仕様書に「保証」という言葉は0回。5年保証は各社が付けているもの
- ベイト工法は5年ごとではない。仕様書の書き方が違う
- 自分でやること:前回の工法を確かめてから、点検を頼む

前回から5年たったかどうかより、いま床下がどうなっているかで話が決まります。まず見てもらうところからです。
「5年ごと」という言葉には、2つの別の話が混ざっています。
混ざりやすい2つの「5年」
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| 何の5年か | 誰が決めているか | どこに書いてあるか |
|---|---|---|
| 5年を目途に再処理 | 業界団体(日本しろあり対策協会) | 防除施工標準仕様書 |
| 5年保証 | その会社 | 各社の料金ページや契約書 |
出典:公益社団法人 日本しろあり対策協会「防除施工標準仕様書」(令和7年10月1日)および各社の公表資料。2026年8月23日確認。
かんたんに言うと、片方は業界共通の目安で、もう片方は会社ごとの約束です。
どちらも意味はありますが、同じものではありません。業者の説明を聞くときは、どちらの話なのかを分けて聞くことになります。
シロアリ駆除そのものの進め方や費用の目安は、シロアリ駆除は自分でできる?費用の相場や信頼できる業者の選び方にまとめています。
まず、根拠になっている文書を確かめます。
公益社団法人 日本しろあり対策協会が「防除施工標準仕様書」というものを出しています。シロアリ防除の作業のしかたを決めた、業界共通のルールです。
その中に、同じ趣旨の一文が3か所あります。
「5年を目途に再処理」が書かれている場所
| 書かれている場所 | 条文 |
|---|---|
| 防除施工基本大綱 13 | 防除施工を行った建物は、その建築物の保存対策と維持管理上、5年を目途に再処理をする。 |
| 新築建築物しろあり予防処理標準仕様書 6その他(1) | 予防処理を行った建築物は、その保存対策と維持管理上5年を目途に再処理を行う。 |
| 既存建築物しろあり防除処理標準仕様書 6その他(1) | 防除処理を行った建築物は、その保存対策と維持管理上5年を目途に再処理を行う。 |
出典:公益社団法人 日本しろあり対策協会「防除施工標準仕様書」(令和7年10月1日、防除技術委員会)。2026年8月23日確認。
かんたんに言うと、新築のときも、あとから駆除したときも、同じことが書かれています。
「5年ごと」という言葉の出どころは、ここです。業者が勝手に言っている数字ではありません。
ここが、この記事でいちばん大事なところです。
仕様書の全文を検索しました。
仕様書の中に出てくる回数
| 語 | 出てくる回数 |
|---|---|
| 再処理 | 4回 |
| 点検 | 4回(すべてベイト工法の章) |
| 保証 | 0回 |
| 有効期間 | 0回 |
出典:前掲の「防除施工標準仕様書」(令和7年10月1日)の本文を検索した結果です。2026年8月23日確認。
かんたんに言うと、「5年保証」は業界のルールではありません。
これは「5年保証に根拠がない」という意味ではありません。各社が商品として付けているもので、仕様書とは別の約束だ、というだけです。
だから中身は会社ごとに違います。生協10件を同じ項目で調べた記事があるので、詳しくは生協のシロアリ駆除は10生協で価格が違うを読んでください。保証の年数はそろっていても、中身が同じとは限りませんでした。
条文の言葉づかいも見ておきます。
書かれているのは「5年を目途に再処理をする」です。
次のようには書かれていません。
- 5年で効果が切れる
- 5年ごとに必ず行わなければならない
- 5年を過ぎた建物は保証の対象外になる
「目途に」という言い方です。目安として5年、という意味に読めます。
そして5年を過ぎた家に何が起きるかは、仕様書には書かれていませんでした。被害が出るかどうかは、家の状態と地域によって変わります。
だから日付だけで判断するものではありません。5年たっていなくても被害が出ることはありますし、その逆もあります。
同じ仕様書の中でも、工法によって書き方が変わります。
容器を埋めてシロアリに薬を持ち帰らせるベイト工法については、別の章が用意されています。そこには「5年を目途に再処理」とは書かれていません。
(3) 定期点検 定期的に訪問点検を行い、容器内のしろありの活動状況を記録する。
※出典:前掲の「防除施工標準仕様書」の「維持管理型しろあり防除工法標準仕様書」より。2026年8月23日確認。
かんたんに言うと、5年に1回まとめてやるのではなく、定期的に見に来る形です。
仕様書の書き方の違い
| 工法 | 仕様書に書かれていること |
|---|---|
| 薬剤を散布する工法 | 5年を目途に再処理をする |
| ベイト工法 | 定期的に訪問点検を行い、容器内のしろありの活動状況を記録する |
出典:前掲の「防除施工標準仕様書」より。2026年8月23日確認。
費用のかかり方が根本から違います。片方は5年に1度まとまった金額、もう片方は続けて払う形になります。
工法ごとの料金の出し方は、ダスキンのシロアリ駆除の評判で2つの工法を並べて確かめています。
なおベイト工法には、資格者を置く決まりもあります。
② ベイト工法管理者は、しろあり防除施工士の有資格者で、製造メーカーの教育カリキュラムに従った講習試験の合格者とする。
※出典:前掲の「防除施工標準仕様書」より。2026年8月23日確認。
金額は会社によって違うので、相場としては書きません。公表されている料金表を1つ見ます。
ダスキンのシロアリ駆除(バリア工法)の料金
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 1階床面積1㎡あたり | 2,475円(税抜2,250円) |
| 1階床面積50㎡まで | 一律123,750円(税抜112,500円) |
| 保証期間中(5年間)の点検 | 毎年1回、無料でハウジングチェック |
出典:ダスキン「シロアリ駆除サービス(バリア工法)」。2026年8月23日確認。
かんたんに言うと、点検は保証期間中は無料と書かれています。払うのは再処理のときです。
再処理のときに割引があるかどうかは、確認した範囲では記載が見当たりませんでした。2回目だから安くなる、と決まっているわけではありません。
そして単価は1㎡いくらの形です。自宅の1階床面積が分からないと、金額になりません。

