コウモリに超音波は効く?公的な11ページで対策に挙げたのは2つだけでした
軒下や換気口にコウモリが出入りしている。
追い出したくて調べると、超音波の機械やアプリがたくさん出てきます。置くだけで済むなら助かりますが、本当に効くのかが分かりませんよね。
そこで、市と県がコウモリの対策を書いている公式ページを11件読みました。確認したのは2026年10月8日です。
分かったのは、超音波の機械を対策に挙げているページが2件しかないことです。効果を数字で示したページは、1件もありませんでした。
- 公的な11ページのうち、超音波の機械を対策に挙げていたのは朝倉市と各務原市の2件
- 朝倉市は「効果があります」と書いている。どれくらい効くかの数字は、どのページにも無かった
- 多くのページが挙げているのは、侵入口をふさぐこと(9件)、忌避剤やにおい(8件)、煙(5件)
- コウモリは自分でも超音波を出して飛ぶ動物。機械だけで終わらせず、いない時に入口をふさぐ

入口がどこか分からない、高くて手が届かない。そういう人は、出入りしている場所を見てもらうところから頼めます。
「効果があります」と書いていたのは、福岡県の朝倉市でした。
朝倉市のページには、次のように書かれています。
コウモリやネズミなどを追い払うための超音波発生装置なども効果があります。最近ではスマートフォンに超音波を発生させるアプリ等もあります。
※出典:朝倉市「コウモリについてのお知らせ」(更新日2025年12月22日、2026年10月8日確認)
岐阜県の各務原市は、コウモリを寄せ付けない方法の例として「センサー感知超音波、ブザー、ラジオなど」を挙げています。市は、動物が近づくと嫌がる音を出す装置を貸し出しています。
残りの9件は、超音波の機械に触れていませんでした。
効き目の数字は、どのページにもありません
何日で出ていくのか、何割がいなくなるのか。そうした数字は、11件のどこにも書かれていませんでした。
朝倉市の「効果があります」も、どれくらい効くかまでは書いていません。
ここからは編集部の見立てです。公的なページの多くが超音波を挙げていない以上、超音波だけに頼る進め方は勧めにくいと考えます。 使うなら、ほかの方法と組み合わせる前提で考えてください。
いちばん多かったのは、侵入口をふさぐことでした。
11件のページが、どの対策を挙げているかを数えました。
市と県の公式ページ11件が挙げているコウモリの対策(2026年10月8日確認)
| 対策 | 挙げていたページ |
|---|---|
| 侵入口をふさぐ(網、パテ、テープなど) | 9件 |
| 忌避剤やにおい(ナフタリン、ハッカ、木酢液など) | 8件 |
| 煙(煙の出る害虫駆除剤、蚊取り線香) | 5件 |
| CDやアルミ箔をぶら下げる | 3件 |
| 超音波の機械 | 2件 |
| 光(ライトで照らす) | 2件 |
| 音(ラジオ、ブザー) | 2件 |
読んだのは、朝倉市・各務原市・柏崎市・北九州市・つくば市・つくばみらい市・綾瀬市・大津市・鈴鹿市と、香川県・鳥取県の公式ページです。編集部が各ページの本文を読んで数えました。全国のすべての自治体を調べたものではありません。
かんたんに言うと、超音波の機械は、CDやアルミ箔より少ない2件でした。 侵入口をふさぐことは、その4倍をこえる9件です。
CDやアルミ箔は、コウモリ自身の超音波を乱す方法です
CDやアルミ箔をぶら下げる方法は、機械とは向きが逆です。
鳥取県は、コウモリは超音波を出して飛んでいるので、CDやアルミ箔で乱反射させると嫌がって近づかなくなる可能性がある、と書いています。
ただし、鳥取県は「絶対ではありません」と断っています。柏崎市も「効果がある場合があります」という書き方です。
9件が、入口をふさぐよう書いています
北九州市は、順番をはっきり書いています。
- 煙や忌避剤、ライトで追い出す
- 追い出したあとに、侵入口をふさぐ
- むずかしければ、専門の業者に頼む
朝倉市も、追い出す方法を挙げたうえで、侵入口をふさぐよう書いています。追い出す方法を書いたページの多くが、ふさぐところまでを1組にしています。
ふさぐことに触れていなかったのは、綾瀬市と大津市の2件です。大津市は、コウモリは追い払っても戻ってくることが多いと書いています。
超音波は、コウモリにとって聞きなれない音ではありません。
朝倉市は、日本でよく見られるアブラコウモリについて、口や鼻から超音波を出して、夜に飛ぶ虫を食べていると書いています。
同志社大学などの研究では、コウモリが集団で飛ぶとき、出す超音波の周波数をおたがいに調整して、音が混ざるのを避けていることが分かっています。科学技術振興機構が2018年5月に発表しました。調べたのはユビナガコウモリという種類です。
ここからは編集部の見立てです。この研究は、撃退用の機械が効くかどうかを調べたものではありません。ただ、ほかの超音波が鳴っている中でも飛べる動物だということは分かります。「超音波を流せば必ず嫌がって出ていく」とは言い切れない、と編集部は考えます。
「なぜ超音波を嫌がるのか」は、資料に書かれていません
コウモリが超音波の機械を嫌がる理由を説明した公的なページは、11件の中にありませんでした。
朝倉市は「超音波が苦手」という見出しを付けていますが、理由までは書いていません。
アプリやソーラー式の効き目を確かめた公的な資料は、見つかりませんでした。
スマートフォンのアプリに触れていたのは、朝倉市の1件だけです。アプリがあると書いているだけで、効き目は書かれていません。
ソーラー式の機械について書いたページは、11件の中にありませんでした。おすすめの順位を付けた公的なページもありません。
超音波の機械については、ネズミ用で国民生活センターがテストをしています。表示どおりの超音波が出ていない機械があった、という結果でした。くわしくはネズミ駆除の超音波は効果ない?に書いています。
買う前に見ることを並べます。
- 入口がどこかを先に確かめる。フンが落ちている場所の上が目安
- 機械を置いたあと、入口をふさげる高さかどうか
- 追い出す時期。鳥取県は、まだ飛べない子どもがいる6〜8月と、冬眠の前後を避けるよう書いている
- 捕まえたり殺したりしない。法律で禁じられている
追い出せる時期とふさぎ方は、コウモリが寄ってくる家の特徴にまとめています。
貸してくれる市があります
買う前に試す方法もあります。各務原市は、動物が近づくと嫌がる音を出す装置を、市民に貸し出しています。
住んでいる市区町村に同じ制度があるかは、市役所のページで確かめてください。市がしてくれることの範囲は、コウモリ駆除を市役所は行いませんに書いています。
この章でやることは3つです。
- フンの場所から、入口を探す
- 忌避剤や煙と合わせて追い出し、いない時に入口をふさぐ
- 入口が高い所なら、機械を買う前に業者の見積もりを取る

