ゴキブリが一番嫌いな匂いはどれ?|実験ではレモングラス、ペパーミントは逆でした
いい香りでゴキブリが来なくなるなら、それがいちばん平和です。
そう思って「嫌いな匂い」を調べ始めた人が多いと思います。
先に、いちばん聞かれている問いに答えます。
「一番嫌いな匂い」に順位を付けた公的資料は、見つかりませんでした。
ただし、匂いごとの差を数えた実験はあります。結果は意外な形でした。
- 「一番嫌いな匂い」の順位を付けた公的資料はありません
- 公益社団法人の実験で、レモングラスは発見率22.3%まで下げました
- ペパーミントは69.2%と、置いた箱のほうに多く入りました(精油2滴の条件)
- 一方でハッカ油0.3gの製剤は「ゴキブリの忌避」の効能で承認されています。量と形で答えが変わります
- 金木犀が効くことを示した実験は確認できていません
- 匂いにできるのはよけまで。いるゴキブリの駆除はできません

匂いを選ぶより先に、いま出ている1匹を何とかしたい。そういう状況の人は、見てもらうところから始められます。
検索されている問いの大半は「ゴキブリが1番嫌いな匂いは?」でした。
その順位表は、公的資料には存在しません。
順位表が公的資料に無いのは、ゴキブリの食べ物のときと同じ形です。「一番好きな食べ物」も、資料には書かれていませんでした。
ただ、匂いの話には実験があります。
公益社団法人 日本アロマ環境協会(AEAJ)が、精油ごとの差を数えて公表しています。
順位表はないが、数えた実験はある。ここから見ていきます。
実験の組み方は、はっきり書かれています。
- 相手はチャバネゴキブリの成虫。精油1種類あたり150匹
- 大きなケースに、出入りできる小さな箱を2つ
- 片方に精油2滴のシャーレ、もう片方に空のシャーレ
- 50匹を放ち、一昼夜後にどちらの箱で見つかったかを数える。3回繰り返す
結果です。
精油を置いた箱でのゴキブリ発見率(AEAJ・2017年8月3日発表)
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| 精油 | 精油の箱での発見率 | 読み方 |
|---|---|---|
| レモングラス | 22.3% | 避けた(効いた) |
| ペパーミント | 69.2% | 精油の箱のほうに多く入った |
公益社団法人 日本アロマ環境協会「アロマのゴキブリに対する忌避作用」(2026年8月26日確認)
※シトロネラも試験されています。この記事では差のはっきりした2つに絞りました
「レモングラス」に最も強い忌避作用が確認されました
意外なのはペパーミントです。
ハッカ系の匂いはゴキブリよけの定番として語られますが、この条件(精油2滴)では、置いた箱のほうに多く入りました。
かんたんに言うと、アロマとして垂らす程度のミントは、当てにならなかったということです。
では「ハッカはゴキブリに効く」という定番の話は、間違いなのか。
そう単純ではありません。
アース製薬のナチュラス 天然ハーブのゴキブリよけという製品があります。
ハッカ油の製剤の効能(アース製薬の製品情報・2026年8月26日確認)
| 項目 | 記載 |
|---|---|
| 分類 | 防除用医薬部外品 |
| 効能 | ゴキブリの忌避 |
| 有効成分 | ハッカ油0.3g(1個あたり) |
| 使い方 | 約20Lの空間あたり1個 |
| 持続 | 約1か月 |
防除用医薬部外品は、効能を掲げるのに承認が要る区分です。
つまり、ハッカ油はこの量と形なら「忌避」を名乗れています。
2つの資料を並べると、こう読めます。
- 精油2滴(実験の条件)→ ペパーミントは効かなかった
- ハッカ油0.3gの製剤(承認された条件)→ 忌避の効能
かんたんに言うと、「ハッカが効くか」は量と形で答えが変わります。
アロマオイルを1〜2滴垂らして「ハッカを置いたから大丈夫」と考えるのは、実験の結果と合いません。
ここ数か月で急に増えている問いがあります。
「ゴキブリが嫌いな匂いは金木犀?」です。
調べた範囲の結論を書きます。
要確認:金木犀(キンモクセイ)の香りがゴキブリを忌避することを示した、公的機関・公益団体の実験は確認できていません。
見つかるのは、アロマ製品の販売サイトによる成分の説明(リナロール、γ-デカラクトンなど)です。販売側の説明であって、数を数えた実験ではありません。
効かないと証明されたわけでもありません。確かめられていない、が正確なところです。
香りを楽しむために金木犀を置くのは自由です。ゴキブリ対策として頼るのは、根拠が足りません。
もう1つ、効能欄から分かる大事なことがあります。
どの製品の効能も「忌避」です。「駆除」ではありません。
匂いは、来させない方向にしか働きません。
すでに家の中にいるゴキブリと、その卵には別の話が要ります。卵が薬でも片づかないことはゴキブリの卵は薬で片づかないで報告の数字を出しています。
そして、よけたいなら匂いより先に入口です。
侵入口は5mm〜1cmの隙間で、場所はゴキブリはどこから入るのかにまとめてあります。
匂いは補助、ふさぐのが本体という順番は変わりません。
匂いの製品を使うと決めたら、効能欄の条件に合わせてください。
- 量:約20Lの空間あたり1個(ナチュラスの場合)
- 期間:効果は約1か月。置きっぱなしにしない
- 場所:食器棚・シンク下など、閉じた空間向け
- 相手:来させない用途。いる個体には効能がありません
20Lは、だいたい食器棚の1段です。部屋全体を1個でカバーする作りではありません。
広い空間に1個置いて「効かない」と判断するのは、条件が合っていません。
線引きは効能欄がそのまま教えてくれます。
匂い(忌避)で足りる場合と、足りない場合
| 状況 | 匂いで足りるか |
|---|---|
| まだ見ていない。予防したい | 補助として使える(本体は隙間ふさぎ) |
| 1匹見た | 足りない。忌避に駆除の効能はない |
| 繰り返し見る・フンがある | 足りない。巣と卵の話になっている |
編集部の整理です
駆除の全体の手順はゴキブリ駆除の完全ガイドにまとめてあります。
繰り返し見ている段階なら、匂いを買い足すより、発生源を特定するほうが先です。