単価が分かっても、自宅の床面積を測らないと総額になりません。測った数字を伝えれば、その場で概算が出ます。
「やるか、やらないか」の二択ではありません。順番に決めていきます。
- いま被害があるかを確かめる(駆除が要る状態か、予防でよいか)
- 前回どの工法だったかを確かめる(薬剤の散布か、ベイトか)
- 会社の保証を続けるかを決める(仕様書の目安とは別の約束)
1つ目が先です。被害が出ているなら、5年たったかどうかは関係なく駆除の話になります。
2つ目は契約書か作業報告書を見れば分かります。見当たらなければ、施工した会社に聞いてください。工法によって、次にやることが変わります。
3つ目は会社ごとの話です。保証を続けるために再処理が条件になっている場合もあれば、そうでない場合もあります。
羽アリを見かけて被害が心配な場合は、飛んだ時期から種類を絞れます。詳しくはシロアリの羽アリは飛んだ時期で種類が絞れるにまとめています。
業界団体の標準仕様書には「5年を目途に再処理をする」と書かれています。ただし「必ず行わなければならない」とは書かれていません。「目途に」という言い方です。被害の有無や家の状態によっても変わるので、日付だけで決まるものではありません。
仕様書には書かれていませんでした。書かれているのは再処理の目安までです。5年たっていなくても被害が出ることはありますし、その逆もあります。床下を見てもらうのが確実です。
別のものです。標準仕様書に「保証」という言葉は1度も出てきません。5年保証は各社が商品として付けているもので、中身は会社ごとに違います。
確認した範囲では、再処理の割引についての記載は見当たりませんでした。この記事で見た料金表は1階床面積1㎡あたりの単価で、2回目かどうかで金額が変わるという記述はありませんでした。会社によって扱いが違う可能性があるので、見積もりのときに聞いてください。
仕様書の書き方が違います。ベイト工法の章には「定期的に訪問点検を行い、容器内のしろありの活動状況を記録する」と書かれており、5年を目途にした再処理という書き方ではありません。費用のかかり方も、続けて払う形になります。
契約書か作業報告書を探してください。床下に容器が埋まっているか、建物の周囲に丸い蓋のようなものがあればベイト工法です。分からなければ、施工した会社か、点検を頼む会社に聞いてください。
「シロアリは5年ごと」という言葉には、出どころがあります。
公益社団法人 日本しろあり対策協会の「防除施工標準仕様書」に、「5年を目途に再処理をする」という一文が3か所書かれています。新築でも既存の建物でも同じです。
ただし「目途に」です。「5年で切れる」とも「必ず行わなければならない」とも書かれていません。
そして同じ仕様書に「保証」という言葉は1度も出てきませんでした。5年保証は各社が付けているもので、業界のルールではありません。中身も会社ごとに違います。
ベイト工法は書き方そのものが違います。「定期的に訪問点検」とあり、5年に1度まとめて払う形ではありません。
最後に、やることを3つに絞ります。
- いま被害があるかどうかを、床下を見て確かめる
- 前回どの工法だったかを、契約書か作業報告書で確かめる
- 自宅の1階床面積を測ってから、再処理の見積もりを取る

5年目にまずやることは、点検の予約を1本入れることだけです。金額の話は、床下を見てからで間に合います。