超音波の機械を置いても戻ってくる家は、入口が開いたままです。ふさぐ場所が高い所にある人は、足場が要るかどうかを先に聞けます。
朝倉市は、超音波発生装置なども効果があると書いています。ただし、読んだ公的な11ページのうち、超音波の機械を対策に挙げていたのは2件だけでした。効き目を数字で示したページはありません。
朝倉市は、スマートフォンに超音波を発生させるアプリがあると書いています。効き目について書いた公的な資料は、見つかりませんでした。
ソーラー式について書いた公的なページは、読んだ11件の中にありませんでした。効くかどうかを、公的な資料から判断することはできません。
理由を説明した公的なページは、見つかりませんでした。コウモリは自分でも超音波を出して飛ぶ動物です。超音波を流せば必ず嫌がる、とは言い切れないと編集部は考えます。
人への影響について書いた公的なページは、読んだ11件の中にありませんでした。機械を使うときは、製品の説明書きにしたがってください。
多くのページが挙げているのは、侵入口をふさぐこと、忌避剤、煙です。北九州市は、追い出したあとに侵入口をふさぐよう書いています。コウモリがいない時に、網やパテでふさぎます。
超音波の機械を対策に挙げていた公的なページは、11件のうち2件でした。効き目を数字で示したページはありません。
いちばん多く挙げられていたのは、侵入口をふさぐことで、9件でした。忌避剤やにおいが8件、煙が5件です。
超音波の機械を使うなら、追い出す手段の1つとして使い、いない時に入口をふさいでください。
最後に、やることを3つに絞ります。
- フンの場所から入口を探す
- 忌避剤・煙・超音波で追い出し、いない時にふさぐ
- 入口が高い所なら、業者に見積もりを頼む

入口が1か所とは限りません。1cmほどのすき間があれば出入りできると、鳥取県は書いています。家のまわりを一度見てもらうと、ふさぐ場所の数が分かります。