よけの製品を並べたのに、また出た。その段階の人は、どこで増えているかを探してもらうほうが早く終わります。
順位を付けた公的資料はありません。
公益社団法人の実験で最も差が出たのはレモングラスで、精油を置いた箱での発見率が22.3%まで下がりました。「一番」と言える根拠があるのは、この実験の範囲ではレモングラスです。
それを示した実験は確認できていません。
見つかるのはアロマ販売サイトの成分説明だけで、数を数えた実験ではありません。効かないと証明されたわけでもなく、確かめられていない状態です。
量と形によります。
精油2滴の実験では、ペパーミントの箱のほうに多く入りました(発見率69.2%)。一方でハッカ油0.3gを使った製剤は「ゴキブリの忌避」の効能で承認されています。垂らす程度では当てにできません。
効果を示した公的な資料は確認できていません。
俗説として広まっていますが、数を数えた実験は見つかりませんでした。
できません。
匂いの製品の効能はどれも「忌避」で、駆除ではありません。すでにいる個体と卵には、駆除剤と発生源の特定が要ります。
ゴキブリの嫌いな匂いに、順位を付けた公的資料はありません。
実験で効いたのはレモングラス(発見率22.3%)。ペパーミントは精油2滴の条件では逆に多く入りました。それでもハッカ油0.3gの製剤は、忌避の効能で承認されています。
金木犀の実験は確認できていません。
やることは次の順番です。
- まだ見ていないなら、隙間をふさいでから匂いを補助に使う
- 製品は効能欄の条件(20Lに1個・約1か月)で使う
- 1匹でも見たら、忌避の出番ではない
- 繰り返し見るなら、発生源の特定へ切り替える

香りで済むのか、もう駆除の段階なのか。そこを決めかねている人は、いまの状態を見てもらってから選ぶこともできます。

